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中国で小麦の深刻な感染症「コムギ株腐病」が広範囲に蔓延していることが判明。食糧危機の懸念がまたひとつ増加

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NTD




 


ktpps.org

前回の記事では、中国南部で「イナゴによる農作被害が拡大中」ということに関して、以下の記事でご紹介しました。

中国雲南省のイナゴ被害が11の郡に拡大。農作物が危機的な状況に
投稿日:2020年8月31日

あるいは、今年の中国で繰り返し発生している豪雨や洪水などにより、実態は中国政府からはあまり明らかにされないですが、おそらく農地のかなりが洪水でダメージを受けているものと思われます。

最近、中国の習近平国家主席が「食べ残しの禁止」を国民に指示したことが知られていますが、食糧に対しての危機感は、中国政府内部にもあるようです。

そして、洪水やイナゴや異常気象など、農業に不利な状況が続く中、今度は、中国で「小麦の感染症が拡大している」という報道がなされていました。それは、コムギ株腐病というもので、資料によれば、小麦の茎や内部が病変で折れやすくなるというもののようで、収穫の減少となる要因となる感染症のようです。

コムギ株腐病に感染した麦

pref.yamaguchi.lg.jp

中国語メディアによれば、特に山東省でこの感染症が拡大しているということで、山東省だけで 1200万ムー(80万ヘクタール)に感染拡大しているとのことです。

次から次へ食糧と関係した問題が発生する現在の中国ですが、コムギ株腐病の状況を報道からご紹介します。

 


中国で1200万ムーの面積の農作地で小麦の感染症が発生。また、中国のトウモロコシは初めて3000万トンの不足となった

中国1200万亩小麦染疫 玉米将首现3千万吨缺口
NTD 2020/09/04

中国は今年、自然災害と人為的災害に見舞われ続けており、食糧危機が発生するのではないかという懸念が強まっているが、数日前、中国共産党は、山東省だけで1200万ムーの小麦が「コムギ株腐病」に感染していることを公式に明らかにした。

ロイター通信はまた、中国のトウモロコシが初めて 3000万トンの不足になると報じており、中国の食糧危機リスクが高まっていることを示している。

9月2日の報道によると、中国共産党は正式にコムギ株腐病が拡大していることを告知し、その被害が拡大し続けていることを認めた。この感染症は、小麦生産の安全性に深刻な脅威をもたらす。

小麦がコムギ株腐病に感染すると、作物は萎縮し、弱体化し、穂の数が減少し、穂の粒数も大幅に減少する。 小麦の粒の重量も減少する。

コムギ株腐病は、例年でも散発的に発生するが、山東省では、2020年だけで 1200万ムー(80万ヘクタール)の麦畑がダメージを受けている。感染率は、地域により 30%から 50%と高い。

中国の主な小麦生産地域には、河北省、山西省、河南省、山東省、安徽省、湖北省、江蘇省、四川省、陝西省などの省がある。しかし、多くの省で小麦の生産量が減っており、中国での小麦生産量が最も多い省である河南省も、今年は干ばつが原因で生産量が大幅に減少した。

中国の食糧不足の危機は、すでに市場価格に反映されている。中国の食料価格の上昇率は 10年以上で最高レベルに達している。







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