大量死 戦争の時代

ロシアによる度重なる空襲により、ウクライナは原子力発電の44%と、火力発電の3分の2を失う。攻撃には新たにロシア航空宇宙軍の爆撃機も加わる

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爆発炎上するウクライナ・キロヴォグラード地域の電力インフラ施設。 AZgeopolitics




空襲がさらに過激化

今年に入ってから、ロシアによるウクライナへの主に電力インフラへの空襲が激しさを増しています。

1月25日以降「ウクライナ全土での空襲警報の発令」が 4回にのぼっており、ほぼ数日から 1週間に 1度程度の国土全体への空襲が繰り返されています。

以下のマップは、2月14日にウクライナに発令された空襲警報該当地域で、全土が赤となっていましたが、2月18日にも全土への空襲警報が発令されていました。

2023年2月14日のウクライナ空襲警報マップ

ukrainealarm.com

(報道) ウクライナ「全土」に空襲警報が発出。過去3週間で3度目 (2023/02/14)

 

その後、ウクライナの電力施設が、きわめて大きな損害を受けたことが伝えられています。

ウクライナのリヴィウ市の行政長官は、「リヴィウ市内のほぼすべての変電所が破壊された」と発表しています。

全土的にも、ウクライナのシュミガル首相によると、

「これまでに原子力発電の 44%と火力発電所の 3分の 2を失った」

と述べたと伝えられています (後に政府の会合で否定)。

攻撃が何度も繰り返されているため、次第に復旧が難しくなっている電力施設も出てきていると見られます。

空襲は、洋上から「カリブルミサイル」というものでのミサイル攻撃が主で、そこに以前はなかった「ロシア航空宇宙軍」による爆撃機による空襲が加わったようです。ロシア軍側の戦術が、大きく変更されてきているようです。

ウクライナの人たちにとって、かなり厳しい状況となっている可能性もあります。

最近の空襲について、メディアの記事をご紹介します。




 


空は巡洋艦からのカリブルミサイルで満たされた。ウクライナは原子力発電所の44%と、火力発電所の3分2を失った

warnews247.gr 2023/02/18

ロシアは、黒海上の軍艦から大量のカリブル巡航発射を行い、ウクライナの標的に対して奇襲ミサイル攻撃を開始した。

数か月ぶりに、爆撃機も空爆に参加し、空対地ミサイルを発射した。これは、おそらくロシア側の戦術の変更の兆候だ。

ウクライナのシュミガル首相によると、ウクライナはこれまでに原子力発電の 44% と火力発電所の 3分の 2を失ったという。

ニコラエフ地域の知事であるヴィタリー・キム氏は、「 2つの未確認の標的」が彼の地域を通過してウクライナ西部に向かって飛んでいると発表し、黒海からのミサイル発射も発表した。

キエフの西 274キロにあるフメリニツキー市で 2回の爆発が発生したと、フメリニツキー地区の責任者であるセルゲイ・ガマリ氏は述べた。

ハリコフの軍事警備隊の責任者であるセルヒー・メルニク氏は、クリミア地域から発射された 6発のカリブルミサイルがウクライナ西部に向かって飛んでいると述べた。

 

ウクライナの重要インフラに対する大規模なミサイル攻撃

ロシアのメディアによると、2月18日の朝、ウクライナのほぼ全域に空爆警報が発令された。

ウクライナの諜報筋は、ロシアのミサイルがフメリニツキー、テルノピリ、ドニエプル、クリヴォログに向けて飛んでおり、他の多くの都市に対するミサイル攻撃の危険性が高いと報告した。

ウクライナ大統領府のアンドリー・イェルマク事務局長はテレグラムで、ミサイル攻撃の間、ロシアは戦術航空機を使ってウクライナの標的を攻撃したと語った。

ロシア航空宇宙軍は、Kh-59、Kh-29T、Kh-31P 型の空対地ミサイルを使用したという。

ウクライナ空軍は、ロシア海軍の黒海艦隊がカリブル巡航ミサイルを発射したと発表した。

同時に、オリガルヒのリナト・アフメトフ氏が所有するウクライナのエネルギー会社 DTEK は、キエフ、オデッサ、ドネプロペトロフスクの地域で予防的な緊急停電が実施されていると通知した。

 

リヴィウの変電所が破壊された

リヴィウに対するロシア連邦軍による大規模なミサイル攻撃の結果、ほぼすべての変電所が破壊されたと発表された。

これは、リヴィウの行政長官であるアンドレイ・サンドボイ氏によってなされた。

リヴィウ市長によると、大災害により市内および広域地域の変電所が機能を果たせなくなったという。

しかし、行政長官によると、電力技術者たちはまだいくつかの「緊急解決策」を見つけていると伝えられているため、市には電力が供給されている。

行政長官は、リヴィウの他の重要なインフラ施設も破壊されたと指摘した。それらのほとんどは復元できないため、最初から構築する必要がある。

 

ウクライナは原子力発電のほぼ半分と火力発電の3分の2を失った

ロシアの空襲と、ロシアによるザポリージャ原子力発電所の支配の結果、ウクライナは原子力発電出力の 44%と火力発電所の 4分の3を失っていると考えられる。

しかしこれは、ウクライナのシュミガル首相によって否定された。首相は以下のように述べた。

「継続的な攻撃により、20近くの火力発電所が被害を受けている」

これにエネルギー施設の一部が押収されたという事実を加えると、ウクライナは原子力生産の 44%、火力発電所の 75%、発電所の設備の 33%を一時的に失ったと見られる。







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