中国の西南部を占める自治区であるチベット自治区(西蔵自治区)で、7月23日、
「 数時間のうちに 5回連続して地震が発生した」
ことが記録されていました。
日本などの地震の多い国では、このようなことはどうということもないですが、チベットでは大変珍しいことです。
そのうちのひとつの地震は、中国地震局の記録では マグニチュード 6.6 (アメリカ地質調査所は M 6.3)となっていて、災害レベルになっても不思議ではない規模でした。この規模の地震がチベットで発生するのも珍しいと思われます。
アメリカ地質調査所 (USGS)によれば、5回の震源の位置は以下のようになっています。拡大しますと、比較的、異なる場所の震源だったようです。
7月23日のチベット自治区での地震の震源
・USGS
この地図には、赤いラインが表示されていますが、このラインはプレートの境界を示します。
世界中のほとんどの地震というのは、「環太平洋火山帯上」か「プレートの境界線上」で発生することが多いため、このチベット自治区のように、環太平洋火山帯上でもなければプレートの境界線上でもない場所で、これだけ連続して地震が発生するのは珍しいと思います。
なお、報道によれば、このほとんどの地震は、「北緯 33度上」で発生していたようです。
7月23日のチベットの地震の規模と緯度
・7月23日午前04時07分 M6.6 (北緯33.19度)
・7月23日午前06時28分 M4.3 (北緯33.24度)
・7月23日午前08時10分 M4.1 (北緯33.96度)
・7月23日午前09時04分 M3.7 (北緯33.13度)
・7月23日午前08時47分 M3.9 (北緯30.35度)
まあ、北緯 33度問題はともかく、もともと中国は全域で地震がとても少ない国家ですが、この1ヵ月ほどは、中規模異常の地震がかなり発生しています。
2020年7月23日までの1ヵ月の中国で発生した顕著な地震
・USGS
これらが何か大きな地震につながるということではないでしょうが、地質的にやや不安定になっているということは言えるのかも知れません。
まあ、今の中国は、歴史的な洪水にイナゴの大群に見舞われつつあり、アメリカとの関係も最悪の国際関係に達しそうでもある中で、何が起きても不思議ではないという雰囲気もやや強まっています。