パキスタン・ラホールのワクチン接種会場。 dawn.com
さまざまな国や地域で、ワクチンパスポートでの入場や移動の制限を含む「接種した人と、していない人との差別化」が進んでいますが、パキスタンでは、
「接種していない人は、スマートフォンや携帯を使えない」
という措置がとられることが決定しました。
接種していない人たちの「モバイル SIM をブロックする」という措置をとるという法案を、パキスタンで最大の人口を持つパンジャブ州の州議会が可決したのです。
法案は、7月1日から施行されます。
ワクチン接種証明を提示すれば、SIM ロックは解除されますが、接種証明が提示されない限り、携帯もスマートフォンも使うことはできません。
パンジャブ州は 9000万人ほどの人口を持つ大きな州ですが、州のワクチン接種率が低いために、この措置が決定されたようです。
なお、パキスタンでは「公務員と企業の従業員は、全員ワクチン接種を受ける《義務》がある」ことを、当局はすでに通達しています。
その「ワクチン接種義務の期限」が 6月30日となっており、その翌日から、接種していない人の携帯、スマートフォンはブロックされます。
なお、パキスタンで接種されているのは、中国シノファーム社のワクチンです。
現地の報道をご紹介します。
パンジャブ州政府は、ワクチンを拒否する人々の SIM カードをブロックすることを決定した
Punjab govt decides to block SIM cards of people refusing vaccines
dawn 2021/06/10
パンジャブ州政府は、新型コロナウイルスワクチンの接種を受けることを拒否した人々の SIM カードをブロックすることを決定したと当局者は語った。
このステップは、Covid-19 の蔓延を抑制し、ワクチン接種プロセスをスピードアップするために州政府が下したいくつかの決定のうちの 1つだ。決定の中には、6月12日からすべての成人に街頭でのワクチン接種を始めたことも含まれている。
パンジャブ州専門医療局のスポークスマンは、「予防接種を受けていない人たちのモバイル SIM カードをブロックするという最終決定が下された」と述べた。
パンジャブ州保健相のヤスミン・ラシッド博士が議長を務めるハイレベル会議では、地域の人口の少なくとも 20%がワクチン接種を受けている地区においてのみ、マスク着用の遵守を条件として事業を完全に開くことを決定した。
ワクチン接種を受けた人たちは、映画館やレストランに行くことができ、結婚式も、その参加も許可される。広報担当者によると、HIV / AIDSやガンの末期症状などに苦しむ人たちは、優先的にワクチン接種を受けることになるという。
パンジャブ州では、現在、677カ所のワクチン接種センター運営されている。
ワクチン接種のペースを上げるためにパキスタン国内で見られた他の抜本的な措置としては、シンド州政府が、ワクチン接種を拒否する公務員の給与を 7月から停止するよう指示を出している。
ここまでです。
この記事によれば、パキスタンの他の州では、「ワクチン接種を拒否した公務員への給与の停止」までがおこなわれているようで、このような状態では、接種していない人の携帯の SIM ブロックは、パキスタン全土に、あるいは他の国でも広がるかもしれません。
スマートフォンに依存気味の人たちが多いのは全世界共通ですので、この「 SIM ブロック作戦」は、接種の推進に有効かもしれません。
まあ、私のように携帯を使うことが 1ヶ月に 1度あるかどうか(パンデミック以来さらに使用頻度が減りました)という人たちにはあまり関係ないでしょうが、スマホがないと困るという人たちは、その「自由」と引き換えに接種会場に殺到しそうです。
その次はクレジットカードの使用停止とかですかね。