2019年1月21日のカナダの気象報道より
北極からの冷たい大気が北半球の広い範囲に影響を与えていて、ヨーロッパや中東などの異例の寒波と大雪については、最近何度か取りあげていましたが、北米大陸も同様です。
アメリカもいくつかの地域で記録的な寒波の渦中にありますが、カナダでは、その寒波と大雪が歴史上最大のものとなっています。
冒頭のニュースでは「 100年以上の記録を更新」というようになっていますが、他の報道を見ますと、積雪に関しては、観測が始まって以来の過去 120年の記録をすべて上回っているということになっているようです。
2019年1月20日 雪と氷に覆われたカナダ議会の議事堂
カナダの多くの場所が、激しい寒波に見舞われているようですが、首都のオタワでは前例のない気温が日々更新されていまして、1月19日の報道では、
「カナダの首都が世界で最も気温の低い国家の首都になった」
と報じられています。
カナダ CBC ニュースの報道より
なお、この時期の平均気温として、世界で最も気温の低い首都はモンゴルのウランバートルですが、世界で「寒い首都」として知られているいくつかの市の 1月19日の気温は以下のようになっていました。
モスクワが意外と寒くないことにも気づきますが、このあたりから、現在の北極からの大気の流れが地球規模でどのようになっているのか漠然と想像できます。
なお、オタワでは風が強い状態が続いているため、体感気温は、さらに低くなっているようで、1月20日の体感気温は「北極よりも寒い状態」となったようです。
この日の北極とオタワの気温の比較は、以下のようになっていました。
1月21日の北極とオタワの気温の比較
さすがに、気温そのものは北極のほうが少し寒いようですが、オタワの体感気温は北極を上回る寒さとなっているようです。
なお、北欧のスウェーデンとフィンランドでは、1月21日に -36℃を記録している観測地点が出ていて、北半球に「北極より寒い場所」がいくつか出現してきています。
現在の気象からは、このような氷河期的な状況はまだしばらく続くようです。