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世界最強の民兵組織ヒズボラが米国とイスラエルに対しての「総力戦」を準備しているとの報道

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中央の黄色のマグカップの人物がヒズボラの指導者ハッサン・ナスララ師

シリア市場のお土産物売り場にて。 DW




ヒズボラの戦争準備が確認される

テロ組織ハマスが、イスラエルに攻撃を仕掛けてから 10日ほどが経ちました。「奇襲」と言われつつも、非常に狡猾にイスラエル側が「戦争に持ち込んだ」図式は以下の記事で書いています。

(記事)「2023年の911」なのか「偽の黙示録」なのか
 In Deep 2023年10月9日

 

ハマス自身は非常に強い軍事組織とはいえず、そもそも、ハマスのガザでの活動は「すべて」イスラエル諜報部隊が握っていますので、イスラエルとの戦争になると、ハマスは圧倒的に弱い立場になると見られます。そこで注目されているのが、ハマスとは比較にならない強大な非正規軍である「ヒズボラ」がこの戦争に介入するかどうかでした。

ヒズボラは、レバノンに本拠地を構えていますが、「レバノンの国家正規軍より強い兵力を持つ」とされています。

ワシントンに本拠を置く戦略国際問題センター・ミサイル脅威プロジェクトの報告書には、以下のように書かれています。

ミサイル脅威プロジェクトの2021年の報告書より

…ヒズボラは世界で最も重武装した非国家主体であり、「軍隊のように訓練され、国家のように装備された民兵組織」と評されている。

これは特に、ヒズボラがイスラエルに対して大量に配備しているミサイルおよびロケット戦力に関して当てはまる。

ヒズボラの兵器庫は、主に人が持ち運び可能な小型の無誘導地対地砲ロケットで構成されている。これらの装置は精度に欠けるが、その数が膨大であるため、効果的なテロ兵器となる。

…ヒズボラはロケット兵器を増強しており、その数は現在 13万発と推定されている。 missilethreat.csis.org

この報告書にヒズボラが所持していると推定される武器一覧がありますが、陸上攻撃ミサイルや各種ロケット弾から「対艦ミサイル」、「対戦車ミサイル」、「対空ミサイル」も所持しています。

兵力は定かではないものの、10万人ともされており、世界最大の兵力を持つ非国家軍といえます。

ヒズボラのグループカラーである黄色と緑の旗

DW

そのヒズボラが、「総力戦の準備をしている」ことを情報筋から得たとしてニュースメディアが報じていました。

ヒズボラが「総力戦の準備をしている」と報じたメディア

i24NEWS

本当にヒズボラが参戦したり、あるいは、さらにイランなどが関係したりした場合、以下の記事でご紹介しましたフィンランドの経済学者の言う「西側の金融と経済がカオスに向かう」可能性もありそうで、つまり、地域に関係なく、世界中が混乱に向かう可能性があるのかもしれません。

(記事)イスラエル・パレスチナ戦争による全世界への「経済と市場のカタストロフ」がもたらす劇的な「終末の時代」に突入した可能性
 In Deep 2023年10月15日

 

ヒズボラについての最新の情報を報じていたメディア記事をご紹介します。





米国とイスラエルに対して「ヒズボラが総力戦の準備をしている 」  一般動員を宣言

warnews247.gr 2023/10/18


ヒズボラの兵士。

アメリカとアラブの諜報機関が、ヒズボラがイスラエル軍との全面戦争の準備を進めているとイスラエルに対して伝えた。

情報によると、ヒズボラ軍の総動員と動員が行われている。おそらくこれらは、10月17日に、イランのアミール・アブドラヒアン外相が語った「予防的行動」だろう。

ヒズボラは当初この可能性を排除していたが、過去 24時間ですべてが変わった。アメリカ側は、ヒズボラの軍事準備がピークに達していると強調している。

最終的な決定は、イスラエル国防軍が、ガザに地上侵攻した後に、レバノンとイランで下されることになるだろう。

アメリカとイスラエルのメディアは、ヒズボラのこの計画がイスラエル軍によるガザの地上侵攻作戦開始を大きく妨げていると指摘している。

17日、ハマスの軍報道官は「ナスララが近い」とのメッセージを送った。その背後にあるテキストは「神の勝利は近い」と書いてある。

ヒズボラの色である黄色の文字には「神への勝利」と書かれている。


Faytuks

神の勝利「نصرالله」とはアラビア語で「ナスララ」と読むが、これはヒズボラの指導者の名前でもある。

「ナスララが近い」とは、つまりそういう意味だ。

 

ヒズボラはイスラエルとの全面戦争の準備をしている

中東およびアメリカのアラブ当局者たちは、ヒズボラがイスラエル軍との戦闘に向けてミサイル部隊を含む軍事編成を準備していることを確認した。

アメリカの報道によると、ヒズボラは現在、イスラエルの後衛にロケット弾を発射するなど、イスラエルとの全面対決に備えて軍隊と軍事編制を準備している。

同時に、レバノンと中東の同じ情報筋は、ハッサン・ナスララ師とヒズボラ指導部は完全な紛争、つまりイスラエルとの戦争には興味がなく、せいぜい数日間の共闘に興味があると確信している。

中東の同じ情報筋の試算によれば、最終決定はイランの指導部と協議して行われることになる。

あらゆる兆候から見て、ヒズボラは、イスラエルが少なくともガザ地区での攻撃の第一段階を完了するまでは自制すると見られる。

すべての推定によると、「全面戦争開始の決定は、イスラエルが、ガザ地区に地上侵攻した後にイランとレバノンで下されるだろう」とアメリカ側は結論づけている。

ガザ地区のみで戦争を継続することは、アメリカとイスラエルにとって重要な優先事項だ。ヒズボラの大規模な作戦は、イスラエルに南北二つの前線で同時に戦うことを強いることになるが、これはイスラエルの困難を意味する。

また、ヒズボラの標的に対する空爆を開始することにより、米国が紛争に引き込まれる可能性がある。

ヒズボラの指導者ナスララ師は、現在は、イスラエルとの全面戦争を望んでいないと推定されるが、アメリカとイスラエルの当局者たちは、地上侵攻でパレスチナ人の死傷者数が増加する中、ナスララ師が北部戦線を開くことの圧力にもはや抵抗できないのではないかと懸念している。

元国防総省高官で CIA職員のミック・マルロイ氏は、「ハマスが壊滅しそうになれば、ヒズボラは直ちに関与して北部戦線を開くことについての、信じられないほどのプレッシャーにさらされるだろう」と語った。

「ガザの民間人の死傷者が増えれば増えるほど、地域住民の怒りはさらに高まるだろう。これはヒズボラに対し、戦闘に参加しなければ信頼を失うよう圧力をかけることになるだろう」と述べた。







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