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新型ウイルスの感染源は食用として販売されていた「ヘビ」である可能性が高まる。また、ウイルスの名称は「2019-nCov」に

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今回の新型コロナウイルスと同じ種類に属する2013年のMERSウイルス。euronews.com




 

中国で発生した新型コロナウイルスの患者数と死者数は、現時点でも飛躍的に増え続けていまして、1月23日の時点で、確定患者数 540人となっており、昨日より 100人ほど増えており、また、死者数は 17人となり、9人だった昨日からほぼ倍増しています。

中国でのこのウイルスの患者発生地域も日々、拡大していまして、1月23日時点では以下のようになっています。

2020年1月11-23日まで中国で新型コロナウイルスの症例が確認された省

2019–20 outbreak of novel coronavirus

なお、この新型コロナウイルスは、アメリカ疾病予防管理センター(CDC)により、「 2019-nCov 」という名称となったことが CDC のウェブサイトに記載されていました。

難しい感じの名称ですが、nCov というのは、Novel Coronavirus (新型コロナウイルス)の略称で、「 2019年 新型コロナウイルス」という意味です。SARS の時の正式名称は「 SARS-Cov 」でした。

この「コロナウイルス」の「コロナ」というのは、このウイルスの形状が太陽コロナと似ているということからつけられたもので、さほど意味のあるものではないです。

感染源に関しては確定はされていませんが、コロナウイルスは「人獣共通ウイルス」とされていて、つまり「ヒトに感染する前に、宿主の動物がいた」と考えられており、今回の中国のウイルスも、宿主となっていた動物とヒトの接触から始まったと思われます。

新型ウイルスが最初に発生したのは、中国の武漢で、この食糧市場で発生したことが、ほぼ確実だとされているのですが、この市場ではさまざまなもものが売られていたようで、報道ですと、家禽、ロバ、ヒツジ、ブタ、ラクダなから、シーフード、あるいは、キツネ、アナグマ、ネズミ、ハリネズミ、爬虫類など日本ではあまり馴染みのない食材も売られていたようです。

最近までの遺伝暗号の解析によれば、この新型ウイルスは、中国の2種類のコウモリが持つコロナウイルスと関連していることがわかっていました。

そのため、当初は、コウモリが新型ウイルスの起源である可能性があったそうなのですが、さらに、ウイルスのタンパク質コードの分析を進め、鳥、ヘビ、マーモット、ハリネズミ、コウモリなどを比較したところ、今回の新型ウイルスに最も近いのは「ヘビ」であることが示されたのだそう。

武漢の市場では、食用としてのヘビも販売されており、ここからヒトに感染していった可能性が考えられています。

しかし、このような感染の経緯にはわからない部分が多く、確定することはできないようです。また、発生源とされる武漢の市場は今は閉鎖されているので、現地からウイルスの起源となった動物を追跡することは困難になっています。

 

ところで、今回のウイルスの最初の重症患者だった男性が 1月15日に退院しましたが、その男性が、入院病棟内で撮影した写真が掲載されていました。

重症患者だった男性が入院中に撮影した病院内部の写真

businessinsider.jp

医療関係者たちが、かなりの重装備で対応に当たっていることがわかります。しかし、このような態勢で治療に臨んでも、これまでに十数人の医療関係者が感染しているわけで、厳重な防護態勢でも感染してしまうというあたりには、感染力が強いウイルスなのではないかという懸念はあります。

少なくとも、一般に手に入るような普通のマスク等で予防できる世界ではなさそうです。

退院した男性によると、2019年12月24日に症状が出て、年明けに入院。そして、退院したのは 1月15日だったということで、感染して重症化した場合、治癒したとしても、かなり長い闘病となる可能性があります。

男性の体重は入院前より 10キロも減っていたということで、重症化した場合の深刻さがわかります。

 

なお、外務省は、中国武漢市の感染症危険情報を「レベル2」に上げました。

危険レベルは以下のようになっていて、4が最大です。

レベル1 十分注意してください。
レベル2 不要不急の渡航は止めてください。
レベル3 渡航は止めてください。(渡航中止勧告)
レベル4 退避してください。渡航は止めてください。(退避勧告)

中国における新型コロナウイルスの発生

【危険度】
●中国湖北省武漢市
レベル2:不要不急の渡航は止めてください。(引き上げ)

●上記以外の地域
レベル1:十分注意してください。(継続)
感染がさらに拡大する可能性があるので,最新情報を入手し,感染予防に努めてください。

状況次第では、もう1段階上がる可能性もありそうです。

明日からは、中国の一大民族移動イベントである春節の大型連休です。







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