8月12日のアメリカABCニュースより
・Strongest-ever earthquake hits Alaska's North Slope region
米アラスカ州北部にあるノース・スロープ郡で、アラスカ北部としては史上最大の規模となるマグニチュード 6.4の地震と連続してマグニチュード 6.0の地震が発生したことが報じられていました。
ノース・スロープとは下の位置にある郡です。
アラスカ州ノース・スロープの場所
・Google Map
この地区としては異例の規模ですが、発生した 8月12日以降、震源地を中心とした広い範囲で、48時間で 200回以上のマグニチュード 2.5以上の地震が続いています。
アメリカ地質調査所のデータでは、8月12日の 1日だけで以下のような地震が発生していました。
・USGS
ノース・スロープで発生した地震で、これまでの最大の規模のものは、1995年に記録されたマグニチュード 5.2の地震だと ABCニュースは伝えています。
この地震に対して、アラスカ州の地震学者マイク・ウェストウェイ( Mike Westsays)氏は以下のように語っていまして、この地震がかなり異例の出来事であることを感じさせます。
「今回のこの地震は非常に重大な出来事であり、私たちがこの事象を理解するまでにはかなり時間がかかると思われます」
地震学者がこのように言う理由は、「この場所が基本的に大きな地震が起き得る場所ではないため」ということがあるかと思われます。
アラスカでも、南部は環太平洋火山帯に属するために、ある程度大きな地震が発生することがありますが、ノース・スロープのあるアラスカ北部は環太平洋火山帯から外れているために、基本的には地震はほとんど起こりません。
環太平洋火山帯とアラスカの地震の震源
・環太平洋火山帯
ところで、ノース・スロープというこの場所について少し調べていましたら、この地では最近になって、フラッキング、つまり「水圧破砕法による地下資源の採掘」が行われていることを知りました。
下は、そのことを取りあげていた 2017年4月の米ワシントン大学のニュースリリースです。
2017年4月25日のワシントン大学のニュースリリースより
このニュースリリースでは、ワシントン大学の地質学者が「アラスカでの石油採掘ブームにより、大規模な荒廃が北極圏にもたらされるだろう」と述べています。
現在のアメリカでは、フラッキングによる採掘が行われている様々な場所で地震の問題が発生していますが、今回のアラスカの地震とフラッキングの関係はともかくとしても、大きな地震が起きることのないアラスカ北部でマグニチュード 6以上の地震が起きたということに対して地質学者たちの間にショックが広がっているようです。
なお、アラスカ北部の群発地震は今現在の 8月15日も続いています。