2017年10月5日のブラジルの報道より
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ブラジルで、今年の7月からの3ヶ月ほどで 100頭以上のクジラが海岸に打ち上げられていることが報じられています。
これほど大量のクジラの座礁が続いたのは、ブラジルで初めてのことのようです。
打ち上げられているのは主にザトウクジラで、さまざまな原因が考えられるものの、冒頭のブラジルの報道にありますように、なぜ今年だけこれほどの数のクジラが海岸に打ち上げられているのか明確な理由はわかりません。
9月21日にブラジル東部のボア・ヴィアージェンに打ち上げられたクジラ
クジラは、ブラジルの大西洋側の多くで打ち上げられていますが、その中でも東部のバイーア州では 7月から 41頭のクジラが打ち上げられているそうです。
・Google Map
地図にも示しましたが、南米では 2015年に、チリの沿岸で大量のクジラが死亡しているのが発見されたことがありました。こちらの記事で、その報道をご紹介したことがあります。
下のような報道でした。
チリのペナス湾で見つかった300頭以上のクジラの座礁についての調査が始まった
2015年11月17日、科学者たちのグループは、チリ国立水産養殖所のウェブサイト上に、チリの海岸での重大な発見について報告した。それによると、同地区で、337頭のクジラが座礁して死亡していたという。
現在、この原因を解明するために調査を開始している。
報告によれば、2015年6月23日、科学者たちが航空機による調査をおこなっていたところ、ペナス湾のプエルト・ナタレスの海岸を中心に、305体の座礁したクジラと 32頭の白骨化したクジラの総計 337頭を確認した。何が起きたのかを決定するために、同地区へのさらに多くの科学者たちの派遣も検討されている。
チリとブラジルでは面している海域が基本的に違いますので、これらに関係があるかないかということはわかりませんが、それにしても、ここ2、3年は大規模なクジラの座礁が多発し過ぎています。
クジラの座礁には、死亡したクジラが海岸に打ち上げられる場合と、浅瀬に迷いこんで、そのまま死んでしまう場合がありますが、どちらの例もあるようです。
ブラジルの海岸の浅瀬で動けなくなっているクジラの親子
10月18日にも、サンタ・カタリーナ州にある海岸の浅瀬にクジラが座礁しているのが発見され、24時間後に死亡したという出来事もありました。下がその様子です。
サンタ・カタリーナで座礁した後の死亡したクジラ
ザトウクジラ人間が動かすには巨大すぎて、救助したくてもしようがなく、人々はこの写真のように見ているしかありません。
この突然のブラジルでのクジラの大量死の連続は、漁業の網などの人間の営みによるものだと主張する人たちもいますが、漁にしても他の海での人間の活動にしても、昔からあったことであり、今年のこの期間だけの異常な座礁を説明できるものではないと思われます。
そんなわけで、原因はわからないままですが、近年は世界中でものすごい数のクジラが同じような状態で大量死を起こし続けているのも事実です。