黒竜江省と吉林省の洪水被害を伝える報道より。 NTD TV
中国最大の米どころの収獲が危機的な状況に
先日、中国の北京周辺で「 140年ぶりに記録を更新した豪雨」による洪水について取り上げたことがあります。
(記事) 中国の北京周辺で140年ぶりの豪雨による洪水で死者不明が50名以上に及んでいる
2023年8月3日
その後、中国の他の地域での豪雨、洪水被害が明らかになってきていまして、時に中国北部では広範囲にわたって洪水被害が続いているようです。
そのうち、北部の黒竜江省や吉林省などでの豪雨が激しいようなのですが、このあたりは「中国有数の米作地帯」として知られているようです。
中国で最も有名な米どころである「黒竜江省の武昌市」という場所では、市街地が浸水したと共に、郊外の広大な農地が浸水したと報じられています。
黒竜江省の様子
ntdtv.com
水田の作物がすべて失われたと取材に対して述べている農家の方もいました。
米作農家で被害を受けている地域は多そうなのですが、問題は、中国もまた「主食はコメ」の国家です。仮に、中国国内のコメの流通や価格に何か問題が生じた場合、中国は、全力で海外からのコメの確保に奔走するはずです。それが新たな問題を引き起こす可能性があります。
現在、インドの白米輸出の停止を受けて、世界中でコメの流通と価格に問題が起き始めています。
(記事) インドがコメ輸出停止を発表した後から米国で「コメのパニック買い」が発生。地域により価格は一気に3倍以上に
2023年7月26日
国際的なコメの価格も急上昇しています。以下は、インドに次いでコメ輸出の多い「タイ米」の国際価格の推移です。
現状でも国際コメ価格が下がる理由は見当たらないのですが、ここに、仮に中国のコメの収獲に問題が生じた場合、国際コメ価格はさらに上昇する可能性があります。
海外のコメの価格は日本のコメの流通とは関係がないとされることもありますが、今の日本のこの気候ですと、先行きはよくわかりません。
台風を含めて豪雨の季節はこれからですので。
いずれにしましても、中国の洪水被害がこれ以上拡大しないことを願うしかないようです。
黒竜江省や吉林省などの洪水被害について、新唐人電視台の報道です。
黒竜江省の武昌市の農地が洪水で浸水:コメの収穫が消えた
洪水淹黑龍江吉林 五常農民:稻米絕收
ntdtv.com 2023/08/05
牡丹江の住民たちが口々に叫んでいる。
「見て下さい、家がなくなってしまった」
「家が流されました。家はまだ水の中にあるのです」
黒竜江省は 8月3日以降、24時間以内に 8回の赤色暴風雨警報(最高度の暴風雨警報)を発令した。
牡丹江市営林局付近では、住民が洪水に囲まれ、家屋全体が流された。
黒竜江省の複数の河川が 8月3日に深刻な氾濫に見舞われた。牡丹江市の治水緊急対応は 1日以内にレベル 2に引き上げられた。
ハルビンから牡丹江に向か牡丹高速道路で橋が崩落した。
武昌市の住民:
「もう車では行けません。今はボートでしか行くことができません。水はとても深いです」
中国で最も有名な米どころである「黒竜江省の武昌市」では市街地が浸水し、郊外の広大な農地が浸水した。
武昌市の農家:
「一晩中寝ていませんが、水は増えています。昨日は昼も夜も雨が降りました。水が引かなければ、基本的に生産は停止してしまいます」
「乾式農業とは、このようにして春から田畑に撒かれ、秋に収穫が行われるのです。このような自然災害について、私たち農家は本当に何もすることができません」
種子、肥料、農薬、労働力など数カ月に及ぶ投資がすべて無駄となり、農家の人々は絶望の叫びを上げている。
同じく主要な穀物生産地の一つである吉林省蜀蘭市では 8月3日、洪水により村が浸水し、町の道路が川と化した。地元の電力が損傷し、通信が中断された。当局は 1万2550人が避難していると発表した。
太行山脈の東麓にある河北省来水県の礼山坡風景区では、ジュマ川の水位が急上昇し、多くの村が浸水し、村民や観光客が数日間閉じ込められ、緊急の救助が必要となった。
局地的な洪水と土砂崩れが重なって、山が崩壊し、道路が寸断され、家屋が埋もれた。
他の場所から人々を救出するために故郷に戻った村民たちは、一部の犠牲者の遺体がすでに腐敗しており、身元が確認できなかったと述べた。
同時に、北京近郊の河北省廊坊市はひどい洪水に見舞われ、今も多くの人が閉じ込められている。