気温も気象も世界中で異常な状態ですが、特に、「ひとつの国の中で異常な気温が出現し続けている」事例として、現在のアメリカがあります。
記録的な高温にしても、低温にしても、何だか度が過ぎている感じです。
たとえば、世界で最も気温が高くなる場所のひとつとして有名なカリフォルニア州のデスバレーでは、8月に 54.4℃という気温を記録したことが報じられていますが、デスバレーは、もともとが気温が高くなる場所ですので、それほど驚きはなかったのですが、9月6日に、
「ロサンゼルスで最高気温 49.4℃を記録」
という報道には驚きました。
ロサンゼルス周辺も気温が高くなりやすいとはいえ、50℃に近いというのは、何だかものすごい。
以下は米国 CNN の報道です。
米ロサンゼルス、気49.4度 観測史上最高を記録
米カリフォルニア州が週末にかけて熱波に見舞われ、ロサンゼルス郡で6日、同地の観測史上最高の華氏121度(摂氏49.4度)を記録した。熱波にあおられ、州内の各地で山火事が続いている。
米国立気象局によると、華氏121度は同州ウッドランドヒルズで観測され、これまでの最高だった2006年7月22日の同119度を上回った。
ウッドランドヒルズはサンフェルナンド峡谷の西端にあって海からの風が届きにくく、記録的な熱波の条件がそろっていた。
ウッドランドヒルズの気温は上昇する可能性もあり、6日はほかにもさまざまな記録が破られると国立気象局は予想している。
カリフォルニア州では各地で山火事が発生し、消火作業が続いている。同州消防局によると、これまでに約85万ヘクタールが焼失した。
ニューサム知事は週末に予想されていた熱波の到来を前に、電力需給の逼迫を防ぐ目的で非常事態を宣言し、住民に対しては電力需要がピークに達する午後3時から10時までの節電を呼びかけていた。
米エネルギー省も同日、熱波や山火事によるダメージの影響で電力需要が逼迫しているとして、カリフォルニア州で緊急連邦権限を行使すると発表した。 (CNN 2020/09/07)
このような信じがたいような熱波がアメリカ西海岸を襲っている中で、アメリカ中部などでは「記録的な低温」に見舞われています。
山間部のワイオミング州のリバートンでは、9月8日に最低気温が -12.7℃を下回ると予測されており、また、30セン以上の積雪が予測されていて、アメリカ国立気象局は、山へ出かけることを避けるように呼びかけて言います。
また、都市部でも、コロラド州デンバーでは、9月7日に最低気温 -8.3℃という、9月の気温としては異常ともいえる低い気温が記録されています。
そして、この 9月7日のデンバーでは、驚くような「 1日での気温の変化」が予測されていたことが、アメリカ国立気象局などの記録でわかります。
この日のデンバーでは、何と、
・最高気温 33℃
・最低気温 -8.3℃
と、「日中は猛暑で早朝は氷点下」を記録したという1日だったことが、たとえば以下の気温の推移のグラフでわかります。9月8日以降は、気温の推移の予想です。
・Denver, CO 10-Day Weather Forecasts
私の暮らしている関東のあたりは、夏に 33℃くらいの最高気温になるのは普通ですが、真冬でも「氷点下 8℃」などは経験することがないです。
それが、9月7日のデンバーでは 1日のうちにどちらの気温にも見舞われている。
突然、冷たい大気が流れてきたということなのか、ここまで極端な気温となる理由は明確には示されていませんが、他にもアメリカ中部から南部まで、広い範囲で、記録的な寒い夏が続いているようです。
気温が高いにしても低いにしても、非常に極端な状態となっていますが、これはアメリカに限らず、世界の全域でこのようなアンバランスが起きています。
このような極端さが、農業に影響を与えないとも言えないはずで、どうしても世界的に迫る食糧問題について考えざるをえません。