世界のイナゴの動きがさらに大きくなっていまして、以下の In Deep の記事では、アフリカから中東、南アジアに拡大しているイナゴ(サバクトビバッタ)が、中国に接近していること、そして、南米で発生しているイナゴの大群が中米にまで達している可能性があることを記しました。
イナゴの大群がアメリカに向かっている
In Deep 2020/07/21
そのような中で、最近のヨーロッパの報道で、
「イタリアでイナゴの被害が発生している」
ことが、いくつかのメディアで報じられています。
今に始まったことではなく、5月頃から続いているようなのですが、その最も大きな被害を受けているのが、イタリアのサルデーニャという島なんですね。
以下の場所にあります。
・Google Map
このような島ですので、果たして、これらのイナゴが、アフリカからやってきたサバクトビバッタなのか現地で発生しているものなのか詳しくはわからないのですが(報道ではイナゴ = locust とだけ表記されています)、ただ、報道の写真を見る限り、サバクトビバッタとは違う感じもしますけれど、何とも言えないです。
イタリア・サルデーニャを襲っているイナゴ
・newseu.cgtn.com
このイタリアのイナゴ被害についての報道をご紹介します。
イナゴの被害がヨーロッパに拡大する中で、イタリアのサルデーニャでは過去70年で最悪の状況に
Locust plague spreads to Europe as Sardinia sees worst attack in 70 years, Italy
watchers.news 2020/07/22
アフリカ、中東、そしてインドなどの国々がイナゴの被害を受け続けているが、イナゴの攻撃がヨーロッパにも広がってきた。
イタリアのサルデーニャ島では、最近 70年間で最悪のイナゴの攻撃を受けており、イタリアの報道によると、サルデーニャ島のヌーオロ市だけでも約 3万ヘクタールの農作物が影響を受けている。
地元の農家のひとりは次のように述べる。
「イナゴがこの地に初めて現れたのは 5月中旬でした。その時には、私たちが作っているキャベツはまだ小さく収穫時期ではありませんでした。しかし、それらはすべてイナゴに食い荒らされました。残ったのはキャベツの茎だけです」
イナゴの群れは、タンパク質が豊富な植物を食べるので、いったん群れが草原などに入ると、「何も残らない」と農家の人たちは言う。
サルデーニャ東部中央のヌーオロ市では、イナゴがティルソ渓谷を荒廃させ、これまでに3万ヘクタールに影響を与えていると報じられている。
世界銀行によると、イタリアのこの地域は、今、過去 70年間で最悪のイナゴ侵入に直面している。
7月21日には、国連食糧農業機関(FAO)は、アフリカからイナゴの群れの移動の危険性が高いと警告している。
エチオピアとソマリアではイナゴ駆除の統制活動が継続しているが、それでも、イナゴの大群は引き続きインド洋を渡って移動し、インドとパキスタンの国境の両側に沿って夏までに繁殖地に到達すると予想されている。
イナゴの繁殖は、イエメン、スーダン、オマーン、パキスタン、インドで進行中であることが確認されている。
専門家たちは、イナゴの厄災がこれ以上拡大した場合、世界中で食糧不足を引き起こす可能性を懸念しており、国際的な共同努力を求めている。
ここまでです。
どうやら、ヨーロッパにもイナゴが到達しつつあるようで、こうなってくると、世界のほとんどの地域が何らかのイナゴの影響を受け始めているとも言えそうです。
それにしても、先ほどの地図を見ていますと、サバクトビバッタがアフリカ大陸からサルデーニャ島に渡ることができるのなら、仮に、中国にまで達した場合は、日本や韓国、台湾なども十分に移動の射程内になるということなんでしょうか。