大量死 異常な現象 疾病と感染症

アメリカで小さな子どもの「三重感染」が拡大する中で、医薬品不足が過去最悪レベルに

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重複感染の拡大の中で

現在アメリカで、例年では普通あり得ない早い時期からの「呼吸器感染症の拡大」が見られています。インフルエンザや RS ウイルスといったものですが、以下の CDC のグラフにありますように、特に最も小さな子どもたちの感染者数が急激に増加しています。

2022年11月5日までの呼吸器疾患での来院数の年齢別推移

CDC

これについては、以下の記事などで取りあげています。

 

[記事] アメリカで、前例のない早い時期にインフルエンザ患者が過去最大に急増。患者は小さな子どもが中心であることから考える日本のこの冬、来年の冬、その後の冬
 In Deep 2022年11月17日

 

しかし、今年のシーズンが普段とは異なるのは、

「呼吸器ウイルスに重複感染した子どもたちが大勢いる」

ということです。

 

・季節性インフルエンザ

・RS ウイルス

・新型コロナウイルス

 

の3つに同時に感染した子どもたちが病院に運ばれ続けているのです。

これは現在、「三重感染症」あるいは「トリプルデミック (tripledemic)」と呼ばれてますが、本来、人間は、複数のウイルスに同時に感染して発症するということはないのです(干渉の法則)。

しかし、2022年になって以来、この一種異常といえる重複感染の事例が世界中で報告されるようになっています。

 

[記事] 世界中に広がる子どもの免疫消失 : オーストラリアでもコロナ、インフルエンザ、RSウイルスの3種のウイルスに「重複感染」して入院する赤ちゃんが急増
 In Deep 2022年7月2日

 

このような異常な事態となった理由はかなり「明白」ですが、話が複雑になりますので、ここではふれません。上の記事などをご参照いただければ幸いです。

ともかく「何らかの理由で」小さな子どもたちの免疫システムが「崩壊している」ようなのです。それが拡大している。

その中で、アメリカや英国の複数の報道メディアが、

「治療薬が足りない」

ということに関して報じていました。

これは、患者数が急増していることもあるのですが、もともと現在の主要国では、ほとんどの国で、以前から医薬品不足が進行していました。日本もです。

 

[記事] 世界中で深刻な医薬品不足が拡大。オーストラリアでは300種以上の必須医薬品が極端な不足状態に
 地球の記録 2022年7月21日

 

報道では、現在のアメリカでは、インフルエンザ治療薬と抗生物質が足りなくなっていると報じられていました。

「インフルエンザや RSウイルスやコロナに抗生物質?」とは思いますが、記事を読みますと、耳の感染症や肺炎なども拡大しているようで、これらに使用されるようです。

医療品不足は今後、気温が下がるとともに深刻な状態になるのではないかと懸念されています。

そして、アメリカには 12月の初旬に「強烈な寒波」が来ます

日本同様、アメリカもこの 11月などは比較的暖かかったのです。

こちらの記事に 12月からのアメリカ各地の気温の予測がありますが、米国南東部などでは、12月10日過ぎから急激に気温が下がり、氷点下程度になると予測されています。

米国南東部の平均気温の予測推移

zerohedge.com

この頃から、また再び重複感染が拡大すると予測されます。

日本も、12月に入ると、気温が一気に低下するようですので、いろいろな感染症が流行する可能性があります。

アメリカの薬不足について、米ニューヨークポストの記事をご紹介させていただきます。




 


米国は「三重感染症」の流行の中で、小児の抗生物質とインフルエンザ薬の不足に直面している

US faces shortages of children’s antibiotics and flu drugs amid ‘tripledemic’
NY POST 2022/11/23

アメリカは、ウイルスの季節が本格的に戻ってくるにつれて、子供の一般的な病気に使用される 4つの主要な薬の不足に直面している。

当局は、細菌感染症の治療に使用される第一選択の抗生物質であるアモキシシリンとオーグメンチンの不足を宣言した。

米国保健システム薬剤師協会によると、米国で最も一般的なインフルエンザ治療薬であるタミフルと、喘息用の吸入器で肺の気道を開くアルブテロールも不足している。

オクラホマシティの薬剤師であるレネ・クラフト氏は以下のように述べる。

「現在、医薬品の深刻な不足に直面しています。子供用のタミフルはまったくありません。大人用のタミフルもほとんどありません。しかも、ブランドもジェネリックもどちらもです。抗生物質もあまりありません」

ミネソタ州ヘネピン・ヘルスケアの小児感染症専門医であるスタセーン・マローシェク医師は CNN に次のように語った。

「次々とウイルス性疾患にかかっています。休憩が取れていないたくさんの家族を見てきました。そして今、アモキシシリンの不足を引き起こしている耳の感染症と肺炎の二次的影響があります」

これらの医薬品が不足している理由は、特に RSウイルスとインフルエンザの症例の急増による需要の増加によるものだ。RSウイルス、インフルエンザ、そして COVID の組み合わせは、「三重感染症」と呼ばれている。

CDC によると、アメリカ全土の半分以上で「高い」または「非常に高い」呼吸器ウイルスの活動が見られる。先週、国内の RSウイルス検査では、約 5件に 1件が陽性だった。

現在のインフルエンザの入院率は、通常 12月または 1月に見られるものであり、10万人あたり約 8人で、累積入院率は、過去 10年以上の間、インフルエン シーズンの早い段階でこれほど高いことはなかった。

現在のタミフルの処方量は例年の 10倍に達している。パンデミック前の最後のインフルエンザシーズンである 2019 年と比較して、現時点でタミフルを服用している可能性は 6倍になっている。

抗生物質であるアモキシシリンとオーグメンチンが高い需要に直面している理由は不明だが、これらの薬は、耳、副鼻腔、喉の感染症など、多くの一般的な病気を治療することが知られている。

製薬会社は医薬品の生産を増やそうとしているが、時間がかかる。

会社はインフルエンザのシーズン前に発注された注文に基づいて薬を製造しており、今シーズンがこれほどひどいものになるとは予測していなかった。







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