パンデミック 異常な現象 疾病と感染症

もはや異常。アメリカの季節性インフルエンザの患者数が最大4100万人、死者は最大で4万1000人に。さらには「子どもの死者数が統計上過去最大」に

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米国CDCが発表した2019年10月から2020年2月2週までの推計値

CDC




 

アメリカの季節性インフルエンザの今シーズンの異常な流行の度合いを最初に記事にしたのは、1月26日の以下の記事でした。

アメリカで「パンデミックじみた」インフルエンザの過去最悪級の流行が進行中。今シーズンすでに最大2万人が死亡しており、患者数は最大2100万人に

2020年1月第3週までのインフルエンザの状況についてをご紹介したものです。

それから約1ヶ月弱ですが、その際には、インフルエンザの発症者の累計の推計値が 1500万人から最大で 2100万に達している、ということになっていました。

しかし、 CDC (アメリカ疾病対策予防センター)が発表した、2月15日まで最新の推定値は、

「インフルエンザの発症者が 2900万人から最大で 4100万人」

そして、死者数が、

「 1万6000人から最大で 4万1000人」

という途方もない数値になっていたのでした。

アメリカの週ごとの新規の患者発生数の推定値のグラフを見てみますと、おそらく、「一応のピークは打った」ようには見えます。


CDC

ただ、CDC や、アメリカの保健当局は「インフルエンザ・エピデミックの第二波への警戒」を表明していまして、事態が終息したということではないようです。

そして、今のアメリカのインフルエンザの流行で最も懸念されることが、

「子どもの重症化率と死亡率が非常に高い」

ということです。


・2020年2月21日のCNNより。cnn.com

この CNN の報道は今シーズンのアメリカのインフルエンザの「異常性」を伝えています。

以下は概要です。

今シーズン、これまで105人という記録的な数のアメリカの子どもたちがインフルエンザで死亡した

A record-breaking 105 US children have died from flu so far this season
CNN 2020/02/21/

アメリカ疾病対策予防センター(CDC)が 2月21日に発表したデータによると、今シーズン、これまでに 105人の子どもたちがインフルエンザで死亡した。これは、2009年のインフルエンザのパンデミックを除いて、CDC が 2004年に統計を取り始めて以来、季節性シーズンでは、この時点で最も多いインフルエンザでの子どもの死亡者数となる。

ヴァンダービルト大学医療センターの感染症専門家であるウィリアム・シャフナー博士によると、今シーズンの季節性インフルエンザは、高齢者よりも子どもや若い成人が重篤になる割合が高い「異常な」シーズンだという。

シャフナー氏は、今年のインフルエンザンが、これほど通常と異なる明確な理由はわからないという。

「すべてのインフルエンザウイルス学者たちを困惑させています」とシャフナー氏は述べる。

現在のアメリカでは、A型と B型両方の流行が起きているが、シャフナー氏によると、B型インフルエンザの早期の有病率は、子どもに多く見られる傾向があり、そのため、より多くの子どもたちが罹患した可能性があるかもしれないという。

それでも、子どもたちの罹患と死者数が多い事態となっている明確な理由は、医学者たちにも掴めていないようだ。

このアメリカのインフルエンザの異常性が不思議なのは、「アメリカでだけ」だからです。

世界的にこのようなインフルエンザが流行しているというなら、世界的なエピデミックということで、多少は理解できますが、ここまでひどい事態となっているのは、他の国ではあまり聞かないです。

「何が起きているのだろうな」と思います。

今のアメリカは、新型コロナウイルス以前の問題として、子どもたちをターゲットにしているこの凶悪な季節性のインフルエンザとの戦いが最優先かもしれません。

先ほどの CNN の記事には、ミシガン大学公衆衛生学部の疫学教授の話として、

「今もなおインフルエンザは強くなり続けていて、4月まで流行が続く可能性があるかもしれません」

と語ってもいまして、今シーズンのアメリカの最終的なインフルエンザのエピデミックの被害の総計は想像できないものになる可能性が出てきています。







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