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ロシアが軍事作戦を「枯渇戦」へと移行。ウクライナが冬を越せる可能性がさらに低くなる模様

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計画停電下のウクライナ。 RT




非常に凄惨な作戦へと変更した可能性

ロシアのウクライナに対しての特別軍事作戦が始まって、そろそろ 9ヵ月などになるわけですが、絶え間ない西側からのウクライナへの武器や資金の供給により、膠着が続いているようです。

11月11日には、ウクライナ南部の戦略的要衝ヘルソからロシア軍が撤退したと報じられていました。

ロシア、ヘルソン撤退完了を発表 ドニエプル川の橋爆破か

ロイター 2022/11/12

ロシア国防省は11日、ウクライナ南部の戦略的要衝・ヘルソン市からの撤退を完了したと発表した。ドニエプル川を渡河して数万人の部隊が極めて短時間に移動したことになる。

国防省の声明によると、全てのロシア軍部隊および装備がドニエプル川東岸に移動した。撤退は0200GMTまでに完了したという。

米軍幹部は、2─3万人と推定されるロシア軍部隊の撤退には「数日、あるいは数週間」かかる可能性があると述べていた。

ウクライナ公共放送は11日、地元住民の話として、ヘルソンからドニエプル川の親ロシア派が支配する東岸に渡る唯一の橋であるアントノフスキー橋が崩壊したと報じた。

 

ギリシャの軍事分析メディアが、ロシアやウクライナからの報道や軍の発表を引用して、「この撤退は新しい軍事計画の始まり」だと伝えています。

それは、「ウクライナのインフラと経済を枯渇させる」という方向のもののようです(こういう戦法は最も悲惨な結末を導きます)。

現時点でも、ウクライナ全土で計画停電がおこなわれていて、報道では11月12日も、ウクライナの 8地域で全日にわたる計画停電が発表されています。

 

(報道より)

> ウクライナの国営エネルギー会社ウクレネルゴ社は、11月12日土曜日にウクライナの8つの地域で計画停電が予想されると述べた。

> 「明日11月12日、キエフ、チェルニーヒウ、チェルカースィ、ジトームィル、スミ、ハリコフ、ポルタヴァ地域で、00:00から24:00まで計画的な閉鎖が行われる」と同社は声明で述べた 。

> 以前、ウクレネルゴの理事会の責任者であるヴォロディミル・クドリツキー氏は、電力技術者と地方自治体は 、停電を含むウクライナのエネルギー部門で最も悲観的なシナリオに備える必要があると述べた。 RT 2022/11/12)

 

このようなことが今後さらに拡大する可能性があるわけですが、これから氷点下などの気温に見舞われる時期になるウクライナの市民にとっては、かなり厳しい日々が続くと見られます。

西側からの援助に反対する国や勢力が増えている中で、ウクライナが冬を越すことができるのかどうかは微妙となっているのかもしれません。

ギリシャの軍事分析メディアの報道をご紹介します。




 


ロシアメディア:「ヘルソンから撤退した後のロシアの新しい計画」

Ρωσικά ΜΜΕ: “Αυτό είναι το νέο σχέδιο της Ρωσίας μετά την αποχώρηση από την Χερσώνα”
warnews247.gr 2022/11/12

「ウクライナは冬を越せないだろう、枯渇する」

この戦争の 9か月間で最も決定的な戦場の展開の 1つとして、ウクライナ軍はロシアの撤退に続いてヘルソンに入った。

ウクライナ国防省の中央情報局は、11月11日の午後早くに声明を発表し、戦略的に重要な南部の都市ヘルソンは 3月からロシアの占領下にあったが、現在、ウクライナの支配下に戻っていると述べた。残りのロシア兵に降伏を呼びかけているが、ロシア軍は戦うことなく、すべてが撤退した

ロシアの新聞プラウダによると、ロシアの新しい将来計画は次のとおりだ。

プラウダは次のように報じている。

「ウクライナ政府は資源と資金を使い果たしている。西側の援助は永遠に続くわけではない。ドニエプル川に沿って有利な位置を取るためのロシア連邦軍の作戦(ロシア人は撤退と呼んでいる)は、ウクライナを疲弊させることを目的とした特別作戦に変更する」

 

