8月8日 山火事で光景が赤く染まったポルトガルの人気観光地アルブフェイラのビーチリゾート
・Smoke from a forest fire in Albufeira (Portugal, August 8, 2018)
1週間ほど前に、「ヨーロッパでの山火事の拡大が制御不能の様相を見せている」ことについて以下の記事を書かせていただきました。
ヨーロッパの山火事の拡大が制御不能へと。北欧諸国を含めて、多くの国と地域でさらなる熱波と森林火災発生のリスクが極限まで高まっている
この記事では、8月1日時点でのヨーロッパでの「山火事発生リスク」を示した図を載せました。下の図です。
・ECMWF/FWI
北欧の3カ国から、イギリス、ドイツ、フランスなど多くの国が高い山火事の発生リスクを示していますが、特に色が濃い(茶色から黒)のは、スペイン、ポルトガル、イタリア、トルコ、ギリシャなどとなっていまして、実際その後、これらのどの国でも厳しい山火事が連続して発生しています。
その中でも、ポルトガルの山火事が現在大変な状況となっていまして、一部の地域では、山火事の煙が広範囲にポルトガルの空を覆い「空も太陽も真っ赤」な状態となっていることが報じられています。
冒頭の写真は、アルブフェイラというポルトガル南部の外国人観光客にとても人気のある観光地ですが、その南部の光景が「黙示録」的になっています。下の写真は、南部のやはり人気の観光地ヴィラモウラと、アルブフェイラ周辺の 8月8日の風景です。地図では、下のあたりとなります。
山火事の煙がビーチを赤く染めている地域
・Google Map
2018年8月8日 ポルトガルの山火事による南部観光地の黙示録的な光景
ポルトガルがこのようになった最も大きな理由は、「異常な高温」です。8月に入ってから、場所により 45℃を超える気温が続出しており、それにより予測以上の山火事の発生が続いているようです。
現在のポルトガルの「山火事発生リスク」は下のようになっています。ほぼ全土が、高いリスクに覆われていることがわかります。
8月6日時点のポルトガルでの山火事発生リスク分布
・ IMPA、express.co.uk
大ざっぱに言えば、今、ポルトガル国土の3割くらいが「山火事発生リスクが極めて高い」ということになっている異常事態下にあるのです。
これからの見通しはわからないですが、ヨーロッパの熱波はまだ持続しそうですので、山火事もそれと共に拡大あるいは新たな発生に見舞われる可能性が高いと思われます。
なお、今日 8月10日のポルトガル南部の最高気温予測は、一部で 45℃に達すると発表されています。