Israel announces Covid-19 lockdown easing for ‘vaccine passport’ holders
ワクチンパスポート、あるいはグリーンパスポートなどと呼ばれる証明書、つまり「ワクチンを接種した証明書」については、以前から言われることがありました。
すなわち、ワクチンを接種した人だけが、航空機に乗ることができるとか、移動の制限を解除されるとか、そのようなことがおこなわれるのではないかというような話で、少し前までは、どちらかというと陰謀論として扱われていました。
しかしそれが現実化しました。
イスラエル政府が、2月21日に出した声明(イスラエル首相官邸 - 保健省の声明はこちら)で、首相は、「ワクチンパスポート(イスラエルでの名称はグリーンバッジ)を所有している人たちは、行動の制限が解除される」と発表したのでした。
その報道をご紹介します。
イスラエル政府は「ワクチンパスポート」保有者に対する新型コロナウイルス封鎖の緩和を発表
Israel announces Covid-19 lockdown easing for ‘vaccine passport’ holders
RT 2021/02/21
イスラエルは、新型コロナウイルスでのロックダウン(国家封鎖)を緩和し、ワクチン接種を受けた人々に関して、複数の公共スペースにアクセスできるようにする新しい「ワクチンパスポート」を発表した。ネタニヤフ首相は、ワクチンによって制限がすぐに不要になる可能性があると述べた。
イスラエル当局は声明のなかで、同国の新型コロナ対策内閣は 2月21日の会合後、ロックダウン措置の緩和を承認し、イスラエルでの制限撤退計画の「第 2段階」に向けて軌道に乗せると述べた。
イスラエル市民の約 43%がファイザーによって開発されたワクチンを、少なくとも 1回接種されているため、内閣は、ショッピングモール、野外市場、美術館、図書館を再開し、制限を徐々に縮小する。
この 2月21日から「グリーンパス」(ワクチンを接種した証明)が、ワクチンを 2回接種した人、または感染から回復した後に免疫があると推定される人たちに配布され、ジムや特定の公共スペース、あるいはホテルやスポーツイベント会場への入場が許可される。
テレビとのインタビューでネタニヤフ首相は、パンデミックの中でのイスラエルの軌道について楽観的に話し、50歳以上の 57万人の市民がワクチン摂取を受けた場合には現在のイスラエルのロックダウンを終わらせることができ、新型コロナウイルスの時代も終了すると述べた。
「内閣は私が提案したグリーンパスポートを承認した」と首相は言う。
「グリーンパスポートを持っている国民は、映画を見て、サッカーやバスケットボールの試合に行くことができ、その後、レストランで食事をすることができるのです。飛行機で海外に旅行に行くこともできます。予防接種を受けない人たちは、このようなことができないままです」
ネタニヤフ首相の声明によると、再開の次の段階は 3月7日に設定されており、小さなレストランやカフェの営業再開と、限られた集会が許可される。グリーンパスを所持しているイスラエル国民は、通常通りレストランで外食することができ、ホテル、イベントホール、公共スペースで「何の規制もなく楽しむことができる」生活が再開される。
ここまでです。
2月28日の段階で、イスラエルは 803万人がワクチン接種をしており、人口 900万人ほどの国ですので、大変な率となります。もちろん、「人口に対してのコロナワクチン接種率」は、世界でダントツの一位で、「人口 100人中 88.4人」と示されています。
2位は、UAE の「人口 100人中 61.6人」 (接種数 601万人)
3位は、英国の「人口 100人中 31.3人」 (接種数 2104万人)
となっています。
世界全体での接種数は「 2億 3995万人」となっています。
なお、イスラエルという国は、もともとワクチンを国民に接種するのが好きであり、2015年には、
「男子にも子宮頸がんワクチンを義務化する」
と発表していたことを思い出しました。
以下は、2015年3月のイスラエルの報道です。
イスラエルでは、女子だけでなく、男子も HPV ワクチン接種を受ける
イスラエル保健省は、来学年度から、ヒトパピローマウイルスに対するワクチン(子宮頸がんワクチン)が中学 2年生の男子に投与されると発表した。現在は女子だけに接種されている。 (HAARETZ 2015/03/10)
イスラエルのコロナの感染者も死者も、減少しているとはいえ、ゼロにはほど遠く、多数の変異種が世界各地に出現している中、仮に次の流行が始まった際にはどのような対策に出るのでしょうかね。
子宮頸がんワクチンの件を見ていましても、イスラエルは、コロナワクチンの定期接種を世界で最初に導入する国になるのかもしれません。