ウクライナのユリア・スヴィリデンコ経済相は、交渉のためにワシントンに向かった。経済相は、ロシアの爆撃による停電が続くと、ウクライナの 2022年の GDPが以前の予測よりも大幅に縮小する可能性があると述べたとロイター通信は報じている。

ウクライナ経済相は、39%の GDP の低下が予想されると述べている。

また、「問題は、ウクライナの企業が機能していないことです。停電が今後数週間続くと、GDPはさらに低下する可能性がある」と経済相は述べた。

経済省によると、10月の生産量は 39%減少した。 8月から 9月にかけては 35%の減少だった。

スヴィリデンコ経済相は、ウクライナ政府が公務員を削減し、小さな国有企業を民営化することでコストを削減していると述べた。ウクライナは、依然として海外援助を必要としていると彼は付け加えた。

経済相はまた、変圧器、発電機、さらには電力を節約できる LED電球などの電気機器の供給について、米国で交渉を試みた。米当局者はウクライナ政府に対し、透明性のある金融ルールを確立するための改革を実施するよう求めている。

ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領によると、キエフは来年予想される財政赤字をカバーするために 380億ドル (約 5兆3000億円)を必要とし、緊急のインフラ修復を開始するにはさらに 170億ドル (約 2兆4000億円)を必要としている。

 

西側諸国は、ウクライナへの絶え間ない資金提供に辟易している

現在の西側はウクライナへの資金提供に消極的であるようだ。EUは 2022年に 90億ドル (約 1兆2000億円)のウクライナへの融資を約束したが、30億ドル (約 4000億円)は送られていない。欧州中央銀行は、春にその印刷機を閉鎖する。

ハンガリー政府は、2023年の 180億ドル (約2兆5000億円)の援助パッケージへの融資を拒否した。

これは EU予算からの融資のみが行われる。IMFは、今後 2年間で 100億ドル (約1兆4000億円)のウクライナへの注入を約束しているが、これらも借金だ。

米国は主に武器供給でウクライナを支援している。9月、下院のほぼすべての共和党員が、ウクライナ予算に 120億ドル (約1兆6000億円)を割り当てる法案に反対票を投じた。

下院少数党院内総務のケビン・マッカーシー氏は、共和党が下院を支配した場合、ウクライナに自由裁量権を与えることを拒否すると警告した

 

ウクライナには戦争のための資金がない

ウクライナ経済の資金不足は、ウクライナでハイパーインフレーションを引き起こす可能性がある。ウクライナ国立銀行は、9月初旬に国債を購入し 150億フリヴニャを追加発行し、フリヴニャの価値を下げた。(※ 1フリヴニャは、0.027米ドル。日本円では、1フリヴニャ=3.76円 2022/11/12現在)

特別軍事作戦の開始以来、ウクライナ国立銀行は 3000億を発行し、為替レートは 1ドルあたりほぼ 50フリヴニャに上昇した。

9月、ウクライナのインフレ率は 25%近くまで上昇した。コストが高いことを考えると、ウクライナ政府が自力で立つことはもちろん、最前線に立つこともさらに難しくなるだろう。

その中で、ロシアはヘルソンから軍隊を撤退させることを決定した。これにより、ウクライナ政府がヘルソン市を維持する必要が出てくることになり、自動的に国の予算のコストが増加する

ウクライナの公的債務が現在 6兆 4,060億フリヴニャ(うち 78.7% が対外債務)であるのに対し、ウクライナの GDPに対する公的債務は 100.1%であることは注目に値する。ドルの上昇により、債務返済もより高価になっている。

ロシアはほぼ同等の量の西側資産を凍結しているため、ウクライナ政府が、凍結されたロシアの資産を取得する可能性はない。

さらに、EU全体でウクライナ難民への支援が減少しており、最終的に多くのウクライナ人たちが帰国を決意する可能性がある。これにより、ウクライナの労働市場にさらなる圧力がかかり、失業が増加すると見られる。

 

特別作戦の新たな段階:ウクライナの疲弊

ドニエプル川に沿って有利な位置を取るためのロシア軍の作戦は、ウクライナとの対立を新たな段階へと導く。

ロシアはウクライナの枯渇を望んでいる。

冬が近づいている。ロシアには、冬を乗り切るための十分な資源がある。しかしウクライナには資源がない。ウクライナには西側からの支援しかないが、それも永遠には続かない。







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