ワクチンパスポートの全世界網羅への第一歩が始まる
ワクチンパスポートについては、今は「なかったもののように」なっていますが、あちら様がそんなに簡単に諦めるわけもないよな、とは思っていました。
人間の移動に対してのコントロールは人類統制の第一歩でもありますし、「主体者が誰か」はともかく、国際的なワクチンパスポートは「必ずやらなければならない」という議題であり続けたと思います。
なお、計画の上では、
「 2022年には、国際的なワクチンパスポートのシステムが完成しているはずだった」
のです。以下の記事に、2018年の欧州委員会の官報の内容を挙げています。
[記事] 「ワクチンパスポート」は2018年の欧州委員会の提案以来、着実にロードマップ通りに進んでいることが判明。正式な社会への適用は予定通りなら2022年
In Deep 2021年4月15日
2018年12月の欧州委員会の公式な官報の表紙
EC
この公的資料に、以下のようなタイムラインが示されていました。
「2022年には、EU 市民に対してのワクチンパスポートが正式採用される」
という予定が書かれています。
今は 2023年ですので、つまり、それがうまくいかなかったのですね。
そんな中で、6月5日、WHO と欧州委員会が、
「デジタルワクチンパスポートの世界的システム構築の提携を発表した」
ことが WHO のニュースリリースで発表されていました。
WHO は、今後の世界の統治に関して、かなり大きな権限を持つことになる可能性があることは、昨年以来伝えられていました。
[記事] 世界保健機構が「事実上の世界政府」に:新しいパンデミック条約によりWHOはあらゆる国家への健康規制を直接指示することができる組織へと肥大
In Deep 2022年5月29日
そのようなこともあり、時期はやや後にずれましたが、国際的なワクチンパスポートの推進を改めて発表したということのようです。
WHO の公式のニュースリリースをご紹介します。
欧州委員会とWHOは世界の健康安全保障を強化する画期的なデジタルヘルスイニシアチブを開始
The European Commission and WHO launch landmark digital health initiative to strengthen global health security
WHO 2023/06/05
世界保健機関(WHO)と欧州委員会は本日 (6月5日)、画期的なデジタルヘルスパートナーシップの立ち上げを発表しました。
WHO は 2023年6月に欧州連合(EU)のデジタル新型コロナウイルス認証システムを導入し、世界的な移動を促進し、パンデミックを含む現在および将来の健康上の脅威から世界中の国民を守る世界的なシステムを確立する予定です。
これは、すべての人により良い健康を提供するための幅広いデジタル製品を開発する WHO グローバル・デジタルヘルス認証ネットワーク (GDHCN) の最初の構成要素です。
WHO事務局長のテドロス・アダノム・ゲブレイェソス氏は、以下のように述べています。
「 WHOは、非常に成功を収めている EU のデジタル認証ネットワークを基盤として、公平性、イノベーション、透明性、データ保護とプライバシーの原則に基づいたオープンソースのデジタル医療ツールへのアクセスをすべての WHO 加盟国に提供することを目指しています」
「開発中の新しいデジタル医療製品は、世界中の人々が質の高い医療サービスを迅速かつ効果的に受けられるようにすることを目的としています」
このイニシアチブは、EU のグローバルヘルス戦略とデジタルヘルスに関する WHO のグローバル戦略に基づいており、世界的な健康問題に関する戦略的協力を強化するためのキリアキデス長官とテドロス博士との間の 2022年 11月 30日の合意に続きます。
これにより、強力な EU の支援を受けて、WHO を中心とする強固な多国間システムがさらに強化されます。
保健・食品安全担当長官のステラ・キリアキデス氏は以下のように述べた。
「このパートナーシップは、EU グローバルヘルス戦略のデジタル行動計画にとって重要なステップです。ヨーロッパのベスト・プラクティスを使用することで、私たちはデジタルヘルスの標準と世界的な相互運用性に貢献し、最も困っている人々の利益に貢献します」
「これは、EU と WHO の連携により、EU 内および世界中のすべての人により良い健康をどのように提供できるかを示す強力な例です。国際的な保健活動を指揮し調整する当局として、EU で開始した取り組みを推進し、世界的なデジタル保健ソリューションをさらに開発するには、WHO 以上に適したパートナーはいません」
このパートナーシップには、欧州委員会のこの分野における豊富な技術的専門知識の恩恵を受けて、WHO グローバル・デジタルヘルス認証ネットワークシステムの開発、管理、実装における緊密な協力が含まれます。
最初のステップは、現在の EU デジタル証明書が引き続き有効に機能することを確認することです。
域内市場担当長官ティエリー・ブルトン氏は以下のように言う。
「 80の国と地域が EU デジタル COVID-19 証明書に接続しているため、EU は世界標準を設定しました。EU の証明書はパンデミックとの戦いにおいて重要なツールであるだけでなく、海外旅行や観光も促進してきました。WHO がプライバシー保護の原則と EU 証明書の最先端技術を基礎にして、将来のパンデミックに対抗する世界的なツールを作成することを嬉しく思います」
EUの遺産に基づいて構築された世界的なWHOシステム
新型コロナウイルス感染症のパンデミックに対する欧州連合の取り組みにおける重要な要素の 1つは、デジタル新型コロナウイルス証明書です。
EUは国境内での自由な移動を促進するために、相互運用可能な新型コロナウイルス感染症証明書(「EUデジタル新型コロナウイルス感染症証明書」または「EU DCC」という名称)を迅速に確立しました。オープンソースのテクノロジーと標準に基づいて、EU DCC 仕様に従って証明書を発行する非 EU 諸国の接続も可能となり、世界中で最も広く使用されているソリューションになりました。
パンデミックの発生当初から、WHO はすべての WHO 地域と協力して、そのような証明書に関する全体的なガイドラインを定義しました。
増大する健康上の脅威に直面して世界的な健康への備えを強化するために、WHO は EU DCC フレームワーク、これは原則オープンテクノロジーの強固な基盤の上に構築された世界的なデジタル健康認証ネットワークを確立しています。
この協力により、WHO は独自の構造の下でこのプロセスを世界的に促進し、世界がデジタル証明書の統合から恩恵を受けられるようにすることを目指しています。これには、詐欺を防止するためのデジタル署名の標準設定と検証が含まれます。
世界的な WHO システムの最初の構成要素は 2023年 6月に運用開始され、今後数か月で段階的に開発されることを目指しています。
すべての人により良い健康を提供するための長期的なデジタルパートナーシップ
WHO による EU DCC の導入を促進し、その運営とさらなる発展に貢献するために、WHO と欧州委員会はデジタルヘルス分野で提携することに合意しました。
このパートナーシップは、追加のユースケースをカバーするための段階的アプローチによる WHO システムの技術開発に取り組みます。これには、たとえば、ワクチン接種または予防の国際証明書のデジタル化が含まれる可能性があります。このようなデジタルソリューションの拡大は、世界中の国民により良い健康を提供するために不可欠です。
この協力は、透明性と公開性、包括性、説明責任、データ保護とプライバシー、セキュリティ、世界レベルでの拡張性、公平性という共通の価値観と原則に基づいています。WHO と欧州委員会は、世界的な普及と参加を最大限に促進するために協力していきます。最も困窮している国々、すなわち低・中所得国が参加するための公平な機会に特に注意が払われます。