サウジのムハンマド・ビン・サルマン皇太子 (左) とロシアのウラジミール・プーチン大統領。presstv.ir
「ジハードを警告する」
アメリカとサウジアラビアが「完全な対立状態となった」ことは、日本でも伝えられています。
キッカケは、石油輸出国機構(OPEC)プラスが大幅減産を決定したことで、「バイデン政権のメンツ丸つぶれ サウジ石油減産の背景」というようなニュースにありますが、しかし事態はもう、レビー大統領のメンツとか、そういう問題ではなくなっている話となってきているようです。
サウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン皇太子という方がいますが、そのビン・サルマン皇太子の「いとこ」にあたるサウド・アル・シャアラン王子が、ビデオメッセージで、
「この王国の存在に挑戦する者は誰でも皆、ジハードの対象だ」
と述べたことが報じられていました。
英デイリーメールが伝えています。
アル・シャアラン王子がTikTokに投稿した動画
dailymail.co.uk
この「ジハード」という言葉の意味は、正確には「聖戦」ではないのですけれど、わかりやすくするために、この言葉を使わせていただいています。
ジハードは、正確には「聖なる」という意味が入らない
「異教徒との戦い」
という意味です。
また、イランのプレスTVによると、アメリカの政府当局者たちが「サウジアラビアでの投資会議に招待されていない」ことがわかったと報じています。
米国の当局者は、今後のサウジアラビアの投資会議に招待されていない
American officials not invited to upcoming Saudi investment conference
このサウジアラビアの投資会議は、「砂漠のダボス会議」と呼ばれている、エネルギー政策を決める非常に大きな国際会議だそうですが、今年は、アメリカ政府関係者は招待されなかったようです。
サウジアラビアがロシア側についたことが明白になったことにより、戦争的な云々より、
「アメリカを含む西側諸国のエネルギー云々」
の問題がさらに拡大しそうです。
米国自身はともかく、天然ガスも石油もどんどん西側から離れていっているという現実があります。
日本がどういう影響を受けるのかはわからないですが「完全に無風」ということになるとも思いにくい面はあります。
そして、何より、サウジの王子が「西側に聖戦で対応する」と述べていたりし始めているように、もしやこれらの国際関係は壊滅的のようです。
デイリーメールの記事をご紹介します。
ハンマド・ビン・サルマン王子のいとこによる西側諸国への暴力的脅威 : サウド・アル・シャアラン王子は、サウジアラビアに「挑戦する人々」に対し、「すべてジハードと殉教の計画を持つ」と警告する。 これは、バイデン氏がOPEC削減の「結果」があるだろうと言った後に起きた
ムハンマド・ビン・サルマン皇太子のいとこが、アメリカ中間選挙のわずか数週間前に、バイデン大統領が OPEC の石油生産を削減するための「結果」があると警告した後、 サウジアラビアに「挑戦する」人々に対して暴力的な脅迫を発した。
「西側」に向けられたメッセージの中で、サウド・アル・シャアラン王子は、「この王国の存在に挑戦する者は誰に対しても、我々は皆、ジハードと殉教の計画を持つ」と述べた。
OPEC+が石油生産を日量 200万バレル削減し、バイデン政権はサウジがロシアと同盟を結んでいると非難した。
米国とサウジの間で非常に緊張が高まっている時期にアル・シャアラン王子の脅威がもたらされた。
一方、バイデン氏は、米国とサウジとの同盟関係を「再評価」すると述べた。この動きは、中間選挙の直前にガス価格を確実に引き上げることになるからだ。バイデン氏は、米国がサウジアラビアとの関係を再評価すると補佐官が発表したため、リヤドは「その結果」に直面すると主張した。
その後、サウジは、バイデン政権が OPEC の減産を中間選挙後まで延期するよう要求してきたという衝撃的な声明で反撃した。
ホワイトハウスは現在、ガソリン価格のさらなる急騰に備えている。
ホワイトハウスの国家安全保障担当報道官ジョン・カービー氏は、10月14日の記者会見で、「この 200万バレルの減産から最も恩恵を受ける国はロシアだ」と述べた。
「この減産により、ロシアは自分の戦争に資金を提供し続けることができ、プーチン氏に安心感を与えたのは確かだ」とカービー氏は続けた。
サウジの外相は、そのような非難は「事実を歪曲する」ことを意図していると述べ、サウジアラビアはロシアとウクライナの戦争に関して「原則的な立場」を取っていると主張した。