8月16日 ロシアのイルビットで撮影された巨大な大気光学現象「エルブス」
最近になってから「存在することが判明した」高層大気の光学現象というものは、いろいろとありまして、たとえば下のようなものがあります。
・スプライト
・ブルージェット
・エルブス
それぞれの概念を図で示しますと、以下のような感じとなります。
高層の主な光学現象
・東北電力
スプライトやブルージェットについては、過去記事でもよく取りあげていましたが、この中で最も「発光時間が短い」とされ、それだけに、写真などの記録がほとんど残っていない光学現象が「エルブス」です。
エルブスの発光時間は「 1000分の 1秒」と言われており、それだけに、ほとんど残されている記録がありません。
過去に以下の記事でご紹介したエルヴスの写真が、現存している中では、最もはっきりと撮影されているものではないでしょうか。
下の写真がその記事でのエルブスです。
2017年4月2日にチェコで撮影された超高層大気現象エルブス
そして、今回、ロシアのイルビット(あるいはイルビト)という町において、冒頭のエルブスが撮影されたことがスペースウェザーで報じられているのですが、ただ、はっきりいえば、冒頭の写真だけではよくおわかりにならないのではないかと思いますので、文字で説明を加えさせていただきますと、下のような構成になっています。
写真を少し明るくさせていただくと、わかりやすくなるかと思い、下は明るさを上げたものです。
この写真は、巨大エルブスの両隣にスプライトが写っているという非常に珍しい構成で、今後、このような写真が撮影されることはないのではないかと思えるほど、とても稀少な光景が記録されたことになります。
そして、この2、3年は、高層大気の光学現象が撮影されることが次第に多くなっています。そのような現象を撮影しようとする人が増えたということもありますけれど、やはり、これらの光学現象は、基本的には「放電」ですので、荒れた気象とも関係している気はします。
なお、過去記事でご紹介したものから、他の高層大気の光学現象「スプライト」と「ブルージェット」の光景を再掲させていだきます。
2018年5月に米国オクラホマ州で撮影されたスプライト
・オクラホマの空を飾った巨大なクラゲのような赤い光学現象スプライト