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激増する光の現象 : 東京上空で「赤い妖精」と呼ばれる高層の光学現象「スプライト」が撮影される

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2017年3月22日 東京都杉並区から撮影された「スプライト」

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先日、高層大気での光学現象「ブルージェット」が鮮明な画像がブラジルで撮影されたことについての記事を書きました。

ブラジルで稀少な超高層の放電現象「ブルージェット」が史上初めて鮮明な映像として記録される
 2017/03/18

このブルージェットの他に、最近になってその存在が明らかとなってきている高層大気圏での「光の現象」では、他に有名なものとして「スプライト」というものがあります。

プルージェットが空中に青いフラッシュを放つのに対して、スプライトは「赤いフラッシュ」を空に放つため、「赤い妖精」というような言い方もされます。

これらの現象は、発光時間が 0.1秒程度と非常に短いために、写真に収めるのは極めて難しいものなのですが、最近、写真家の方々の努力と執念により、稀にブルージェットやスプライトのような光の現象が写真に記録されています。

3月22日、「東京でスプライトが撮影された」という報道を、どういうわけか、ロシアのサイトで見つけました。

そこにあった写真下のクレジットを見ますと、「2017/03/22 Suginami Tokyo」とあり、それが東京都の杉並区で撮影されたものだとわかります。

撮影されたスプライト

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東京で・・・というより、日本でスプライトが撮影されたのは、私個人の記憶では、最近数年では他に一例しか知りません。もちろん他にもあるのかもしれないですが、いずれにしても大変に珍しいことだと思います。

この写真には、下のように、0.1 秒ほどの間に起きる「光の変化」も収められていました。

 

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これ以前のものとしては、2016年11月に、茨城県でスプライトが撮影されたことが報じられていたことがありますが、その記事に「スプライトの撮影の大変さ」が記されていますので、ご紹介します。

朝日新聞デジタルの記事です。

雷雲から宇宙へ、一瞬の光 「スプライト」現象写した

朝日新聞デジタル 2016/12/02

 

雷雲から宇宙に向かって赤い光が放たれる「スプライト」と呼ばれる現象が、茨城県鉾田(ほこた)市沖で11月25日夜、確認された。「空の探検家」として知られる写真家の武田康男さん(56)が撮影に成功した。

スプライトは上空約50~90キロで、雷雲の上から宇宙空間へ向かう放電で窒素分子が発光する現象。1990年代に解明され始めた。落雷と同時に起きるため、地上からは雷光のまぶしさで見るのも撮影するのも難しい。

武田さんは「0・1秒足らず、目の錯覚かと思うほど一瞬だった。落雷数十回のうち1回現れるか否かで、鮮明に撮影できてうれしい」と話す。

気象予報士でもある武田さんは発生する時間や場所を予測し、チャンスを狙った。

当夜は強い寒気が入り、約200キロ先の海上に発生した積乱雲を4~5時間撮影し続けた。午後11時に発光し、数枚撮影できた。

このように、

> 積乱雲を4~5時間撮影し続け

という中で「 0.1秒のチャンスをうかがう」ということになるようで、スプライトを記録するのがどれだけ難しくて大変なことかわかります。

そして、そこには「ラッキーの要素」も強い(基本的にどこにスプライトが出現するかわからないため)ということから、その写真にありがたさが漂うのかもしれません(ありがたさ、ってのは変でな表現ですが)。

なお、今回の東京のスプライトは、東京杉並区から撮影されたもののようですけれど、杉並区は私がかつて長く住んでいた場所ですが、街の灯りなどが非常に多く、写真にもそれらの光が映っていますけれど、その中でよく撮影できたものだと感心いたします。

肉眼で認識することは難しい現象ですので、案外、「知らず知らずに空の上でこのような現象が頻繁に起きている」というようなこともあり得るのかもしれません。







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