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米コロンビア大学の研究でコロナ感染の回復者の「精液にコロナウイルスが存在する」ことを確認し、精子の数、運動が極端に少ないことが見いだされる

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コロナが女性の生殖機能に影響を与えることは比較的はっきりしているのですが(この記事など In Deep に多数あります)、男性の生殖機能については、強く影響を与える可能性はこれまで示されていましたが、最近、米 CDC (アメリカ疾病管理予防センター)のウェブサイトに掲載された論文で、

「精液そのものにコロナウイルスが存在している」

ことが確認されました。生殖機能にかなり直接的な影響を与える可能性が想像できるものです。

その多くの場合で、「無精子症」や「乏精子症 (精子の数が極端に少ない)」状態となっていることも確認されています。どうも、コロナ(=スパイクタンパク質)は、精子も殺してしまう機能を持っているのかもしれません。

これまで、「コロナ感染後に精巣に損傷を受ける」ことについては、以下のような論文で示されていました。

ACE2 Expression in Kidney and Testis May Cause Kidney and Testis Damage After 2019-nCoV Infection
腎臓と精巣でのACE2発現は、腎臓と精巣の損傷を引き起こす可能性がある

また、精巣、 生殖管を含む「男性の全体的な生殖能力を損傷する」ことも論文で示されていました。

以下の論文です。

The other side of COVID‐19 pandemic: Effects on male fertility
COVID-19パンデミックのもうひとつの側面:男性の生殖能力への影響

これらに関しては、In Deep の記事の以下にあります。

まあ、男性のほうも不妊になりますよ
In Deep 2021年9月13日

そして、この「男性の生殖器の損傷」や「精子の欠乏状態」をもたらす要因は、「スパイクタンパク質」であることが考えられています。

2020年12月の米マイアミ大学の研究で、

> コロナウイルスに感染後、最大 6か月間、睾丸内にウイルスが存在することを見出した

というようなこともありましたが、ワクチンの場合でも、同じようにスパイクタンパク質が数カ月間(あるいは、それ以上。しかし残存の期間は今のところ不明)残ることも明らかになっています。

そして、以下の記事で書かせていただきましたが、ワクチンのスパイクタンパク質の産生能力は、自然のコロナより「数十倍、あるいは数百倍大きい」ものですので、場合によっては、ワクチンによる男性の生殖機能の損傷は、自然の新型コロナに感染する以上の影響となる可能性もあるのでしょうか。

戦時下に、日本人の専門家のワクチン遺伝子配列の分析を読んで知る「スパイクタンパク質の産生を止める術がない」こと。そして「未知のタンパク」の存在
In Deep 2021年10月17日

生殖管などがスパイクタンパク質によって損傷することが示されていますので、「永遠の不妊」というフレーズは、女性だけではなく、男性にも当てはまることになってしまうのかもしれません。

自然感染では回復の事例がありますが、ワクチンの場合はわかりません。

CDC に掲載されていた論文の「概要」と「結論」部を掲載させていただきます。


感染11週間後の重症コロナウイルス病患者の精液および乏精子症におけるSARS-CoV-2排出

SARS-CoV-2 Shedding in Semen and Oligozoospermia of Patient with Severe Coronavirus Disease 11 Weeks after Infection
CDC ISSN: 1080-6059

概要

回復期後期に定量的逆転写 PCR を使用し、精液中に見いだされたコロナウイルス2(SARS-CoV-2)について報告する。このウイルスは、適切な体液性および細胞性応答と関連しており、免疫特権のある精巣への播種の可能性を示唆している。乏精子症 (極端に精子数が少ない状態)の 3人を含む他の 6人の男性の縦断的精液品質データを提供する。

 

結論

重度の COVID-19 の発症から 81日後の 1人の患者の精液および重度の乏精子症における PCR検査による SARS-CoV-2 RNA の検出を報告する。

回復期後期の SARS-CoV-2 RNA の検出は、COVID-19 の重症度に起因する可能性があり、参加者には人工呼吸器と腎代替療法が必要だった。この特徴は、全身性ウイルス血症状態の増強をもたらし、その後、全身性炎症の状況で、副臓器または精巣、免疫特権部位の播種、および血液精巣関門の破壊をもたらした可能性がある。

この可能性は、SARS-CoV-2 RNA が精液で検出された時期を取り巻く適切な体液性および細胞性免疫応答と、それに関連する便および唾液検体のウイルスクリアランスを有する参加者によって裏付けられている。

さらに、他の 4人の研究参加者は「乏精子症」だった。精子数の回復は 2人の参加者で観察されたが、他の 2人は縦断的サンプルを提供しなかった。

これまで、多数の報告が、後に精液の品質に有害な影響を示唆している COVID-19 ウイルス性疾患および発熱精子形成不全を示している。

サンプルサイズが小さいことを考えると、入院中の肥満や酸素療法など、乏精子症の他の既知の病因の寄与を判断することはできない。さらに、比較のための感染前の精液分析が不足しており、凍結前に実行した場合、精子の運動性はより正確に評価されたはずだ。

最後に、連続精液採取の募集は本質的に困難であるため、コホート研究に登録された参加者のごく一部からのみ精液が採取された。

これらの調査結果は、すべての男性のCOVID-19生存者に一般化できるわけではなく、さらなる研究が必要だ。

結論として、精液中の SARS-CoV-2 RNA はまれな事象としても、乏精子症がより頻繁に報告されている。男性の生殖管におけるウイルスの持続性、精液の質への長期的な影響、およびウイルスの伝播の危険因子はまだ解明されていないが、世界中で回復期にある男性の数が多いため、生殖の健康への潜在的な影響は無視できないと考える。







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