2017年10月25日の米国CNNより
・124 dead, nearly 1,200 infected with plague in Madagascar
マダガスカルの場所
Sponsored Link
アフリカ大陸の南東海岸部から沖へ約400キロメートルの場所にある島国のマダガスカルで「ペスト」が猛威をふるっています。
大流行するペストへの対応にあたっているアフリカ赤十字
・AFP
衛生状態が劣悪なことから、ノミやネズミの大発生がたびたび起きるマダガスカルでは、毎年のように夏から翌年の春にかけて多少のペスト患者が発生します。ですので、今年の夏にマダガスカルでペストが発生した報道を聞いた時には、「いつものこと」というように思い、さほど何も思いませんでした。
ところが、毎年数人亡くなるかどうかという程度の感染者数だったのに対して、今年は 10月を過ぎてから、患者数、死者数ともに「コントロール効かない状況」となっていて、ついに、10月25日には、感染が確認された人の数が 1192人、夏からの死者数の累積が 124人となり、過去最悪の流行となっています。
特にこの1週間がひどく、マダガスカルの保健局によれば、「1週間で患者が2倍に増えた」とのこと。
これまでの流行で最も死者の多かったのは、2014年の 40人でした。
なお、地図を見る限り、マダガスカルは「小さな島国」のように見えたりするのですけれど、日本の面積と比べますと決して小国などではないことがわかります。
下が面積の比較です。
・マダガスカルの面積 58万7000 km²
・日本の面積 37万8000 km²
日本全土よりかなり広いことがわかります(マダガスカルの人口は約 2500万人)。
マダガスカル政府は、感染拡大防止のために、首都アンタナナリボでの集会を禁じたり、さまざまな場所で消毒作業などをおこなっていますが、今のところは感染が収まっているわけではないようです。
市場を消毒する保険局員 2017年10月10日
さらに、WHO は、感染数が急激に増えたために「感染に気づかずに、飛行機などで移動している人たちによりペストが周辺国に拡大する可能性」を警告しています。
特に、マダガスカルと人の移動や物流が多い下の9カ国に「ペスト警報」を発しました。
WHOがペストに関する警報を出した9カ国
マダガスカルの周辺には有名なビーチリゾートが多く、いろいろな意味で周辺国や、あるいは西洋諸国との行き来が多い場所ですので、「予期せぬペストの拡大」が懸念されています。
この1週間で感染者数が2倍になったということで、現時点が感染のピークならここから感染者は減っていくはずですが、また次の週も同じような増え方をした場合、前代未聞の大流行の入口となっているのかもしれません。