ティーバッグの棚がほぼ空になったロンドンの著名なスーパーマーケット
mirror.co.uk
紅海の問題がこんな形で
紅海をフーシ派が支配して以来続いている「紅海危機」とも呼ばれるサプライチェーンの混乱の問題は、意外なところに出ていることを知りました。
英国の「紅茶」です。
紅茶が枯渇しているのです。
まあ、紅茶くらいどうでもいいじゃないか、という感じもしますが、英国人にとっては大問題のようで、ご紹介するミラー紙の記事には、「トイレットペーパーがなくなるよりひどいことだ」と述べている住民の人たちもいるようです。
英国人にとっての紅茶というのは、それほど重要なもののようです。
なお、記事に出てくるスーパーマーケットの幹部の人々は、先行きを比較的楽観していますが、先日、日本の商船三井と三菱UFJ銀行が、この問題が長く続く可能性があると警告していました。
[記事]日本の商船三井と三菱UFJ銀行が「紅海の封鎖問題でのサプライチェーンの混乱」を警告
BDW 2024年2月7日
商船三井の橋本剛社長は、ブルームバーグとのインタビューで以下のように述べていました。
「この状況は少なくとも今後2、3カ月は続くでしょう。最悪のシナリオとしては、半年、1年は続くでしょう」
中東の情勢がさらに悪化していった場合、混乱はさらに長期化する可能性もあるのかもしれません。
少なくともガザの情勢は戦争開始以来、最悪の状態となっています。イスラエル軍が、ガザ地区の全人口の半数を超える 140万人あまりが密集する最南端のラファに対する攻撃を開始したのです。
[記事]イスラエル軍が、ガザ住民「140万人」が追いつめられているラファ地区への空爆を開始
BDW 2024年2月14日
この攻撃は単純な民族浄化にしか見えないもので、人口密集地域へのこのような空爆が続くと、犠牲者がどのくらいになるか想像もできないですが、中東の状況は確実にエスカレート、あるいは「悪化」しています。
英国は、昨年の今頃は、極端な果物と野菜の不足に悩まされていましたが、次は紅茶。次は? という感じになるのでしょうか。
もちろん、紅海危機がさらに悪化した場合、日本も何らかの影響を確実に受けると思われます。
時期的なことはわかりません。
英国での紅茶不足に関してミラーの報道です。
紅茶不足の恐怖が英国を襲い、スーパーマーケットの棚はほぼ完全に空になった
Tea shortage horror sweeps Britain as supermarket shelves left almost totally empty
mirror.co.uk 2024/02/13
ロンドンのセインズベリーズ・スーパーが紅茶の品薄を警告した後、英国人たちは紅茶を買いだめしているようだ。あるスーパーマーケットの店舗の画像には、トップブランドの紅茶が消え、半分空になった棚が写っている。
紅海でのフーシ派の攻撃による供給問題のため、英国が国民のお気に入りの紅茶の潜在的な不足に直面している。ロンドンのセインズベリーズの紅茶コーナーは半分空のままになっている。
マンチェスターの支店のほぼ空の棚の画像には、PG tips、レッドラベル、ヨークシャーティーなどのトップ紅茶ブランドが、英国人が買いだめするにつれてほとんどなくなっていることが示されている。
店の通知には「全国的な紅茶の供給に影響を与える供給問題が発生してします。ご迷惑をおかけして申し訳ございません。すぐに完全な供給が戻ることを願っています」と書かれていた。
この看板はマンチェスター州ニューイズリントンのセインズベリーズ・ローカルで発見されたが、英国全土の店舗ではさらに多くの警告が発令されている。
しかし、セインズベリーの幹部たちは、品不足は一時的なものであり、消費者への影響は「最小限」になると予想されると顧客を安心させた。
この警告は、ヨークシャー ティーや PG tips の箱と並んで、ホットドリンクの通路の棚に掲示されていた。ただし、トワイニングのレモングリーンティーやペパーミントティーなどの紅茶ではないお茶には、現時点では影響はない。
紅茶が主に生産されているアジアやアフリカの地域からの貨物輸送は、紅海での攻撃により過去 2カ月にわたり大きな混乱に直面している。
フーシ派反政府勢力による暴力により、海運会社は喜望峰周辺で船舶のルート変更を余儀なくされ、配達時間が最大 2週間遅れ、コストが増加している。
ガザ地区で続く戦争に対抗して、フーシ派はイスラエルに向けて無人機やミサイルを発射し始めた。それらのほとんどは傍受されている。
11月19日、フーシ派は紅海で商船をハイジャックし、それ以来、ミサイル、ドローン、高速ボートを使って 20隻以上の船を攻撃している。
フーシ派はイスラエル所有の船舶、またはイスラエルの港に向かう船舶を標的にしていると述べており、この攻撃はその後、英国で供給問題を引き起こしている。
供給の問題は、スーパーマーケットのお茶の供給業者 1社だけが関係していると考えられている。英国小売コンソーシアム(BRC)の食品・持続可能性担当ディレクター、アンドリュー・オピー氏は「一部の紅茶ラインに一時的な混乱が生じているが、小売業者は重大な課題を想定していないため、消費者への影響は最小限にとどまるだろう」と述べた。
一部の英国人はティーバッグを買いだめすると誓っており、この出来事を COVID-19 パンデミック中の悪名高いトイレットペーパー不足に例える人たちもいる。
ある紅茶好きは「これはトイレットペーパー不足よりもひどいことです」と述べた。
また、「私は働くことを拒否します。紅茶がないなら仕事もしない」と言う人もいた。
テトリーの広報担当者は、「現時点では我々が望むよりもはるかに逼迫しているが、供給レベルを維持できることには自信を持っています」と述べた。
「私たちの優先事項は、注文と予測された需要に基づいて、一貫した高レベルのサービスを維持することです。私たちはこれを提供し続けることができると確信していますが、今は常に注意を払う必要がある重要な時期であることもまた認識しています」