中国の新型コロナウイルスの確定患者数は増加し続けており、1月24日の早朝時点での患者数は 650人となっています。
患者数の推移を見ますと、1月19日あたりから飛躍的に増加しています。
・2019-nCov in mainland China
ただ、これは実際の患者数の推移というより、当局の公式発表がこうなっているというだけで、今でも実際の患者数はよくわからないといえそうです。
中国のソーシャルネットには、道端で倒れている人たちや救急搬送されている人たちの様子が次々投稿されていまして、武漢を中心として、実際にどのような感じとなっているのかわかりにくい部分はあります。
2020年1月23日 中国武漢市
中国政府は、1月23日に新型ウイルスの発生源となった武漢市を隔離・閉鎖しましたが、それに続き、1月24日に、武漢市の周辺 6都市を隔離することを発表しました。
隔離されたのは以下の都市です。
2020年1月24日時点で隔離された中国の都市
・CNBC
武漢市の住民には現在、公衆バス、フェリー、地下鉄などでの移動が禁止される等の生活上の制限がつけられていますが、これらの都市にも同じような制限がつけられていると考えられます。
武漢市は 1100万の人口を持ち、隣接する黄岡市も 750万人の人口と、それぞれで東京都レベルの大都市であり、この隔離ではかなりの混乱が起きているようです。
1月24日からは春節で、本来なら人々は帰省したり、旅行に出かける時だけに、カオスじみた状況となっている場所もありそうです。
実際のところは、これらの都市がどのようなことになっているのかはわからない部分が多いですが、短期間でこれだけの都市を隔離するということは、それなりに感染の拡大が懸念あるいは確認されているということなのかもしれません。
心配な面もありますが、ただ、重症者や死亡者の詳細な内訳がわかってきていまして、重症者や死亡者のほとんどが高齢者か基礎疾患を持っている人たちに限られていることがわかってきています。
つまり若い人や健康な人たちの場合、仮に感染したとしても重症化はしない可能性の方が高いようですので、持病的なものを持っているのでなければ、過度に心配する必要はないかもしれません。
そのことについて報じた香港のサウス・チャイナ・モーニングポストの記事の概要をご紹介して記事を締めます。
Wuhan virus killing mostly the elderly, those with previous health problems
scmp.com 2020/01/24
新型ウイルスで死亡した人々は、主に高齢者と健康上の問題を抱えている人たちだった
武漢で発生した新型ウイルスでは、1月24日までに 647人の患者が確認され、17人が死亡しているが、中国の保健当局によると、亡くなった 17人のうちの半数が 80歳以上であり、その人たちのほとんどに既存の健康問題があった。
そして、若い人や子どもたちは、感染はしても、ウイルスによる深刻な症状はあまり出ていないようだという。
死亡者の詳細は、最年少者が 48歳、最高齢者が 89歳であることを示した。8人が80代、2人が 70代、5人が 60代、50代が 1名だった。そして、死亡した人たちのうち少なくとも 9人は、糖尿病、冠動脈疾患、パーキンソン病などの既存の症状を有していた。
中国疾病対策予防センターの局長は記者会見で以下のように述べた。
「現在までの分析では、このウイルスは、若い人たちは本当に影響を受けにくいようです。死亡した方々の多くは高齢者で、また、その方々は、糖尿病、高血圧、心血管疾患など、基礎疾患を抱えていました」
中国当局は、感染の拡大を制限するため、武漢市内のすべての公共交通機関を 1月23日に停止した。