10月15日 イエメンの大洪水の中で慣れない水中を進むラクダ
中東アラビア半島のイエメンに、10月14日、サイクロン「ルバン」が上陸し、ふだんはほとんどの雨の降らない砂漠の国にイエメンに、数年分と考えられる雨量を記録する大雨が降り、大変な洪水が引き起こされています。
下は、10月14日から 15日のイエメン各地の様子が撮影された動画です。
https://youtu.be/ZnoWDKmt27w
このサイクロンは、アラビア海で発生したものですが、以前は、アラビア海で発生したサイクロンが中東方面に向かうことは基本的になかったのですが、このサイクロンは、アラビア半島のイエメンに向かい、そのまま上陸しました。
10月15日 水没したイエメンの街並
サイクロン・ルバンは以下のような進路をとりました。
イエメンの場所とサイクロン「ルバン」の進路
・Google Map
アラビア半島にサイクロンが上陸するのは、「観測史上3番目」なのですが、その前の2つにしても、発生したのは、2015年のことで、つい最近です。
それまでは、
「こういうことはまったくなかった」
のです。
2015年の観測史上初めてとなるイエメンへのサイクロンの上陸は、以下の記事で取りあげていました。
・観測史上初めてサイクロンが上陸した砂漠のイエメンで2日間に「5年分の雨」が降る
この時には、報道によれば、「 2日間で、イエメンの年間平均雨量の 5倍の雨」が降ったとされていまして、つまり、2日で 5年分の雨が降ったのでした。
今回のサイクロンも同じような雨量となっている可能性があり、年間雨量 100ミリ程度の砂漠の国イエメンに、数年分の雨が降ったと考えられます。
詳細な被害は不明ですが、じきに明らかになってくると思われます。
多くの人々は、屋根に逃れることなどで洪水をしのいでいたようですが、写真を見る限りは、屋根まで水没している家屋も多く、その後の状況はわからない部分があります。
この日の前後には、フランス南部でも、報道によれば「6時間で3カ月分の雨」が降り、大規模な洪水が発生し、十数名の犠牲者が出ています。
最近は洪水を取りあげることが多いですが、この10月は、実際にはご紹介しているよりさらに多くの場所で洪水が発生し続けています。
これらの多くに見られる「かつてない雨」や「かつてない洪水」事象は世界中に広がっていまして、洪水の時代であることを強く実感させてくれます。