太陽活動と宇宙 戦争の時代 異常な現象

地球が、発生原因不明の「G4」クラスの深刻な地磁気嵐に見舞われている。アメリカでは北緯33度近辺でも赤いオーロラが観測されるという異常

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3月23日に米バージニア州で撮影された赤いオーロラ。 Peter Forister




 

ほとんどの地域が赤いオーロラに包まれたアメリカ

前日の 3月24日に「突如」発生した地磁気嵐に地球が覆われています。これは、専門機関も予測していなかったものです。

そして、そのレベルは、G4 という最近ではほぼなかったカテゴリーのものです。地磁気嵐のレベルは、5段階にわかれていて、G5 が最大です。つまり、現在発生している地磁気嵐は、上から 2番目の大変に強力なもので、レベルとして、「深刻な (Severe)」と分類されます。

昨日までは、G3 だったんですよ。それが「 1日で強化した」ようです。

太陽フレアを「伴わない」G3レベルの地磁気嵐が発生。NICTからの臨時情報 (2023/03/04)

 

この地磁気嵐のために、アメリカで、通常はオーロラなど観測されることがないような緯度の地域でオーロラが見られたことが報じられています。

しかし、オーロラはともかく、G4 レベルの地磁気嵐となりますと、何らかの影響が出るレベルではあります。

G4 地磁気嵐の可能性のある影響は以下のようになります。

 

G4 電力系統では広い範囲で電圧制御に問題が発生する可能性があり、一部の重要な機器では、保護システムの誤作動により電力供給が遮断される可能性がある。

>宇宙機では表面帯電が起こったり衛星追尾に問題が生じたりする可能性がある。パイプラインでは誘導電流が流れる。

>短波放送では電波の伝搬が散発的になる。衛星測位は数時間の間精度が低下し、長波を用いた電波航法は障害される。オーロラは、磁気緯度45度付近まで見える。 磁気嵐

 

ここには、「 G4 では、緯度 45度付近までオーロラが観測される」とありますが、今回のオーロラは、ニューメキシコ州サンスポット、という「おおむね北緯 33度」の場所でも、うっすら赤いオーロラが観測されていたのです。このレベルは、ほとんど G5 のレベルなのですが……何だか不思議なことが起きています。

北緯 33度近辺とは、つまり日本でなら高知とか長崎ですので、オーロラが観測されるのは大変に珍しいです。

この北緯33度のことにはここではふれないですが、こちらの「北緯33度線と関係した過去記事一覧」にあります。

なお、赤いオーロラは「暴力的な精神異常と関係する」ことについて、こちらの記事で書いたことがあります。これはオカルトの話ではなく、データ上の話です

現在の状況は、国立研究開発法人 情報通信研究機構が太陽活動の状況を配信している NICT のトップページを見ますと、

「電離圏嵐」
「スポラディックE層」

がふたつともマックスとなっていました。

3月25日の NICT の情報ページより

NICT

スポラディックE層とは、上空約 100km付近に局地的・突発的(スポラディック)に発生する特殊な電離層のことで、ラジオなどの電波に影響を与えるものです。

そして、もうひとつの「電離圏嵐」なんですが……。

NICT の説明から引用します。

 

> 電離圏の電子密度が急激に増加、あるいは減少する現象を電離圏嵐と呼びます。 NICT

 

要するに、電離圏の「電子数が急激な変化を起こす」というものです。

この話については、話が逸脱していきますので、詳しく書くつもりはないですが、In Deep の 14年前の記事と、2019年の記事をリンクさせていただきます。

 

衝撃のデータ: 2011年3月11日の地震の前に観測された日本上空の赤外線と電子量の急激な変化
In Deep 2011年05月20日

「地震の原因は宇宙からやって来ている決定的な証拠」が、京都大学の科学者たちによる高層大気圏の「電離層の研究」から改めて提示される
In Deep 2019年10月23日

(マサチューセッツ工科大学の2011年のリリースより)

> 日本の東北でのマグニチュード9の地震の数日前より、電離層全体の電子量が劇的に増加したことがわかったと NASA ゴダード宇宙飛行センターの研究スタッフたちは言う。

この電子量は地震の3日前に最大に達した。同時に、衛星は巨大な赤外線放出を観測した。この赤外線の放出は、地震直前にピークに達した。

 

まあ、地震云々のことはともかく、今回の地磁気嵐で最も印象的なのは、

「なぜ地磁気嵐が起きたのかを説明できない」

ということです。

スペースウェザーも、記事で、

> 嵐の原因はまだ不明だ。

と書いています。

今回は、そのスペースウェザーの最新記事をご紹介します。

なお、太陽活動は、時期的には、まだ最大期に全然達していないのですが、

「すでに前回の太陽活動であるサイクル24の最大期を超えた」

ことが示されています。

サイクル24からサイクル25にかけての太陽活動 (平均黒点数)

David I Birch

そして、太陽活動が大きくなるのは、今後の 3、4年なのです。

この分ですと、どこまで太陽活動が大きくなるのか、よくわからなくなってきていますが、1年ほど前の過去記事をリンクさせていただきます。今後のいろいろな検討にご参照いただければと思います。

 

太陽、食糧、そして準備
In Deep 2022年2月24日

 

現在の地磁気嵐について、スペースウェザーの記事をご紹介します。




 


深刻な地磁気嵐

SEVERE GEOMAGNETIC STORM
spaceweather.com 20023/02/25

これが来るのは予測されていなかった。3月23日から 24日にかけて、オーロラが米国のニューメキシコ州 (北緯 32.8 度)まで広がり、深刻なカテゴリー G4 の磁気嵐が発生した。

これは、過去 6年で最も激しい地磁気嵐だ。

この地磁気嵐の発生した原因は今のところ不明だ。3月23日に CME コロナ質量放出)が、地球にニアミスをしたが、その波及効果だった可能性もある。

この嵐により、アメリカの広い範囲でオーロラが観測され、北緯 38.7度のバージニア州シェナンドー国立公園でさえ観測された。

この日、アメリカ全州の半分以上でオーロラが観測された。

注目に値する驚くべきこの地磁気嵐は、地球周辺の空間の磁場が突然変化した 3月23日に始まった。

南向きの磁場は、地球の磁気圏に亀裂を開く可能性があり、それが起こった。この地球の磁気圏の亀裂により、地球の磁場からの防御はほぼ 24 時間シャットダウンされ、太陽風が地球に浸透した。

この嵐はカテゴリ G4 にまで上昇している。







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