パイロットたちの「操縦中の急死」が続いている
アメリカの現役のパイロットの死亡数が「前年比で 1700%増加した」ことが業界紙の訃報記事で判明したことを一昨年の以下の記事で書きました。
(記事)アメリカでパイロットの死亡数が前年比で「 1,700% 」以上増加。米航空会社の従業員にはワクチンの接種義務があるが、因果関係は不明
地球の記録 2021年12月15日
これは、航空業界の専門誌である『エアライン・パイロット・アソシエイション 』に掲載された 2021年1月から 9月までの死亡報告の数値からのデータです。
2019年に死亡した米国の現役のパイロットの数は 1人だけでした。2020年には 6人。ところが、 2021年には 111人のパイロットが死亡したことが示されていました。率にして、1750%の増加です。
その後、世界のパイロットたちの状況がどのようなことになっているのかはよくわからなかったのですが、最近、イタリアの報道メディアに、
「 2023年 3月から 8月までに起きた、世界でのパイロットの操縦中の心停止や、緊急事態の事例」
が掲載されていました。
それを見ますと、「状況が良くなっている」ということはないようです。
少し話が逸れますが、最近、アメリカの心臓専門医であるピーター・マッカロー博士が、香港の専門家たちによって発表された論文を取り上げていましたが、その要点を一言で書けば、接種後に心臓(心筋)の損傷が確認された人たちに、「 1年後」に 2回目のスキャンをおこなったところ、
「 1年後でも、58%の若者に、心筋に瘢痕が形成されている可能性を示唆する異常が残存していることが判明した」
というものでした。
この報告から、「心筋の損傷は永久に残る可能性があることを示唆している」と博士は書いていましたが、心筋は再生されないですので、その懸念は高いです。
ピーター・マッカロー博士のサブスタック記事はこちらにあります。
ある程度の率で、心筋の損傷が恒久的なものとなってしまう人もいるということなのかもしれません。
最近のパイロットの事案についてのイタリアの記事をご紹介します。これは主要国での事例であり、実際には、さまざまな地域で他にもたくさんあるのかもしれません。
コックピット危機:8月の1週間で航空会社のパイロット3名が「急死」。航空の歴史における前例のない事態
Crisi Nelle Cabine Di Pilotaggio: Tre Piloti Di Linea “Muoiono Improvvisamente” In Una Settimana! Un Fatto Senza Precedenti Nella Storia Dell’Aviazione
News Academy 2023/08/21
今月だけで、パイロットの心停止が 5件発生しており、そのうち 4人は飛行中だった。
そして、この 4日間(8月14日-17日)で、大手航空会社のパイロット 3名が突然死亡しており、そのうち 2名は飛行中に死亡した。
以下は 8月に発生したパイロットの事案だ。
◎ 2023年8月17日 インディゴ航空(インド)のパイロットがフライトを運航する数分前に心停止に陥る (報道)
◎ 2023年8月16日 カタール航空 QR 579便のパイロットが突然体調が悪くなり、着陸予定の 30分前に死亡。フライトはドバイに目的地を変更した (報道)
◎ 2023年8月14日 ラタム航空(チリ) マイアミ発サンティアゴ行き LA505便で、機長が離陸2時間後に倒れ、トイレで死亡 (報道 / ※ リンク切れ)
◎ 2023年8月9日 ユナイテッド航空、ニューアーク・リバティー国際空港行き UAL1309 SRQ 便のパイロットが飛行中に心臓発作を起こし意識を失う (報道)
◎ 2023年8月7日 タイガーエア IT237便 日本発台湾行きで、着陸直後に副操縦士が突然気分が悪くなり、意識を失った (報道)
これらのパイロットは全員、ワクチン接種義務のある航空会社に勤務していた。なお、インディゴ航空では、今なお、搭乗時には乗客のマスク着用が必要となっている。
以下は、それ以前の最近のパイロットの事案一覧だ。
2023 年の追加の最近のパイロットの事案
・2023/07/19 ユーロウイングス 4Y-1205 便で、機長が突然の医療緊急事態に見舞われ、フランクフルトへの進入中に人事不省に陥った。副操縦士が管制を引き継ぎ、安全に着陸した。報道
・2023年7月16日 ニューヨーク州ウェストチェスターからマーサズヴィニヤード行きのプライベートフライト中のパイロットが進入中に医療上の緊急事態を経験した。 報道
・2023年7月16日 イージージェット(イギリス)の U2-2143便で、機長が突如人事不省に陥り、医療援助が必要となった。 報道
・2023年7月6日 エア・カナダ AC-692 便が、飛行中、副操縦士が職務を遂行できない事態に陥った。「休養中の」指揮官が乗組員の任務を引き継ぎ、航空機はさらなる問題なく着陸した。 報道
・2023年5月11日 ハイスカイ・ヨーロッパ・フライト H4-474便が、ブリンからの上昇中、パイロットの 1人が人事不省に陥り、もう 1人のパイロットが航空機をイギリスのマンチェスターに向けて進路変更させた。パイロットは病院に運ばれた。 報道
・2023年4月5日 トゥイ航空(ドイツ) BY-1424便で、パイロットが飛行中に突然気分が悪くなり、そのまま人事不省に陥った。飛行機はニューカッスルに戻った。 報道
・2023年4月21日 イージージェット U2-6469便で、機長が体調を崩し、飛行不能となった。副操縦士によりポルトガルに着陸した。 報道
・2023年4月4日 ユナイテッド航空 UA-2102便で、機長が操縦不能に陥り、副操縦士は、「現在、航空機を制御しているのは自分だけです」と報告した。飛行機はサンフランシスコに着陸した。 報道
・2023年3月25日 タロム航空(ルーマニア) RO-7673 便で、機長が操縦不能に陥ったと副操縦士が報告した。フライトはブカレスト行きに変更された。30歳の機長は胸の痛みと心拍数の上昇を訴え、その後意識を失った。 報道
・2023年3月22日 サウスウエスト航空 WN-6013便で、離陸直後、機長が人事不省に陥った。飛行機はラスベガスに戻った。 報道
・2023年3月18日 エア・トランザット(カナダ)TS-739便で、副操縦士が操縦不能となった。飛行機は 30分後にモントリオールに着陸した。 報道
・2023年3月13日 エミレーツ航空 EK-205において、パイロットが、飛行開始 1時間 30分後に体調を崩した。パイロットは「緊急の治療」を必要としたため、同便はミラノに引き返した。 報道
・2023年3月11日 ユナイテッド航空 UA-2007 便で、機長が操縦不能となり、胸の痛みを訴えていると、副操縦士が報告し、同機は緊急事態を宣言した。飛行機はヒューストン行きに目的地変更された。 報道
・2023年3月11日 ブリティッシュ・エアウェイズのパイロットが心臓発作を起こし、 カイロからヒースローまで飛行する予定の数時間前に乗務員ホテルで死亡した。 報道
・2023年3月3日 ヴァージン・オーストラリア・リージョナル航空 VA-717便で、副操縦士が心臓発作を起こし、操縦不能となった。航空機はアデレードに引き返し、副操縦士は病院に搬送された。 報道
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これらは多くの人たちにとっても憂慮すべきことであるのだろうか。