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シンガポールで過去最悪のデング熱の流行 : 30年間出現していなかった古いウイルス株の復活とロックダウンの後遺症による

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Singapore is on track to face its worst dengue outbreak in history




 

新型コロナウイルス対策として、世界最長規模のロックダウンを行うことにより、国家経済も人々の心身の健康もボロボロになっているシンガポールですが、そのシンガポールにおいて現在、

「過去最悪のデング熱の流行が起きている」

ことが伝えられています。

これまでシンガポールでのデング熱の記録は、2013年の症例 2万 2170件でしたが、今年はすでに1週間ごとの患者の発生数が、 3週連続で過去最高を記録しており、このままのペースだと、 2013年の記録を上回り、過去最悪の流行となると見られています。

要因としてはいろいろあるのでしょうが、科学者たちの見解としては、最も大きな原因として、

「過去 30年間見られていなかったウイルス株が出現した」

ことにより、シンガポールの多くの人が免疫を持っていないことによるというものでした。

ただ、報道では、専門家たちは、

「長期間のロックダウンの影響もあるかもしれない」

としています。

隔離措置によって、自宅待機で終日、人々が家内にいることで、蚊が住宅地での繁殖を増加させる機会が増えたのかも知れないという推測です。

シンガポールに限らず、デング持つの流行地域は、年々拡大していまして、アメリカの CNN には、1940年代から 2013年までのデング熱の流行地域の状況マップが掲載されていましたが、その中で「1943年 - 1969年」と「1990年 - 2013年」を比較しますと、以下のように拡大しています。

1943年-1969年のデング熱の流行確認地

CNN

1990年-2013年のデング熱の流行確認地

CNN

日本の厚生労働省によれば、1970年以前は、重症型のデング熱の流行はわずかに9か国のみでしたが、2016年には、確認された患者数は 334万人だったとされています。ただ、症状の出ない人も多く、推計では年間のデング熱感染者は「 3億9000万人」と推定されているようです。

デング熱もまた、ものすごいペースで世界に拡大している感染症といえます。

いろいろな意味で、デング熱は、新型コロナウイルスなどと比較にならないような脅威的な感染症なのです。

なお、今年は、インドネシアでも、すでに 7万人がデング熱に感染して、500人が死亡していると報じられていました。

シンガポールの状況について、CNN の報道からです。


シンガポールが史上最悪のデング熱の発生の危機に直面している

CNN 2020/07/03

シンガポールの国家環境庁は、デング熱のシンガポールでの感染者数が、過去最悪の水準に達する恐れがあると警告した。

年初以降に判明した症例は 1万4000件を超えており、2013年に記録した過去最高の 2万2170件を超すと予測されている。これまでに 16人が死亡しており、死者に関しては、2013年の倍となっている。

先週だけでも週間単位としては過去最高の 1468件を記録しており、3週連続で 1000件を超えている。

デング熱は、ジカ熱、チクングニア熱、黄熱病の蔓延を引き起こす昆虫であるネッタイシマカが感染を媒介するウイルス感染症だ。雨季の熱帯と亜熱帯の暑く湿った地域でよく見られる。

高熱、激しい頭痛、筋肉や関節の痛みなどの症状があるが、そのような激しい症状を示すのは感染した患者の約 25%だけだ。重症事例では、出血、呼吸困難、臓器不全、そして場合によっては死に至る可能性がある。

ネッタイシマカの繁殖が加速する 6月から 10月までの暖かい季節は、伝統的に都市部のデング熱発生のピークとなるが、シンガポールでは今年は特に激しい。

シンガポール政府は、デング熱への対応策として、公共の場所や住宅団地内などで潜在的な蚊の繁殖地の除去を図る調査を拡大し、今月 15日からは住宅などの内外で繁殖の予防策を講じなかった場合、住民らに科す罰金を増やすとも通告した。

今年、デング熱が激増した背景要因として専門家たちは、過去 30年間発見されていなかった古いデングウイルス株の復活が大きな要因と判断している。

この株は 2016年以降に多かった「 DENV-2 」型とは異なる「 DENV-3 」型で、昨年から増え出した。この株へのシンガポール住民の免疫機能の低下についても専門家たちは言及している。

また、専門家たちは、新型コロナウイルスの予防策である隔離措置(サーキットブレーカー / ロックダウンやステイホームと同じ)もデング熱の増加の一因となった可能性もあると指摘する。

シンガポールでは、4月7日から 6月1日まで「サーキットブレーカー」と呼ばれる制限措置が続いたが、自宅待機で住民が終日家内にいればそれだけ蚊が住宅地で繁殖地を増やし吸血の機会が多くなると専門家たちは推測している。







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