10月11日 北京で撮影され SNS に投稿された空の謎の光
10月11日、中国の北京と、隣接する山西省、そして内モンゴル自治区などで、「夜空の奇妙な光」が目撃されました。
これは、人口の多い北京をはじめとして、多くの地域で目撃されたこともあり、 SNS におびただしい写真や動画が投稿されました。
下は、その中の動画の一部です。
https://youtu.be/Q3h1iTCuS8I
写真ですと、以下のようなものとなります。なかなか変幻自在に形を変えていったもののようです。
2018年10月11日 中国で多数の人たちに目撃された光
・CGTN
・CGTN
中国の SNS では、一斉に「 UFO か」というような言葉が飛び交いましたが、一般的に、このタイプの光は、ミサイルかロケットの打ち上げの際の光である場合が多いです。
特に大陸間弾道ミサイル(ICBM)などの場合は、発射の際にとても派手な光を残しますが、そのあたりは以下の記事にまとめたことがあります。
狂乱と饗宴が続く世界の空:大陸間弾道ミサイルが作り出す光景、激増する「美しき緑の火球」の爆発、そして、空から降り続ける人工物たち
ところが……。
今回の光が目撃された日とその時間とを照らし合わせると、何となく奇妙な感じにもなっています。
実は、この 10月11日は、ロシアのソユーズ宇宙船が「発射に失敗した日」なのでした。
報道は、
・ロシアのソユーズ、打ち上げ失敗 宇宙飛行士2人は無事
朝日新聞デジタル 2018/10/11
などにありますが、この打ち上げが失敗したのがこの日でしたので、この光はソユーズ関係のものではないかと思われたのですが、「時間が合わない」のです。
ソユーズの打ち上げが失敗したのは、中国時間で 10月11日の午後 4時40分。
北京で光が目撃されたのが、中国時間で午後 7時。
時間が開きすぎているのです。
そして、その位置関係も、やや不可解な感じもあります。
ロシアのソユーズ宇宙船は、カザフスタンにある「バイコヌール宇宙基地」という空軍基地から発射されたのですが、そのバイコヌール宇宙基地と北京の位置関係は下のようになります。
バイコヌール宇宙基地と北京の位置(3000km以上離れている)
・Google Map
報道では、
> 宇宙飛行士 2人の乗った脱出カプセルは分離され、発射地点から約400キロ離れた場所に着陸した。
というように、400キロという数字が出てきますが、バイコヌール宇宙基地から北京までは 3000キロメートル以上もの距離があります。
あるいは、この光が打ち上げに失敗したロシアのソユーズ宇宙船のものだったとした場合、目撃される場所は、もう少し違う場所になっているのではないかと思うのです。
そんなわけで、何ともいえないですが、もしかすると、この光は「ミサイルやロケットではない」のかもしれません。
何か極秘の軍事演習などが中国でおこなわれていたとしたなら、何らかのテストだったということはあり得るとは思いますけれど。
いずれにしても、公的情報だけでは、これが何の光かはわからないままです。