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2024年元旦の能登半島の地震の発生直後に、上空の「電子数の極端な変化」が観測されていた

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2023年1月1日16時20分(地震発生10分後)の電子数密度の状況

GEONET




大地震と連動する上空電子数の変化がまたも

大地震の発生「前」に、「上空の電子数や赤外線のエネルギー量に顕著な変化が観測される」ことが初めてわかったのは、2011年3月11日の東北の大地震の時でした。

以下の記事で、米マサチューセッツ工科大学のニュースリリースなどを取り上げています。

(記事)衝撃のデータ: 3月11日の地震の前に観測された日本上空の赤外線と電子量の急激な変化
In Deep 2011年05月20日

以下は、2011年3月5日から 3月12日までの日本周辺の赤外線量の変化です。

2011年3月5日から3月12日までの上空の赤外線エネルギー量の変化

MIT Technology Review 2011/20/18

その後、2019年に京都大学の科学者たちが、高層大気圏の「電離層と地震の関係」を論文で発表しています。

(記事)「地震の原因は宇宙からやって来ている決定的な証拠」が、京都大学の科学者たちによる高層大気圏の「電離層の研究」から改めて提示される
In Deep 2019年10月23日

 

これらの原理が適用されるのは、マグニチュードの規模が大きな、いわゆる大地震に限られるわけですが、1月1日に能登で起きた地震のマグニチュードは、7.6であり、規模として十分に大地震でした。

それで、「電子数は乱れていたのだろうか?」と、データを見てみますと、地震と連動して、確かに大きく乱れることには乱れていたのですが、

「乱れたのは地震の後だった」

のです。

以下は、NICT にある電子密度撹乱指数(ROTI)のマップです。

2024年1月1日午後16時20分の上空の電子密度

GEONET

時間表示は、UT(協定世界時) 07:20 とありますので、日本時間にしますと、1月1日の 16時20分です。マグニチュード 7.6の地震発生は、16時10分でしたので、その「 10分後」ということになります。

事前ではなく、事後に電子数が変化したと。

なお、この電子密度撹乱指数マップは、一覧を見ていただければわかりますが、ふだんは「ほとんど変化しない」ものです。他のどの日を見ても、大きな変化が見られることはありません。

2024年1月1日の日本列島周辺の電子密度の変化の一部

aer-nc-web.nict.go.jp

今回は、「事前」ではなかったわけですので、地震予測等と関係のあることではない事象でしたが、大地震後の場合、地震後も上空の電子密度の状態を直接撹乱させるようです。

 

昨年12月に、中国の科学者たちが「地震の発生日と規模を予測することに成功したが、場所を特定できなかった」ことを以下の記事で書きました。

(記事)中国の研究者たちが、甘粛省のM6.2の地震の「発生日時と規模」を重力波の観測により正確に予想していた。しかし、発生場所は特定できず
地球の記録 2023年12月22日

これは、重力波の測定による地震予測だそうですが、これと、上空の電子数や赤外線エネルギーの変化などを組み合わせれば、かなり精度の高い地震予測が可能となるのかもしれません。

あと、日本時間で、2023年1月1日の午前7時頃に、現在の太陽活動周期であるサイクル25で最大、あるいは、2017年以来最大の太陽フレアが発生していました。下の写真の左側の爆発がそうです。

2023年12月31日のXフレア

NASA

この太陽フレアが地震と関係したのかどうかは何ともいえないのですが、過去の研究には、「太陽フレアと地震には強い関係がある」ことを述べている論文があります。

以下で、ネイチャーに掲載された論文をご紹介しています。

(記事)太陽フレアは大地震を誘発する : 太陽と地震の関係を過去20年のデータ分析から「確定させた」2020年のネイチャーの論文を、黒点活動が過激化している今再び読み返してみる
In Deep 2022年3月29日

いろいろな上空からの要因が地震には関係しているわけですが、電子数のほうはともかく、太陽活動は今後も強い状態が継続しますので、今後 2、3年は、地質に関して不安定な状況が続きそうです。







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