5回の動議不成立と1年の期間を経て、ようやく動議が可決
2021年以降は、主要国のほとんどで劇的な超過死亡率が示されていますが、オーストラリアもそのような国のひとつです。
2023年3月には、
「オーストラリアの超過死亡率が、過去 80年で最大となった」
ことが報じられていました。
オーストラリアの超過死亡率が「過去80年で最大」に。メディアは「不可解な現象だ」と述べる
地球の記録 2023年3月10日
2023年4月には、オーストラリアの超過死亡数とワクチン接種数の推移との関連を検証した論文が発表されています。
オーストラリアの「超過死亡数とワクチン接種数の推移との関連」を検証・確認した論文が発表される
地球の記録 2023年4月3日
オーストラリアの超過死亡の原因は(正式な調査はこれからですので)ともかく、時期としては、2021年の終わりから一貫して超過死亡の状態が続いていました。
以下は、2021年 と2022年のオーストラリアの超過死亡の推移です。水色の領域より「上」は、すべて超過死亡です。
オーストラリアの2021年 - 2022年の超過死亡数の推移
Karen Cutter
オーストラリアでは、2021年後半から極端な出生数の減少というものに見舞われてもいまして、少数の議員たちから、超過死亡にしても、出生数の急減(緩慢な減少ではなく急減)にしても、それらについての調査を求める声が 2022年から出されていました。
オーストラリアの2015年 - 2021年までの月間出生率の推移
indeep.jp
そして、最近、統一オーストラリア党の上院議員によって議会に提出された、
「超過死亡の原因についての正確な調査についての動議」
が上院で可決されたことが報じられていました。
つまり、超過死亡の原因についての調査がオーストラリアで正式に始まるということになります。
動議を提出したのは、ラルフ・バベット上院議員という方ですが、こちらの報道では、最初に、この動議を提出してから「 1年の歳月と、5回の動議を経て、ようやく可決した」とあります。
バベット上院議員が非常に粘り強く超過死亡の原因についての調査への要望を提出し続けた結果だったようです。
政府による超過死亡の原因の調査が本格的に始まるとすれば、これは世界で初めてのこととなります。
もっとも、医療界や、各当局からのさまざまな障壁には突き当たり続けるとは思われ、非常に難しいことだとは思いますが、うまくいくといいなとは思います。
オーストラリアの状況次第では、他の国でも同様の議会提出がなされる可能性もあるかもしれません。
この動議の可決について報じていた記事をご紹介します。
オーストラリア上院、「世界初」となる超過死亡の調査へ
Australian Senate to Investigate Excess Deaths in ‘World First’ Inquiry
Epoch Times 2024/03/26
動議は 31対 30の僅差で上院を通過し、新型コロナ以降の超過死亡問題に関する「世界初」の調査が始まる。
オーストラリア上院は、統一オーストラリア党の上院議員ラルフ・バベット氏の執拗な働きかけを受けて、パンデミック開始以来の超過死亡を調査することに同意した。
3月26日、上院は超過死亡の要因を調査する地域問題参考委員会の設置を 31対 30で賛成票を投じた。
統一オーストラリア党上院議員は、自由国民党、ワン・ネイション、ジャッキー・ランビー・ネットワーク、無所属のデビッド・ポーコック氏とリディア・ソープ氏の支持を得ることができた。
オーストラリア労働党と緑の党はともに動議に反対票を投じた。
この最新の動きは、上院が 2月8日に超過死亡に関するさらなる調査を支持する以前の動議に賛成票を投じた後に行われた。
バベット上院議員はエポックタイムへの声明で、「これは地球規模の問題とは何かについての世界初の調査のとなると見られます」と述べた。
「この委員会のプロセスが故人の遺族たちに声を与え、我が国が切実に必要としている答えを届けることができることを望んでいます」
ラルフ・バベット上院議員
オーストラリアの超過死亡数
2023年12月にオーストラリア議会図書館が発表した研究論文によると、2022年の死亡者数(超過死亡数)は、パンデミックがなかった場合よりも 1万8600人から 2万200人増加すると推定されている。
バベット上院議員は、オーストラリア統計局の 2月の暫定死亡統計で、 2023年11月までに死亡者数が 1万5114人、つまり基準平均より 10%多いことが確認されたと述べた。
報告された超過死亡率とは、過去のデータに基づいたモデル化された推定値と比較した場合に予想されるよりも多い場合の率で、診断されたすべての原因(新型コロナを含む)による死亡者数だ。
「超過死亡は単なる一時的な現象ではありません」とバベット上院議員は X で述べた。
「主な懸念領域は、認知症による死亡(ベースラインより 18.5%高い)、糖尿病による死亡(20.1%)、その他の心臓疾患(13.1%)、呼吸器疾患(13.0%)です」
「私たちの同胞であるオーストラリア人たちが、基準値よりも多く亡くなっており、その理由を解明する必要があります」
比較すると、米国では、15~ 44歳の超過死亡率は 20%に達し、2021年には約 34%に増加した。2022年の超過死亡率は 18%強だった。
新型コロナが寄与している可能性が高いと述べる専門家たち
ロイヤルメルボルン工科大学(RMIT)ファクトラボは、2022年の超過死亡の約半数(5,620人)は新型コロナウイルス感染症によるもので、残りの半数は認知症、ガン、虚血性心疾患、脳血管疾患などの新型コロナではない超過死亡であると結論付けた。
「超過死亡の大部分は 75歳以上の人々でしたが、ワクチン接種を受けた 16歳以上の人口も膨大に存在します」とオーストラリア保険計理士協会のカレン・カッター氏は 2022年10月に語った。
しかし、カッター氏は超過死亡の原因とワクチンが関連していることを否定した。
「新型コロナワクチンがオーストラリアや海外での超過死亡の一因となったことを示唆する信頼できる証拠はありません」と、オーストラリア治療用品管理局も RMIT ファクトラボに語った。
一方、ジェラルド・レニック上院議員は、ワクチンが投与されていた 2021年 5月から 12月までに 1万人の原因不明の超過死亡があったと主張している。
このオーストラリアの地域問題参考委員会は、2024年8月31日までに超過死亡に関する調査結果を報告する予定だ。提出は一般の人々から求められ、その後公聴会が開催される予定だ。