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太陽で「共食いCME」と呼ばれる超巨大コロナ質量放出が発生。地球方面への影響はナシ

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NASAの「共食いCME」説明ページより。2つのCMEが合体する現象

NASA




 

共食い型CME

今日、新しく知った言葉がありました。

スペースウェザーを見ましたら、「カンニバル CME ( Cannibal CME / 直訳すると「共食い CME」)」という現象が発生したことが報じられていたのです。

これは、NASA の説明サイトによりますと、

「 CME (コロナ質量放出)が連続で起きることにより、最初に発生した CME が、後から発生した CME に追いつかれ、《衝突・合体》する現象」

ということのようです。

以下が、4月26日に発生した、その共食い CME の様子です。

中央の白い円が太陽のサイズですので、相当な広がりを見せています。


spaceweather.com

幸いこの CME は地球の方向ではないほうに放出されましたので、地球には特に影響はないのですが、ただ、スペースウェザーの記事には、以下の記述がありました。

スペースウェザーの記事より

人食い CME は、高い割合で地磁気嵐やオーロラを引き起こす。2つの CME が合体すると、圧縮によって衝撃波と強化された磁場が発生し、地球の磁気圏に穴が開く可能性があるためだ。

これにより、強力な地磁気嵐への扉が開かれる。記録された歴史の中で最大の地磁気嵐 (1859年のキャリントン事を含めて)のいくつかは、おそらく共食い CME によって引き起こされた

spaceweather.com

 

また、この共食い CME というのは、強い地磁気嵐を引き起こすと共に「長い時間、地磁気嵐が続く」ことが、アストロアーツの記事に書かれていました。何と、2001年3月の記事で、つまり 22年前のものです。

2001年3月のアストロアーツより抜粋

太陽活動が沈静化しているときは、CME は 2~3日に一度起こるだけだ。しかし、11年周期の太陽活動のピークにあたる 2000年前後では、CMEは1日に数回も発生する。

そして、CMEの速度には幅があるため、遅い CMEが発生したすぐ後に同じ場所からより速い CMEが起こると、速い CMEが遅い CMEに追いついて衝突・合体するという現象がしばしば起こる。

この現象は、共食い型CME (Cannibal CME) と呼ばれる。

研究者たちは、この共食い型CMEは、衝突・合体の結果規模が大きくなり、構造も複雑化するため、地球により長期間に渡る磁気嵐を引き起こす原因になると考えている。

また、共食い型CMEはこれまで考えていたよりも頻繁に起こるということもわかってきた。

astroarts.co.jp

 

CME (コロナ質量放出)というものは、太陽フレアだけが原因で起きるものではなく、たとえば、最近の記事「G4クラスの地磁気嵐の中…」での CME は、磁気フィラメントの爆発によるものでした。

その 1ヵ月前の CME に至っては、

「 CME が発生した原因がわからない」

というものでした。

地球が、発生原因不明の「G4」クラスの深刻な地磁気嵐に見舞われている
地球の記録 2023年3月25日

 

それに加えて、太陽フレア自体の発生数も、少なくとも昨年あたりまでと比べますと今年は格段に多く、Xフレアの比較では、3月の時点で「昨年 1年間の発生数を超えた」のでした。

CME を発生させるような事象、

・巨大な太陽フレア
・磁気フィラメントの爆発
・他の謎の要因

が連続して起きていることは確かで、つまり、CME の発生数が多くなればなるほど、CME の重複発生による「合体」、すなわち、共食い型 CME も多くなると思われます。

あるいは、2つを超えた CME が重複して発生する可能性もなくはないかもしれません。

その際に発生する可能性がある共食い CME のような現象が、地球に向いていた場合、状況的にかなり影響を受けるのかもしれません。







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