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大豆の輸出量世界第1位のアルゼンチンが、大豆の輸出の停止を発表

投稿日:2022年3月15日 更新日:


dw.com




 

先ほど、以下の記事で、ロシア政府が、小麦やトウモロコシなどの主要な穀物の「輸出禁止」を提示したことを取り上げました。

[記事] ロシア政府が「小麦、大麦、トウモロコシなどのすべての穀物の輸出禁止」に言及。3月15日から
 地球の記録 2022年3月15日

この記事では、

> 問題は、このようなロシアとウクライナの措置に対して、他の国でも「自国の穀物を保守する動き」が出てきた場合です。つまり、「輸出禁止が拡大する」という懸念です。

と書かせていただいたのですが、この記事を書いた後に、今度は、

「アルゼンチンが大豆の輸出を停止した」

という報道を知りました。

アメリカのロイター通信や、世界の穀物情報サイトなどが伝えています。

アメリカ農務省の海外農業局によると、

 

・アルゼンチンは、大豆副産物の世界第 1位の輸出国

 

であり、

 

・世界の大豆油の輸出の48%、大豆ミールの輸出の41%を占める

 

と記されています。

そのアルゼンチンが大豆の輸出を停止したということになります。

日本は、納豆や豆腐などの日常食を含めて、よく大豆を食べますけれど、農林水産省によれば、日本の大豆の自給率は 7%しかありません。

大豆の国際価格は、すでに過去最大圏にあります。以下は、過去5年間の米国大豆ミール先物価格の推移です。これがさらに上昇する可能性が出てきました。


investing.com

なお、世界の大豆の三大生産地は、

・アルゼンチン
・米国
・ブラジル

ですが、アルゼンチンが大豆の輸出を禁止すると、輸入業者たちは、米国とブラジルでその穴を埋めようとすることが間違いないと報道は伝えています。

全体として輸出量が減っていく中での「取り合い」となるわけで、価格はさらに上昇せざるを得ないと見られます。

 

そして、この大豆生産大国のブラジルなんですが、問題を抱えています。以下のような海外の記事を見ますと、「深刻な肥料不足」に直面しているのです。

ロシア・ウクライナ戦争はブラジルの肥料不足を悪化させている

ブラジルの農家はすでに肥料不足に直面している。ロシアがウクライナを侵略した今、2022年の肥料不足を回避するためにサプライヤーを見つける圧力はさらに高まっている。

ブラジルは世界最大の肥料輸入国だ。そのトップサプライヤーはロシアであり、ブラジルに輸入の 22%を提供している。2021年10月に、ロシアの肥料の輸出は、不足を恐れて制限された。そのため、輸出供給が少なくなり、価格が上昇した。そして、今回の侵略が起きたことにより、ブラジルのバイヤーは他の場所を探す必要があるかもしれない。

qz.com

今は世界的に肥料も争奪戦となっています。

[記事]肥料パニック : アメリカの多くの農家の人々が「肥料を手に入れられていない」模様
 In Deep 2022年3月14日

これらは一時的な問題とはいえないと思われます。

現時点で穀物の輸出大国であったロシア、ウクライナ、アルゼンチンが、それぞれ穀物の輸出を禁止したことにより、すでに不足と価格高騰が発生している上に、現在のこの肥料不足は、「今後半年後などになってから結果が出てくる」ものであり、つまり、輸出停止と肥料不足は、

「現時点から、ずっと先まで続く食糧問題となる」

ということになる可能性があるのが厄介なところです。

仮に…まあ、そんなことはないでしょうけれど、他の南米の国やブラジルなども食糧の輸出に何らかの制限をかけた場合、非常に混沌とした状況となると思われます。

アルゼンチンの大豆と大豆油の輸出禁止に関する報道です。


アルゼンチンは大豆ミール、大豆油の輸出販売の登録を停止した

Argentina halts registration of export sales of soy oil, meal
world-grain.com 2022/03/14

ロイター通信の報道によると、アルゼンチン政府は 3月13日、大豆油と大豆ミールの輸出販売の登録を停止したと発表した。

米国農務省 海外農業局によると、アルゼンチンは、2つの大豆副産物の世界第 1位の輸出国であり、2021年から 22年のマーケティング年度には、世界の大豆油の 48%、大豆ミールの輸出の 41%を占めたと予測されている。

アルゼンチンの収穫期は、今後の数週間で始まるため、アルゼンチンの加工業者は政府の決定に不満を表明した。

アルゼンチン食用油協会は、ツイッターで、「これはアルゼンチンの輸出利益に完全に反している。また、これは違法であることに加えて、それは外貨の収入と農産業チェーンの雇用に影響を及ぼす」と記した。

アルゼンチン産大豆の輸出が止まったことにより、輸入業者は、ほぼ間違いなく、世界の大豆生産の二大国である米国とブラジルからの輸入でその空白を埋めることになると思われる。

アルゼンチンの大豆油とミールの輸出にはすでに 30%の関税にがかけられており、政府がその率をさらに引き上げる計画があるという噂がある。







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