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アメリカのトウモロコシ生産が干ばつにより近年最悪級の収獲量の低さになるおそれ

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干ばつで変色し始めたアイオワ州の大豆の苗

Chuck Grassley




コーンベルト州に雨が降らない

現在、北米の農業生産は、地域によって「バラバラの気象の影響」を受けていますが、アメリカ中部や中西部などでは、雨不足と猛暑による激しい干ばつにより、トウモロコシや小麦生産が危機的な状況になっているようです。

小麦に関しては、アメリカ最大の小麦生産地であるカンザス州の収穫量が、「過去 60年で最低になる見通し」が建てられています。

以下でアメリカの報道を翻訳しています。

(報道) アメリカ最大の小麦生産地であるカンザス州の収穫量が1957年以来最低になる見通し (2023/06/11)

 

そして、アメリカのトウモロコシの生産も非常に厳しい見通しが立てられていることが伝えられています。アメリカで 2位のトウモロコシ生産州であるイリノイ州では、作物で「良好」から「優良」と評価されたのは全体の 約 36%だけと報じられています。

アメリカの「コーンベルト」と呼ばれているのは、イリノイ州、インディアナ州、アイオワ州、ミシガン州、ミネソタ州、ミズーリ州、オハイオ州、ウィスコンシン州などで、以下のマップで円で囲まれているあたりです。

米国のコーンベルトの干ばつ状況

NOAA

 

黄色以上の色がついている地域は、干ばつ地域で、コーンベルトのほぼすべてが、干ばつと判断されています。赤など、色が濃くなるほど干ばつの度が激しくなっていることを示します。

そして、現在、テキサス州を中心とした広大な地域で、「過去にないほどの猛暑となっている」ことが示されています。テキサス州の一部では、最高気温が「 46℃」などという記録的な数値が示されていることをアメリカの気象メディアは伝えています。

以下の赤い部分が、現在のアメリカで熱波に見舞われている地域です。

6月22日の米国の「熱波ゾーン」

AccuWeather

こういう状況を見ていますと、アメリカの一部の干ばつは、しばらく緩和されないか、あるいは、悪化する可能性が高そうです。

トウモロコシは、当然、人の食料でもあるのですが、広範には、牛などの飼料として使われていて、そのため、トウモロコシの価格がまた昨年のように上昇していくと、世界中の酪農などに影響が出ます

日本では、「酪農家の85%が赤字」と報じられています。

(報道) 酪農家の85%が赤字 離農検討は6割 中酪調査 (2023/03/18)

 

穀物の大生産国である各地で気象の問題が農業生産に影響を与えていまして、今後の「食」はどうなっていくのかなとは思います。

アメリカのトウモロコシ生産についての報道です。




 


「私たちには雨が必要だ」:中西部で干ばつ状況が悪化する中、トウモロコシ、大豆、小麦の価格が高騰

"We Need Rain": Corn, Soy, Wheat Prices Soar As Drought Conditions Worsen In Midwest
zerohedge.com 2023/06/23

作物のトップ生産地域であるアメリカ中西部全域で降雨不足により生育状況が急速に悪化しているため、トウモロコシ、大豆、小麦の価格が今月急騰している。

ブルームバーグの報道によると、6月の米国のトウモロコシ作柄の「良」から「優」と評価されたのは、全体の 55%に低下し、この時期の生育期としては 1992年以来最低となった。

イリノイ州でトウモロコシと大豆を栽培しているシャーマン・ニューリンさんは、「天候がとても心配です」と語った。同氏は、「湿度が低く、気温が 32℃に達し、今では風が作物から急速に水分を吸い取っています」と述べた。

米国第 2位の生産州であるイリノイ州のトウモロコシ栽培状況はひどいものとなっている。6月18日までの週に同州の収穫量で、「良好」から「優良」と評価されたのは全体の 約36%だけだった。前週と比べて12ポイント減少した。

「イリノイ州の作物の評価が大きく下がったことにショックを受けました」とニューリンさんは語った。「悪くなることは分かっていたんですが…」

最新の米国干ばつモニターマップによると、「コーンベルト」州と呼ばれることが多いイリノイ、インディアナ、アイオワ、ミシガン、ミネソタ、ミズーリ、オハイオ、ウィスコンシン州が「中程度の干ばつ」から「異常な干ばつ」に見舞われていることが明らかになった。干ばつの悪化のタイミングにより、若い植物にストレスがかかる可能性がある。

干ばつ状況の悪化は、作物価格に影響する。

ブルームバーグはメモで「現在の予測では、農作物価格が安心する兆候は、ほとんど見られない」と書いた。

小麦先物価格は同月比 20%上昇した。大豆先物は 14%上昇した。トウモロコシ先物は 13%上昇した。

ブルームバーグは、「今後 1カ月ほどの間にまとまった雨が降らなければ、農家が畑を放棄し、収穫量が激減するなど、悲惨な結果になる可能性がある」と警告した。







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