日本を含めて、世界中で新型コロナウイルスの第三波…四波? もう第何波だかよくわからないですが、とにかく、その感染者数と死者数が増加の傾向にある中で、「さらに規制を強化する」という国や地域が多くなってきています。
フランスは 4月3日から、少なくとも 1ヶ月継続する全土のロックダウンに入っていますが、スペインでは、感染抑制対策として新たな規制を法令化しました。
それは、「ビーチでも、そして海で泳ぐ際にもマスクの着用を義務づける」という法律です。
ビーチでのマスク着用義務は、比較的多くの国や場所で行われていますが、今回のスペインの法令で新しいのは、
「泳いでいる時もマスクを外してはいけない」
ときたところです。
これは、英国の報道の以下の記述でわかります。
スペイン当局は、6歳以上のすべての人々が「公道、屋外スペース、および閉鎖されたすべての屋内空間で」マスクを着用することが義務付けられると発表した。
これは、ビーチで日光浴をしている人や海で泳いでいる人にも当てはまる。 (standard.co.uk)
この法律により、スペインでは、自宅以外のすべての場所で、社会的距離と関係なくマスク着用が必須とされたことになります。
違反した場合は、100ユーロ(約 1万3000円)の罰金が課されます。
このスペインの新しい対策には、特にスペインの観光業界から大きな反発が出ており、ただでさえ観光客が減っている観光地に、さらに人が訪れなくなってしまうと抗議しています。
もっとも、この観光の問題はスペインだけの問題ではなく、世界的に同じです。
それについての報道をご紹介します。
スペインの新しいマスク規則に反対するスペインの観光産業:「政府はビーチを野戦病院に変えようとしている」
Spain’s tourism industry rails against new face mask rules: ‘They are going to turn beaches into field hospitals’
elpais.com 2021/04/01
スペインの観光業界は、新型コロナウイルスにより大きな影響を受けており、良い兆しが訪れることを待ち望んでいるが、しかし、スペイン政府から発表された新しい法規制は、観光業界にさらなる打撃となる可能性を含むものだった。
社会的距離と関係なく「すべての公共スペースでマスク着用を義務化する」という新しい法律が制定されたのだ。
これまで、スペインの法律では、人との距離が 1.5メートル以上を保てない場合に限り、マスクの着用を義務としていたが、この新しい法律では、その距離と関係なく、屋外空間では 6歳以上のすべての人がマスクを着用する義務がある。
この措置について、観光業界の専門家たちは、ビーチやプールなどの公共スペースでのマスク着用義務は、間違いなく多くの観光客をスペインから遠ざけると考えている。
スペインの観光業のメインロビーグループ代表者は、以下のように述べる。
「私たちは、(新型コロナウイルスにより)何千ものビジネスが一掃される恐れのある地獄を経験し続けています。そして今度は、彼ら(政府)はビーチを野戦病院に変えようとしているのです」
観光業界は、イースター休暇の観光の復活は難しいと考えているが、この夏には、ぜひ観光が復活してほしいと願っている。
通常なら、スペインのビーチには、ヨーロッパ中から多くの観光客がやってくるが、今年の観光の障壁はマスクだけではない。国境を越えてやって来る旅行者たちには PCR検査でのコロナの陰性証明が必要となっている。
スペイン政府の新しいマスク法を疑問視する主張はスペインの他の地域でも多く聞かれる。観光への依存度が高い地域では、今回のビーチでのマスク着用義務の発表は衝撃的だった。
地方のある観光業界者は、「社会的距離を維持してビーチで日光浴をしているときにマスクを着用する必要がある理由がわからない」と述べる。