10月18日にイラクのイスラム勢力から攻撃を受けた米軍アル・タンフ基地。 almayadeen.net
戦闘地域が一気に拡大
イスラエル-ガザ戦争はいろいろな情報が混濁していて、何が何やらよくわからなくなっていますが、現時点では、戦争は「拡大の方向」に向かっているようです。
ボイス・オブ・アメリカは、イラクの米軍基地が「所属不明のドローンによって爆撃された」と報じています。
イラクの米軍基地を3機の無人機が攻撃し米軍兵士たちに被害
Troops Hurt After 3 Drones Attack US Bases in Iraq
VOA 2023/10/18ガザ地区の病院爆撃を受けて地域の緊張が高まる中、イラクでは過去24時間にわたる無人機攻撃で米軍基地が軽微な被加害を受けた。
2機の無人機が米軍が使用するイラク西部の基地を狙い、1機の無人機がイラク北部の基地を狙った。米中央軍の 10月18日の声明によると、米軍は 3基すべてを迎撃し、2基を破壊したが 3基目は損傷しただけで、その結果、西部基地の米軍を含む多国籍軍に軽傷者が出たという。
中央軍は発表文で「警戒が高まっている現在、イラクと地域の状況を注意深く監視している。米軍はあらゆる脅威から米軍と連合軍を守る」と述べた。
イランが支援するイラクの民兵組織は、米国のイスラエル支援を理由に、イラクの米国施設を攻撃すると脅している。
完全にアメリカも巻き込まれている状況ですが、シリアでも、同じような状況が起きています。
シリア最大の米占領基地が爆撃されました。
シリア最大の米占領基地が空爆される
Airstrikes hit largest US occupation base in Syria
Cradle 2023/10/19ガザ・イスラエル戦争開始以来、西アジアにおける米軍に対する激化の中で、10月19日朝、シリア南部と北東部にある 2つの米軍占領基地を組織的な空爆が襲った。
ベイルートのメディアであるアル・マヤディーン紙と話した情報筋によると、3機の無人機がシリア・イラク・ヨルダン国境にある米軍アル・タンフ基地の上空を飛行し、数回の空爆に成功したという。
「この攻撃により、アル・タンフ基地内では大規模な警戒が行われ、その地域では軍用機とヘリコプターが継続的に飛行した」とアル・マヤディーン紙は報じた。
10月18日にイラクのシャファク・ニュースと話した米国主導連合の関係者らは、占領軍が「ドローンのうち 2機の迎撃と撃墜に成功したが、 3機目は基地を標的にすることに成功した」と主張した。デリゾール県のコノコ油田にある米占領基地も複数のロケット弾による攻撃を受けた。
どちらの攻撃も、イラクのイスラム勢力が犯行声明を出したとアル・マヤディーン紙は報じている。
10月19日に米軍が空爆される数時間前、イスラエル空軍はクネイトラ県南西部でシリア軍を攻撃し、物的損害を与えた。イスラエル占領下のシリアのゴラン高原でも爆発が報告された。
18日にはイラクのアイン・アル・アサド空軍基地に駐留する米軍も空爆の標的となった。アメリカ国防総省は当初、軍隊が攻撃を撃退したと主張していたが、時間の経過とともに公式報道は負傷兵の報告を含むように変更された。
さらに、米軍の軍艦が、イエメンからイスラエルに飛翔していたミサイルを撃墜したとイスラエルのメディアは報じています。つまり、イエメンからもイスラエルに向けての砲撃が起きているようです。
こういうものには、「偽旗作戦」的なものも混合される傾向はあるにしても、戦争が一気に拡大方面に動いているようには見えます。
中東の国や地域の位置関係はパッと思い浮かばない面もあるかと思われますが、報道に出てくる、イスラエル、イラク、シリア、イエメンなどの位置関係は以下のようになっています。
イスラエル周辺の中東国家の位置関係
Google Map
さらには、
「イラン国営テレビが、イスラエルへの総攻撃命令を伝えた」
というような報道もあるのですが、イラン国営テレビの内容を確認できるわけでもなく、これはまったく真偽がわかりません。
とはいえ、最近の記事に書きました世界最強の民兵組織ヒズボラに加えて、イランも加わった場合、どうにもならないカオスが展開される可能性もあり得ます。
(記事)世界最強の民兵組織ヒズボラが米国とイスラエルに対しての「総力戦」を準備しているとの報道
地球の記録 2023年10月18日
そのイランに関しての報道をご紹介して締めさせていただきます。確認は取れないですので、あくまで参考記事です。
イスラエルメディアは「イラン国営テレビがイスラエルへの総攻撃命令を出した」と報じた
warnews247.gr 2023/10/20
戦闘中のイスラエル国防軍。
10月19日、イラン国営テレビは抵抗枢軸のメンバーたちに対し、イスラエルの作戦が止められない場合は、全方位からイスラエルを攻撃するよう呼び掛けた。
イスラエルメディアが、「イラン国営テレビは視聴者にイスラエル攻撃計画を発表した」と報じた。
イラン国営テレビは「イスラエルは、あらゆる方向から攻撃を受けるだろう」と伝えた。
イラク、シリアのシーア派民兵組織と、レバノンのヒズボラ、そして、イエメンの反政府勢力フーシ派が、イスラエルを包囲するためにミサイルや無人機を含む連携攻撃を開始する可能性がある。
イランの最高指導者ハメネイ師は国営テレビの番組で「誰も抵抗勢力を止めることはできない」と語った。
イランは、フーシ派が射程約 2,000キロのミサイルを保有しており、ヒズボラはイスラエル海軍艦艇とテルアビブを標的とする対艦ミサイルを所持していると主張している。
「イスラエルによるガザ攻撃を停止するという最高指導者の要求が無視されれば、攻撃が数日以内に開始される可能性がある」
さらに、親イラン派のイラク民兵組織がゴラン高原のシリア地域に集結した。
以下は、イラクとヨルダンの国境に向かうため、イラクのバグダッドでバスに乗り込む親イラン民兵組織のメンバーとされる画像だ。
Members of Pro-Iranian Militias boarding Buses in Baghdad, Iraq tonight in order to take them to the Border between Iraq and Jordan. pic.twitter.com/zEVhODgsha
— OSINTdefender (@sentdefender) October 19, 2023