10月14日の報道より
・A hurricane in Spain? Leslie is headed that way
ここのところ、暴風雨についての記事が多く、しかも、ふだんは暴風雨とはあまり縁のない場所でのハリケーンやサイクロンなどの報道が目立ちます。
そのような中で、現在、なんと、
「スペインにハリケーンが上陸する」
ということが報じられています。
これは、ハリケーン「レスリー」と名づけられているもので、大西洋で発生した後に、普通なら決して取ることのない「スペインに向かっての進路を移動している」のです。
下は、アメリカ海洋大気庁(NOAA)が 10月13日に発表した進路予想です。これは現地時間ですので、日本時間では、これより半日ほど後になると思われます。
2018年10月13日時点のハリケーン「レスリー」の進路予測図
・NOAA
この発表時の勢力は、ハリケーンでは最も弱い「カテゴリー 1」でしたので、スペインに上陸する際には、ハリケーンでなくなっている可能性はありますが、ハリケーンとしてイベリア半島に向かっているのは事実です。
通常、ハリケーンは、大西洋上で発生した後に多くは西へ、つまり、カリブ海やアメリカの方向へと進みます。
もちろん、いろいろなコースがあるとはいえ、「スペインとポルトガルに向かう」というイベリア半島直撃コースは、少なくとも私は聞いたことがありませんでした。
それで調べてみましたら、こちらの報道に、
「 1842年にスペインをハリケーンが襲った記録が残っている」
とあり、実に 176年ぶりということになります。
ハリケーンではない暴風雨にしても、2005年に 1度あっただけらしいですので、非常に珍しい気象の状況となるようです。
ちなみに、下の図は、「記録が残る歴代の台風、サイクロン、ハリケーンの進路」です。色はカテゴリーで、赤くなるほど強い暴風雨です。
歴代の暴風雨(台風、ハリケーン、サイクロン)の進路
・discovermagazine.com
ややわかりにくいかもしれないですが、スペインに到達している暴風雨は、「ほぼない」ことがわかります。
しかし最近はいろいろと変化していて、たとえば、昨年は、イギリスに向かったハリケーン「オフィーリア」について以下の記事で取りあげました。
史上初めての場所に誕生し、史上初めてのコースを取る記録づくめのハリケーン「オフィーリア」。それは地球の海と大気の大規模な変化の象徴そのものであり、自分が死にゆくことを知らない者の象徴でもあり
感覚的な話ではなく、本当に現在のこの地球の大気の流れや暴風雨のコースは「すっかり変わってしまっている」のです。
そして、今後もこの傾向は継続していくはずです。