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植物は、ガンの原因となるガソリン煙を「室内の大気から 97%除去できる」ことがシドニー大学の研究で判明

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シドニー工科大学での研究の様子。UTS




 

どんな対策より「室内に植物を置くだけ」が効果的

以前、世界最大の科学系学術団体であるアメリカ化学会が、「特定の観葉植物を置くだけで、その植物が大気中からシックハウス症候群の原因となる有害化合物を大量に除去することがわかった」と発表したことがありました。

2016年の以下の記事で取り上げています。

[記事] シックハウス症候群の原因となる有害な揮発性有機化合物(VOC)に対しての最良の大気汚染除去方法がアメリカ化学会の研究で判明・・・それは「ただ植物を置くこと」
 In Deep 2016年8月26日

 

シックハウス症候群の原因となる有害な揮発性有機化合物を「 94%除去できる」ことが研究でわかったのです。ただし、どんな植物でもいいというわけではなく、この研究の際に最も効率よく有害な化合物を除去したのは、以下の植物でした。どれも、観葉植物として、日本でも普通に販売されているものです。

有害な化合物を公立よく除去した植物

・ドラセナ (多数の種類があります)
・カクタスツリー (多肉植物)
・ブロメリア(日本では、グズマニア等と呼ばれます)
・オリヅルラン
・カネノナルキ (金のなる木)

この中で、最も多種類の VOC を除去したのが、グズマニアと呼ばれる植物でした。

グズマニア(VOC 8種類のうちの6種類を80%除去)

 

どうでもいいことですが、これはうちにもいくつかあります。

(日記)3年待って開花したグズマニア (2023/04/06)

 

そして最近、オーストラリアのシドニー工科大学が、

 

「植物は、ガンの原因となるガソリン煙を大気中から、ほぼ完全に除去する」

 

ことが研究で判明したとニュースリリースで報じていました。

植物の種類についてはニュースリリースには書かれていないのですが、そこにある写真 (今回の記事の冒頭の写真)を見る限りでは、

・オリヅルラン
・ポトス

などが見えるように思います。

ちなみに、このオリヅルランという植物は、見かけは繊細ですが、ものすごく強い植物で、強靭な植物の代表ともいえます。

オリヅルラン

amazon

 

また、どんどん増やせる植物でもあり、私の家でも毎年とめどなく増えていっていまして、次第に置き場所に問題が出てきています。

ともかく、 植物を置くだけで、大気中からいろいろな有害物質が除去されるということは事実ですので、植物を部屋に置くことは悪いことではなさそうです。

シドニー工科大学のニュースリリースをご紹介します。




 


植物はガンの原因となる毒素を空気から除去する

Plants remove cancer causing toxins from air
UTS 2023/5/25

画期的な研究により、植物が室内空気からベンゼンなどの発ガン性化合物を含む有毒なガソリン煙を効率的に除去できることが明らかになった。

この研究は、シドニー工科大学(UTS)のバイオレメディエーション研究者であるフレイザー・トーピー准教授が、プラントスケープ・ソリューション大手のアンビウス社と提携して主導した。

研究者たちは、屋内植物を組み合わせたアンビウスの小さな緑の壁が、有害な発ガン性汚染物質の除去に非常に効果的であり、最も有毒な化合物の 97パーセントがわずか 8時間で周囲の空気から除去されたことを発見した。

世界保健機関によると、大気の質の悪さが世界中で 670万人の早期死亡の原因となっているという。ほとんどの人は時間の 90% を自宅、学校、職場の屋内で過ごすため、空気の質を改善するための新しい戦略を採用することが重要だ。

アンビウス社のゼネラルマネジャー、ヨハン・ホジソン氏は、今回の研究は、私たちが呼吸する空気を迅速かつ持続的に浄化する上で観葉植物や緑の壁が果たす重要な役割について新たな証拠を示したと述べた。

ホジソン氏は以下のように述べる。

「屋内の空気の質は屋外の空気よりも大幅に汚染されていることが多く、それが精神的および身体的健康に影響を与えることがわかっています。しかし素晴らしいニュースとして、屋内に植物を置くという単純なことが大きな違いを生む可能性があることをこの研究が示したことです」

 

屋内植物に関するこれまでの研究では、屋内の空気汚染物質を広範囲に除去できることが示されているが、世界中の建物内の有毒化合物の最大の発生源の一つであるガソリン蒸気を植物が浄化する能力についての研究はこれが初めてだ。

オフィスや住宅用アパートの建物は、ドアやエレベーターの井戸によって駐車場に直接接続されていることが多く、有害なガソリン関連化合物が職場や住宅地に浸透するのを避けることが困難になっている。多くの建物は、近くの道路や高速道路からのガソリンの煙にもさらされている。

ガソリン煙を吸入すると、肺への炎症、頭痛、吐き気を引き起こす可能性があり、長期曝露によるガン、喘息、その他の慢性疾患のリスク増加と関連付けられており、平均余命の短縮に寄与している。

トーピー准教授は、密閉されたチャンバーからの測定に基づいた研究結果は、空気中のガソリン汚染物質の除去に関しては予想をはるかに上回っていたと述べた。

「植物がガソリン関連化合物を除去する能力を検査されたのはこれが初めてであり、その結果は驚くべきものでした」

「植物は大部分の汚染物質を数時間で空気から除去できるだけでなく、最も有害なガソリン関連汚染物質を最も効率的に空気から除去しました。たとえば、既知の発ガン性物質であるベンゼンは、アルコールのような有害性の低い物質よりも速い速度で除去されたことが確認されました」

「また、空気中の毒素の濃度が高くなるほど、植物が毒素を除去する速度と効果が高まることもわかりました。これは、植物が生育環境に適応していることを示しています」

 

ホジソン氏は、この調査結果は、全国の何百ものオフィスビルに植物を設置した後に受け取ったフィードバックを裏付けるものであると述べた。

「アンビウスでは、私たちが取引する何千もの企業の健康、福利、生産性、出勤率の向上に植物がもた​​らす効果を何度も目の当たりにしています。この新しい研究は、室内の植物は単に「見た目の問題」と見なされるべきではなく、あらゆる職場の健康計画の重要な部分であることを証明しています」

「結局のところ、職場や家庭の有害な室内空気汚染物質と戦う最善の、最も費用対効果が高く、最も持続可能な方法は、植物を導入することです」







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