2020年02月13日 午前11時 (公式発表数値)
患者数 60,107人
死者数 1,363人
致死率 2.2%
重症者 8,217人
新型コロナウイルスに関してのこれまで中国の公式発表は、毎日患者数を+ 2500人から 3000人の間で増加させるという機械的な動きを見せているだけでしたが、2月12日から 13日にかけて事態は変化しました。
コロナウイルスの中国の公式発表での感染確認者数が、感染拡大以来最大の「 1日 1万5000人増加」を示し、死者は、1日 250人の増加という数値が示されたのです。
以下のグラフで、中国当局の発表の変化ぶりがわかると思います。
統計を毎日発表している中国湖北省衛生健康委員会のウェブサイトを見ましたら「臨床診断の確認の方法の変更」に関する記載がありました。
これは統計の方式を変更したというもので、つまり、「これまでより、実際に近い数値を発表する」という意味のものでした。
もちろんこの数値にしても、医療機関での受診からの数値ですので、現実として医療機関に受診できない人が多いと言われている武漢や湖北省での実際の患者数の数値を把握するのは不可能でしょうけれど、それでも今回の方針変更は、中国の当局がこの問題に対して、少しでも透明感を出したいとしている姿勢ではあるのかもしれません。
いずれにしましても、武漢ウイルスの感染拡大は終息に向かうどころか、それと反対の方向に進み出していることがわかります。
習近平国家主席は、この事態を受けて、2月13日深夜に、
「中国の疫病予防と管理は厳しい努力を必要とする重大な段階に入った」
と発言したことが報じられており、新型コロナウイルスの感染拡大は大変に厳しい局面に入ったと考えられるかもしれません。
経済への影響は中国でますます大きくなっていそうで、現在、93%のレストランが営業停止をしていると伝えられています。
上海で 4月に行われる予定だったF1レース「F1中国グランプリ」も、中止となったことが発表されました。上海のスポーツ連盟は、新型コロナウイルスの流行が終息するまで、同市でのスポーツイベントすべてを中止するべきだとの主張を表明しており、さまざまな分野で中国の活動がしばらく停滞することになりそうです。
その影響は周辺各国にも重大に伝染すると思われます。
中国武漢で発生したこの新型コロナウイルスが、感染拡大をはじめてからこのような事態になるまでの期間は、約1ヵ月ほどでした。
これは、場合によっては、日本を含めた他の国でも同じような時間を経た後に同じような状況になる可能性があることを示します。
中国以外での感染者数も確実に増加していて、2月13日午前の時点で、日本領域での感染者数が、クルーズ船の乗客を含めて 200人に達している他、シンガポールで 50人、香港で 50人、タイで 33人、韓国で 28人などとなっています。
いよいよ制御不能の局面が近づいているのかもしれません。