2019年6月11日 中国黄海上で撮影された流星とスプライト群のコラボレーション
中国の山東省に、中国流星観測機関(CMMO)という天文台があります。この中国流星観測機関が、6月11日、黄海上の空で壮絶な光景を写真におさめました。
それは、流星群の中で空の光学現象スプライトが「次々と発生する」という信じがたい光景だったようです。
冒頭の写真は、撮影された時間内の写真を重ね合わせたもので、つまり、短時間にこれだけの数のスプライトが連続して出現したということになります。
なかなかすごい光景ですが、このスプライトが出現した黄海は、中国と朝鮮半島に挟まれている海域で、以下の場所となります。
スプライトが撮影された黄海の場所
・Google Map
中国流星観測機関のある山東省は、黄海に面しています。
重複させていない写真の中には、次のようなものもありまして、流星とスプライトが同時に出現していた瞬間があったようです。
最近、世界中でスプライトの観測が多くなされています。
昨日 6月12日には、クロアチアとスロベニアの国境上空で以下のような壮大なスプライトが撮影されていました。
2019年6月12日 クロアチアとスロベニアの国境で撮影されたスプライト
なぜ、こんなにスプライトの発生が増加しているのかということについて、スペースウェザーの記事には、「太陽活動の極小期と関係しているかもしれない」と記されています。スプライトの発生要因は明確にはわかっていないとはいえ、その発光のエネルギーは「宇宙線」によってもたらされている可能性があるということになっているのです。
そして、地球に到達する宇宙線の量は、太陽活動が弱ければ弱いほど多くなるということから、現在、太陽活動が弱い中で地球に到達する宇宙線が増加していることが、スプライトが多く発生している原因ではないかとしています。
もしそうなら、今後さらに太陽活動は弱くなっていきますので、激しいスプライトがますます世界各地に出現するということになりそうです。