噴火直後のマウナ・ロアの様子
KITV4
世界最大の火山
ハワイ島にあるマウナ・ロア火山が噴火した、とアメリカ地質調査所 (USGS)が、11月28日に緊急発表しました。
現在、ハワイ島には、コードレッド(警報)が発令されています。
USGS
アメリカ地質調査所による噴火の情報は以下のようになります。
火山活動に関する通知
火山: マウナロア (VNUM #332020)
現在の火山警戒レベル: 警報
現在の航空カラーコード: レッド発行: 2022 年 11 月 28 日月曜日、午前 7:20 HST
出典: ハワイ火山観測所
通知番号: 2022/H603
場所:北緯 19 度 28 分 西経 155 度 36 分
標高: 13681 フィート (4170 m)
火山活動の概要:
マウナ・ロアの噴火は、最初の頂上の噴火から北東の傾斜ゾーンに移動しており、亀裂からいくつかの溶岩流を噴出しています。ハワイ火山観測所のスタッフは、午前 6時30分頃、上空から、ハワイ火山国立公園内の高地にある亀裂がマウナ・ロア気象観測所の斜面に溶岩流を供給していることを確認しました。
溶岩流は傾斜下流にある地域を脅かしてはおらず、すべての兆候は、この噴火が北東傾斜ゾーンにとどまることを示していますが、火山ガスと細かい火山灰、激しい霧等が風下に運ばれる可能性があります。
マウナ・ロアの溶岩流の危険にさらされている居住者たちは、準備状況を確認し、詳しいガイダンスについてハワイ郡市民防衛情報を参照する必要があります。
過去の出来事に基づくと、マウナ・ロアの傾斜ゾーンの噴火の初期段階は非常に動的であり、溶岩流の位置と進行は急速に変化する可能性があります。
ハワイ火山観測所は、緊急事態管理パートナーと緊密に協議しており、活動に関する最新情報を提供するために火山を注意深く監視しています。
最近の観測:
[火山雲の高さ] 不明
[その他の火山雲情報] 不明
[弾道] 不明
[溶岩流/ドーム] 不明
[溶岩流] 不明
噴火したばかりで、状況はまだよくわかっていないようですが、現時点では、噴火の場所がさらに広がることは想定されていないようです。
なお、このマウナ・ロアという火山なんですが、「世界最大の火山」なんですね。
Wikipedia などには以下のような説明があります。
> マウナ・ロアの体積は約 75,000 立方kmであり (富士山は 1,400 立方km)、地球で最も体積の大きい山でもある。 (マウナ・ロア)
実に富士山の体積の 53倍となる超巨大火山のようです。
もっとも、いまだに実際の体積がわかっていない火山も数多くあると思われますが、わかっている火山の中では世界最大です。
面積的にも、マウナ・ロアは、「ハワイ島の半分」を占めます。
最後に噴火したのは、1984年だったそうで、約40年前ですが、この際には大きな被害はなかったようです。
ただ、以下のように説明されてもいます。
(マウナ・ロア - Wikipedia より)
> マウナ・ロアの最も有名な噴火は1984年3月24日から1984年4月15日にかけて起こった。この最近の噴火による死者は出ていないが、1926年と1950年の噴火は複数の町を壊滅させた。
>
> そもそもヒロの一部は19世紀後半からの溶岩流の上に構築されている。
> 人口集中地に及ぼす危険性を考慮して、マウナ・ロアは、世界でも危険性が高い火山の研究を奨励する防災十年火山プロジェクトの対象に選定されていた。 (マウナ・ロア)
このように、ハワイ島最大の町であるヒロというのは、かつてのマウナ・ロアの噴火での溶岩流の上に作られたとあります。
マウナ・ロアの山頂とヒロの距離は、地図では 100キロメートル前後あるように見えますので、数十キロ以上という非常に長い距離を溶岩流が移動したことになりそうです。
マウナ・ロアの位置
Google Map
今回の噴火がどの程度の規模になるかは不明で、今後明らかになってくるのだと思われます。
マウナ・ロアの火山性の地震は 10月から続いていたことが先月報じられていまして、噴火の兆候がかなり長く続いていたことになります。
マウナ・ロアのリアルタイム映像は、アメリカ地質調査所のウェブカメラから確認できます。