米 CDC (疾病予防管理センター)の「ワクチン有害事象報告システム / VAERS」のデータの最新情報を定期的にご紹介しています。
前回分は以下になります。
[定期]アメリカの7月23日までのワクチン接種後の有害事象報告は 50万件超、死亡例は 1万1940件。12歳から 17歳の有害事象報告が 1万件を超える
投稿日:2021年7月31日
以下は、現時点で最新の CDC の有害事象報告データです。
有害事象の全体の報告数、死亡報告数、重症報告数のそれぞれの前回からの 1週間の推移は以下のようになります。
・有害事象報告 51万8,770件 → 54万5,338件(前週から 2万6,568件増加)
・死亡事例報告数 11,940件 → 12,366件(前週から 426件増加)
・重症事例報告数 6万3,102件 → 7万0,105件 (前週から 7,003件増加) データ
まず、若い世代の有害事象報告です。
十代の有害事象と死亡事例
アメリカの 12歳から 17歳の有害事象報告は、前回より 500件程度増え 10,801件となっています。
・12歳から17歳の有害事象報告 10,801件(データ) 前回 10,246件
・12歳から17歳の重症事例 772件 (データ) 前回は 729件
ワクチン接種年齢の下限が 12歳まで変更されたことに伴うためか、「 9-12歳」の有害事象報告が増加し続けています。
・9歳から12歳の有害事象報告 468件(データ) 前回 440件
以下は、12歳から17歳の重い事例の報告数と、死亡事例です。
・12歳から17歳のアナフィラキシー事例報告 1,836件 (データ) 前回は 1,744件
・12歳から17歳の心臓障害の事例報告 328件 (データ) 前回は 315件
・12歳から17歳の血液凝固障害の事例報告 59件 (データ) 前回は 55件
・12歳から17歳の「死亡」事例報告 13件 (データ) 前回は 11件 )
12歳から17歳の死亡事例報告は、前回までの累積数は 11件でしたが、今回は 13件となりました。
以下は、 12歳から17歳のアメリカでの死亡事例の詳細です。
2021年7月30日までの12歳から17歳の 13人の死亡事例詳細
・15歳 / 女性 / ニューハンプシャー州
[症状]アナフィラキシー反応、心停止
[接種から死亡まで] 1日 (ID 1187918)・16歳 / 女性 / ウィスコンシン州
[症状]心停止
[接種から死亡まで] 11日 (ID 1225942)・15歳 / 男性 / コロラド州
[症状]心不全
[接種から死亡まで] 2日 (ID 1242573)・16歳 / 男性 / カリフォルニア州
[症状]死亡(原因不明)
[接種から死亡まで] 48時間以内 (ID 1382906)・16歳 / 男性 / ジョージア州
[症状]胃腸穿孔、状態悪化、死亡
[接種から死亡まで] 4日 (ID 1386841)・13歳 / 男性
[症状]インフルエンザ様疾患、死亡
[接種から死亡まで] 2日 (ID 1406840)・16歳 / 女性 / ペンシルベニア州
[症状] 胸痛、血球貪食性リンパ組織球症、心嚢液貯留、長期入院、死亡
[接種から死亡まで] 73日 (ID 1420630)・13歳 / 男性 / ミネソタ州
[症状] 小脳出血、 心停止、死亡
[接種から死亡まで] 17日 (ID 1431289)・13歳 / 男性
[症状] 死亡
[接種から死亡まで] 不明 (ID 1463061)・13歳 / 男性
[症状] 心臓肥大、 心筋炎、死亡
[接種から死亡まで] 0日 (ID 1429457)・16歳 / 男性 / カリフォルニア州
[症状] 死亡
[接種から死亡まで] 27日 (ID 1466009)・16歳 / 男性 / ペンシルベニア州
[症状]死亡
[接種から死亡まで]6日 (ID 1475434)・15歳 / 男性 / ニューヨーク州
[症状]失神、心室性頻脈、死亡
[接種から死亡まで]4日 (ID 1498080)・13歳 / 女性 / メリーランド州
[症状]心室頻拍、死亡
[接種から死亡まで]27日 (ID 1505250)
副作用そのものは、女性のほうが多いと報告されますが、若い世代の死亡事例では、男性が多いです。
次に全体です。
全体の有害事象事例
毎回見ている「ベル麻痺(顔面麻痺の一種)」「流産や胎児への影響」「アナフィラキシー反応」は以下のようになっています。
・ベル麻痺(顔面神経麻痺) 4,075件(データ) 前回 3,886件
・流産・早産・死産 1,373件 (データ) 前回 1,270件
・アナフィラキシー反応 148,040件(データ)前回 141,595件
「血栓、血液凝固あるいは血小板減少」の報告は以下のようになっています。
・血栓 / 血液凝固 / 血小板減少 14,654件(データ) 前回 13,040件
ギランバレー症候群は以下のようになっています。
・ギランバレー症候群 729件 (データ) 前回は、684件
アメリカでは、ここのところ感染者数、死者数共に上昇していますが、ワクチン接種率は停滞したままです。
ワクチン接種率を上げる試みに関しては、ヨーロッパでは大変に強硬な政策が次々と打ち出されています。フランスでは、ヘルスパス(二度のワクチン接種を終えたか、最近ウイルス検査で陰性と証明されたか)を所持してないと、レストラン、バー、病院などへの入室や旅行が制限される法律が 8月5日から施行されたことが報じられています。
イタリアではさらに厳しく、ヘルスパスを所持していないと、ジム、プール、スポーツスタジアム、美術館、スパ、カジノ、映画館、屋内レストラン、電車、飛行機、船などのすべてが利用できなくなると報じられています。
また、ロイターによれば、イタリアでは、すべての教師は、「教室に入る前にヘルスパスを提示しないと教室に入ることができない」ということになり、一般の労働者も、5日連続でパスを所持しないと解雇され、その場合、賃金の支払いも行われないということです。
ヨーロッパでは多くの国や地域が、このようなワクチンパス制度を採用する動きにあるようです。
アメリカでもこのような強い政策をとってくるのかどうかが注目されます。