8月10日のロシアの報道より
アイスランドはその国土の中に、130以上の火山を持っているとされています。
その中には活動中のものもあれば、何万年、何十万年と噴火していない火山もあるわけですけれど、その中で、「1万年ほどは噴火していない」と考えられている火山のひとつの周辺で、いろいろな地質的異変が起きていることがわかりました。亀裂が生じたり、シンクホール(陥没)現象が起きたり、あるいは逆に、「土地が隆起」したりしているのです。
その火山は、トゥングナフェルスヨークトル (Tungnafellsjökull)という火山で、アイスランドの科学者チームによるアイスランドの火山の全体的な調査の中で、そのことがわかりました。
トゥングナフェルスヨークトルの周辺で起きていること
場所は、以下のようになります。
トゥングナフェルスヨークトル火山の位置
・Google Map
これらの地質的な変化が何を意味しているのかはわかりませんが、仮に、トゥングナフェルスヨークトル火山の活動と関係しているのだとすれば、これは「かなり長い眠りから覚める」という徴候になるのかもしれません。
何しろ、このトゥングナフェルスヨークトル火山は、詳しいことはわかっていないとはいえ、たとえば、アイスランドの火山一覧には以下のようにあります。
トゥングナフェルスヨークトル 休眠中 完新世のころに活動
この「完新世」というのは、1万2000年ほど前から現在に至る地質時代のことですので、結局、「過去1万年のうちに噴火したと考えられるが、詳しいことはわからない」という火山ということにはなりそうです。そして、ここにある「休眠中」というのが、「休眠ではなくなる」という可能性も出てきているのかもしれません。
そして、仮に活動が始まるとすれば、「1万年の眠りから覚める」という、ダイナミックな目覚めということになりそうです。
なお、アイスランドの科学者のページによれば、このトゥングナフェルスヨークトルの北部地域は、この数年来、地形が変化してきていることが衛星からの観測でわかっているのだそう。
この「地形の変化」の意味することろが何かはわかっていないとのことですが、火山と関係した地質の変化をあらわしている可能性もありそうです。
アイスランドでは、たびたび火山の噴火はありますが、近年で印象的だったのは、2010年のエイヤフィヤトラヨークトル火山の噴火だったのではないでしょうか。
その噴火の後の「怒りの形相のような3つの火口」は今でもよく覚えています。下が、その 2010年の噴火の際の火口です。
2010年のエイヤフィヤトラヨークトル火山の噴火によりできた火口
現在アイスランドで起きている地質的変化が、噴火などの事象に結びついていくのはどうかは何ともいえないですが、最近の世界中の火山活動の活況から考えますと、何らかの火山活動と関係があってもおかしくはないと思われます。