10月13日 洪水の中の夜明けを迎えたシリアの首都ダマスカス
中東のニュースは全般として入手しにくいですが、中でも特にシリアやイラクに関してのニュースというのは、テロや紛争関係はともかく、気象情報などは、日本語ではもちろん、英語などの報道でもあまり取りあげられることがありません。
なので、そのような地域で起きていることを知るには、たまに現地のアラビア語の気象ニュースを眺めるしかないのですが、最近、シリアの首都ダマスカスが非常に激しい暴風雨に襲われていたことを知りました。
シリアは全土的に砂漠的な地域の国ですが、10月13日、シリアの首都ダマスカスが、大雨と、それによる洪水の発生で大きな被害を出したと伝えられていました。
下の写真は、シリアの気象ニュース「アルカルモン・ウェザー」に掲載されていたダマスカスの 10月13日の嵐と洪水が去った後の光景です。
内戦の廃墟の中の洪水であるため、紛争で破壊された建物や車と洪水の被害が合わさった光景となっていて、非常に終末的な雰囲気が漂います。
2018年10月13日 シリア・ダマスカス
下の動画は、洪水が発生し始めた頃のダマスカス市内の動画です。
https://youtu.be/c3nzn7mRXHw
シリアのダマスカスは、下の場所にあります。
ダマスカスの場所
・Google Map
この暴風雨がどこで発生したものかについての記述はないですが、このダマスカスというのは地中海に近い場所にあり、今の地中海の海水温度の高さなどから、地中海で発生した暴風雨なのかもしれません。
今年は、地中海で発生する暴風雨「メディケーン / Medicane)」が非常に多くなっています。
今後も地中海で発生するメディケーンが多くなった場合、偏西風やジェット気流の流れによっては地中海に面したイスラエルやシリア、レバノンといった国や地域は、軒並み「かつてない悪天候」に見舞われることが増えるかと思われます。
聖書の舞台でもあるこれらの地域に「本格的な洪水の時代」がやってくることになるのかもしれません。
実際、イスラエルでは、以下の記事でご紹介したような「前代未聞の大洪水」が発生しています。
現在の地中海周辺の環境の変化というのは、今後、これらの中東地域に「聖書的な光景が現出しやすくなっていく」というものでもありそうです。
もちろん、砂漠の地に大雨や洪水が度重なるというのは悪いことばかりではなく、これらの土地が、将来的に「緑の大地」となっていく可能性もあるわけで、今後数年から数十年の変化は興味深いものとなりそうです。