2019年9月23日の報道より
インドネシアでは、夏以降、山火事が続いていまして、それがまったく収束しない中で、周辺諸国にも煙の影響が広がっています。
先週には、インドネシアの火災発生地区が、それまでの150地点前後から、450地点へと増加し、森林火災はさらに激しくなってきていることが報じられています。
スマトラ島での火災の様子
・nikkei.com
そのような状況の中、9月20日頃から、インドネシア各地で、
「光景が真っ赤になる」
という事案が相次いでいます。
2019年9月21日-23日のインドネシア・スマトラ島の各地
・Eka Wulandari
・RT
下は、スマトラ島のクンペという町の 9月21日の様子が撮影された動画です。
https://youtu.be/h6fbL9mHgTI
山火事の煙でここまで空や大気が赤く染まるというのは、世界的に見ても、ほぼ前例がないことだと思われ、それだけ非常に深刻な煙害が広がっているということにもなります。また、この煙は、直径10マイクロメートル以下の微粒子状物質からなっており、健康にもかなりの悪影響があると考えられます。
インドネシアのリアウ州などでは、非常事態が宣言され、「煙のレベルは健康に危険なレベルに達している」として、一部の住民たちには、避難を促しています。
また、隣国のマレーシアの煙害も激しく、マレーシア政府は、600校以上の学校を休校とすると共に、児童や生徒たちに 200万個以上のマスクを配布したと CNN は報じています。
インドネシアの森林火災の煙で霞むマレーシアの首都クアラルンプール
配布されたマスク
・CNN
このインドネシアの火災のひとつの要因には、インドネシアで古くから続けられている焼き畑農業にもあるとされ、当局は、これを規制していまして、焼き畑をおこなった人たちに高額な罰金を科すとしていますが、火災は沈静化していません。
このままの状態だと、国家同士の問題にも発展しかねないものであり、かなり複雑な状況となっていますが、そのような状況で、インドネシアの空が血のような赤に染まるというのは、ある意味では印象的ともいえます。