ニュージーランドで撮影されたオーロラ 2017年3月27日
・nzherald.co.nz
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3月の終わり頃から突如として活発化し始めている太陽活動は、地球にいろいろと影響を与え続けています。
太陽黒点は、それまでしばらく「ゼロ」だったものが 3月27日頃から急激に黒点を増やしていき、それとは別に、コロナホールという磁気を噴出する「太陽表面の黒い部分」の面積が最近では最も広くなりました。
2017年3月29日の太陽表面のコロナホール
・NASA
・NICT
この黒点とコロナホールのダブルの影響で、地球の表面は現在も含めて、強い「磁気の嵐」に見舞われ続けています。
これに関しては、
・太陽の表情が急変:表面には100万キロの長さのコロナホールが出現すると共に、半月の間「ゼロ」だった黒点が唐突に急増し、地球は現在、磁気の嵐にふきさらされている最中
In Deep 2017/03/29
という記事などをご参照いただければ幸いです。
そして、この記事のタイトル通りに、
> 地球は現在、磁気の嵐にふきさらされている最中
なのですが、そんな磁気嵐の中、ニュージーランドで「オーロラ」が撮影されたのです。これは大変に珍しいことで、正式名記録が残っていないほど、最近では起きなかったことのようです。
撮影されたのはオークランドでした。
この珍しい事象を現地では各メディアが報じていました。
2017年3月30日のニュージーランドの報道
オークランドの場所
・Google Map
この南半球でのオーロラには、名称がつけられていて「オーロラ・オーストラリス(Aurora Australis)」と呼ばれています。日本語では「南極光」という言い方もあるようです。
しかし、名称はあるとはいえ、報道によれば、
> 1930年代に光が観測されたという話が残っている
という曖昧な記録しかないほど、ニュージーランドでは珍しい出来事です。
さらに南極に近いオーストラリアのタスマニアでも、 3月終わりの磁気嵐の中、オーロラが観測されていました。
2017年3月26日にタスマニアで撮影されたオーロラ
今回、ニュージーランドでオーロラを撮影したのは、写真家のラリー・ラー(Larryn Rae)さんで、磁気嵐の発生の中で、オーロラが観測されるかもしれないと、何と1週間も「張り込んでいた」のだそう。
そして、ラーさんが諦めかけた頃、この見事なオーロラが出現したようです。
おそらく、ニュージーランドでオーロラが観測されることは、もうしばらくはないと思われますが・・・いや、しかし、「いろいろと地球の状態が変わってきている」のなら、これからも南半球のオーロラは頻発するのかもしれません。
なお、最近の記事、
・エイプリルフールの太陽の暴走:黒点数は昨年8月以来の数に達し、Mクラスのフレアも発生…
In Deep 2017/04/02
で記しましたように、その後の太陽も活溌で、今度は太陽フレアによる CME (コロナ質量放出)による磁気嵐が発生する可能性も出ていて、まだもう少し太陽からの磁気の影響は続きそうです。