数ヶ月前に「観測史上最低の気温」を記録したばかりなのに
2018年4月30日の南アジアの各地の最高気温
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インドやパキスタンなどの地域で、この時期としては異常なほどの高温に見舞われており、いくつかの地点では、観測史上最高の気温が記録されています。
冒頭の気温分布は、下の地域のものです。
この地位は現在、およそすべて平年より暑いというようなことになっているようです。
・Google Map
パキスタンやインドの今年の暑さは 4月の初め頃から繰り返していたものですが、ここに来て一気に「記録破り」ということになったようです。
インド国内の報道を見ましても、4月30日は、下のように各地で時期としては過去最高の気温が観測されていたようです。
5月1日のインドの報道より
上の報道の日本語には、マハーラーシュトラ州としてまとめていますが、具体的には、ナーグプルとヤバトマルという街で、過去最高気温を記録したそうです。
確かにインドやパキスタンは夏は非常に気温が高くなる地域ですが、 4月や 5月に「 40℃や 50℃」というようなことには普通はならないわけで、現在のような状態が続いているというのは、やや異常とはいえます。
また、その高温のためなのでしょうけれど、インドの非常に多数の場所で山火事が発生していることが NASA の衛星でとらえられています。下の写真の赤いドットはすべて山火事です。
4月30日に公開されたNASAの衛星写真を報道するメディア
大変な熱波に早い時期から見舞われているインドであるわけですけれど、しかし思い出すことは、今年の 1月には下のような報道をご紹介したことがあるということです。つまり、実はこの冬のインドやパキスタンは「前例のない寒波に見舞われていた」のです。
インドに歴史的な寒波が到来。新年からの数日間で180人以上が寒さにより死亡、隣国バングラデシュでは各地で観測史上最も低い気温に
この記事で、観測史上で最も低い気温を記録したインド中部のいくつかの州も現在は、「観測史上最も高い気温」や、それに近い状態となっています。
つい先日の In Deep の記事に
> 暑くなるにしても寒くなるにしても、「派手になっている」ということは言えるのかも知れません。
と書きましたけれど、それを体現しているかのようです。
まさかこのインドやパキスタンの暑さが夏まで続いていくとは思わないにしても、いつ収まるのかは、予測でははっきりとはわかっていないようです。