大量死 異常な現象 疾病と感染症

「アセトアミノフェン (日本でのカロナール)は米国における急性肝不全の最大の原因」という記事

投稿日:




 

アセトアミノフェンは予想以上にリスキーかもしれない

コロナの渦中では、日本でカロナールとも呼ばれるアセトアミノフェンが大量に使用されていたように思います。

ぶっちゃけ論でいえば、以下の記事にあります通り「熱は下げていけない」ものです。

[記事] 熱を下げてはいけない : 感染症の治癒メカニズムが人体で発動するのは「体温が《38.5℃以上》に上がったときのみ」であることが中国科学院の研究で判明
 In Deep 2019年1月19日

 

しかし、発熱はともかくとしても、「痛み」というもののつらさは、とてもわかります。

私自身も、かつてさまざまな痛みを抱えていました。

解熱鎮痛剤には、まず、NSAIDs (非ステロイド性抗炎症薬)というもの(市販されている解熱鎮痛剤のほとんど)が主流としてあり、そして、NSAIDs ではないものとして、アセトアミノフェン、つまり、カロナールがあります

解熱や鎮痛への効果はあるのだとしても、アセトアミノフェンには副次的な影響が大変に多く、少なくとも、常用するようなものではない、ということはいえるものです。

以下のような記事にあります。

[記事] 単なる市販のかぜ薬や頭痛薬の服用がADHDの子どもたちを作り出しているかもしれない : 相次ぐ「アセトアミノフェンと胎児の脳損傷」に関しての医学論文
 In Deep 2017年12月27日

[記事] アセトアミノフェン(日本名:カロナール)の妊婦さんと乳幼児の服用は「子どもの自閉症や神経発達の問題の原因になる」エビデンスが示された論文が発表される
 In Deep 2022年8月1日

 

これらは、妊婦さんなどの問題としてのものですが、最近の米エポックタイムズの記事で、成人なども含めて、全体的に影響が大きいかもしれないことがわかりました。

記事のタイトルは、「米国ではアセトアミノフェンの過剰摂取が肝不全の主な原因となっている」というもので、その中には以下のようデータからの記述もあります。

(米エポックタイムズより)

> 国立衛生研究所(NIH)が最近更新した報告書によると、アセトアミノフェンの過剰摂取は米国における肝移植の主な原因となっている。毎年約 500人のアメリカ人がアセトアミノフェンの毒性による合併症により死亡している。さらに、年間約 56,000件の救急外来受診と 2,600件の入院につながっている。

 

人口 3億人強のアメリカでの 500人の死亡は、大したことがないと言われれば、大したことではないのかもしれないですが、個人としては、リスクを回避できるのならしたほうがいいのかなとも思います。

解熱鎮痛剤は、あらゆる面で、今まで思っていた以上に影響が大きいものなのかもしれません。何しろ「あれだけの痛みを消す」のですから。

米エポックタイムズの記事をご紹介します。




 


データは、米国ではアセトアミノフェンの過剰摂取が肝不全の主な原因であることを示している

Acetaminophen Overdose Has Become the Leading Cause of Liver Failure in the US: Data
Epoch Times 2023/05/14

米国では、アセトアミノフェンは広く入手可能であり、何百もの風邪や咳の治療薬に含まれている。しかし、残念なことに、それは、自殺や意図しない中毒による死亡の原因ともなっている。

アセトアミノフェンは潜在的な危険性があるため、最も頻繁に禁止または制限されている薬物の 1つだ。アセトアミノフェンに対して、薬の組み合わせを制限または禁止することで措置を講じている国には、英国、ノルウェー、インド、アルジェリア、キルギスタンが含まれる。

国立衛生研究所(NIH)が最近更新した報告書によると、アセトアミノフェンの過剰摂取は米国における肝移植の主な原因となっている。

毎年約 500人のアメリカ人がアセトアミノフェンの毒性による合併症により死亡している。さらに、年間約 56,000件の救急外来受診と 2,600件の入院につながっている。

 

アセトアミノフェンの毒性率がこれほど高いのはなぜか

「アセトアミノフェンは米国における急性肝不全の最大の原因です」とニューヨークのスタテンアイランド大学病院の医療毒物学部長であるニマ・マジレシ博士は述べる。

同氏は、ほとんどの症例は意図的でない、あるいは知らないうちに慢性的なアセトアミノフェンの過剰摂取によって生じており、多くの場合、パーコセット、バイコディン、タイレノールPMなどの薬剤の誤用や、1日の高用量の危険性を認識せずに複数のアセトアミノフェン含有製品を服用していることが原因であると指摘した。

アセトアミノフェンは多くのブランド名で販売されており、幅広い市販薬および処方薬の成分だ。

「パーコセット、タイレノールPM、ロビトゥソン、ナイキルなどの医薬品にはすべてアセトアミノフェンが含まれている可能性があります」とマジュレシ氏は述べた。

「実際、アセトアミノフェンは約 600種類の製品に含まれていると報告されています」

アセトアミノフェンは痛みや発熱などの症状の治療に効果的だが、高用量を服用すると危険であり、不可逆的な肝障害を引き起こす可能性がある。アセトアミノフェンを高用量で摂取すると、肝臓が分解プロセスに追いつけなくなり、有毒な副産物が蓄積して肝細胞に損傷を与える可能性があるのだ。

理想的には、指示どおりに薬を服用するべきだが、慢性疼痛と薬物使用の専門家であるケビン・ザカロフ博士によると、オピオイドとアセトアミノフェンの混合薬を処方するすべての医師たちが、他のアセトアミノフェン薬を服用しないことを患者に確実に指示しているわけではないという懸念がある。

 

事故死と自殺

アセトアミノフェンは、疼痛管理のために処方されるパーコセットなどのオピオイド薬と組み合わせて使用​​されることがよくある。

しかし、この種の薬を服用している人の多くはアセトアミノフェンの存在に気づいていない、とザカロフ氏は語った。

「私があなたに『パーコセットを処方するなら、アセトアミノフェンが含まれる他の薬を服用しないようにしてください』と言ったら、あなたはタイレノールがアセトアミノフェンの別名であることを知っているかもしれないし、知らないかもしれないと思います」

また、一般的な咳止め薬であるロビトゥシンにはアセトアミノフェンが含まれていることが多いことや、一般的なアレルギー薬、副鼻腔炎薬、片頭痛薬にもアセトアミノフェンが含まれている可能性があることも人々は知らないかもしれない。

「それが、特にアセトアミノフェンの場合、人々が意図せずして過剰に曝露される環境を整えている」とザカロフ氏は語った。

偶発的な過剰摂取は重大な結果をもたらすが、アセトアミノフェンは入手しやすいため、自殺に使用する危険性がある人にとっては潜在的な選択肢となる。

アメリカ疾病予防管理センター(CDC)による最近の調査では、2019年から 2021年の間に、米国の 10歳から 19歳の子供の間で中毒による自殺未遂が 30パーセント増加したことが判明した。

ここのデータは、子供たちの間でさらに憂慮すべき傾向を明らかにしている。年少の子供たちである 10 歳から 12 歳の若者たちの自殺未遂は 73パーセント増加し、13歳から 15歳の青少年は 49 パーセント近く増加した。

 

FDAはアセトアミノフェンに関してどのような立場をとっているのだろうか

2009年、アメリカ食品医薬品局(FDA)の諮問委員会は、パーコセットおよびバイコディンというブランドのアセトアミノフェンとオピオイド薬の併用を禁止し、アセトアミノフェンの 1日最大用量を減らすことを勧告する決議を行った。

ただし、この併用薬は米国では依然として処方されており、ヒドロコドンとアセトアミノフェン、ヒドロコドン/アセトアミノフェン、またはヒドロコドン/APAPなどのジェネリックラベルが付いている。

2022年、FDAはアセトアミノフェンに関連する危険性に対処するための措置を講じ、処方箋アセトアミノフェン製品を 1回あたり 325ミリグラムに制限し、重度の肝障害を引き起こす可能性のある薬物の可能性を強調する警告を追加した。

マジュレシ氏は以下のように述べる。

「 FDAが本当に慢性アセトアミノフェン中毒のリスクを軽減したいのであれば、すべての配合剤を廃止し、人々は必要な薬ごとに錠剤を服用することを求められるでしょう。これは、患者が薬に含まれるすべての成分に対して 1つの錠剤を服用することを意味します。これにより、生じる混乱の多くが解消され、医薬品の安全性がさらに高まるでしょう」

 

アセトアミノフェンは急性疼痛の治療にも役立たない可能性がある

アセトアミノフェンは 1878年から使用されており、同様に古い薬であるアスピリンと同様に無害であると多くの人が思っているかもしれない。

残念なことに、一部の研究では、アセトアミノフェンの使用が心臓発作や腎不全の発生率の増加に関連していることが示唆されている 。

2013年に『Drug Safety』誌に発表された研究によると、アセトアミノフェンは大量に摂取すると肝不全を引き起こすことが知られているが、標準用量でも肝不全を引き起こす可能性があることが示された。

さらに、アセトアミノフェンが体内で痛みを軽減するためにどのように作用するかについては、まだ不明な点が多くあるのが現実だ。

ザカロフ氏は以下のように語った。

「アセトアミノフェンが痛みの治療にどのように作用するかを正確に知っている人は誰もいません。アセトアミノフェンが、非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)と同様の解熱剤として、発熱している人の治療に使用されることについては十分に裏付けられた根拠がありますが、アセトアミノフェン自体には抗炎症作用はありません」

アセトアミノフェンは慢性的な痛みを持つ人々にはあまり効果がない可能性があることを示唆する証拠が増えている。

2つの大規模な臨床試験のレビューで、研究者たちは、短期または長期の急性腰痛を軽減するには、1日あたり 4,000ミリグラムを摂取してもプラセボと変わらないことを発見した。

この研究では、アセトアミノフェンが睡眠の質の改善においてプラセボと比較して効果がないことも示された。

アセトアミノフェンは、イブプロフェン、ナプロキセン、ジクロフェナクのような従来の NSAID と誤ってみなされることがよくあるが、そうではない。

「薬理学的にはまったく異なります」とマジュレシ氏は言う。

同氏は、NSAIDs は過剰使用すると胃腸の炎症、出血、腎臓の問題を引き起こす可能性がある一方、アセトアミノフェンは慢性的な過剰使用で肝不全を引き起こす可能性があると説明した。

さらに、NSAID とは対照的に、アセトアミノフェンによる毒性の症状は、重篤な損傷が発生するまで認識できないという。

「アセトアミノフェンは高用量でも忍容性が非常に高く、NSAIDsよりも、はるかに頻繁に併用製剤に含まれるため、過剰摂取が俎上に起きやすいです」とマジュレシ氏は述べた。







-大量死, 異常な現象, 疾病と感染症
-

Copyright© 地球の記録 - アース・カタストロフ・レビュー , 2024 All Rights Reserved.