日本時間の 2017年1月9日午後9時30分頃、月と地球の間を小惑星が通過しますが、この小惑星は 1月7日に発見されたばかりのものです。
小惑星の名前は、2017 AG13で、サイズは最大で直径 34メートル。
地球から約 20万キロの宇宙空間を通過する予定です(地球から月への距離は約 38万キロ)。
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この小惑星は、地球へは影響を与えない見込みですが、以下の軌道を描いて、地球の周囲を回っていることがわかりました。
小惑星 2017 AG13 の軌道
・NASA
上の図で、地球の軌道と、1月9日に接近する小惑星 2017 AG13 の軌道は、それぞれ以下のようになります。
この軌道からの計算では、この小惑星が次に地球に接近するのは 2017年12月28日になる見込みです。
それにしても、今年に入ってから、かなりのペースで地球近傍小惑星(地球に危害を与える可能性のある距離を飛行する小惑星)が発見されています。
下は、1月9日までに発見されている地球近傍小惑星で、赤で囲んだ小惑星は、2017年になってから発見されたものです。
2017年に入ってから発見された地球に接近する小惑星
最も赤く示されているのが、今回ご紹介した 2017 AG 13で、地球から見て月の内側を通過します。
月より内側を通る小惑星の数は、一年を通してもそれほどありませんが、これよりさらに内側となってきた場合は、衛星に影響があったり、さらに近い場合は地球そのものに影響を与えるものも出てくるかもしれません。
今現在のペースで次々と地球に小惑星が接近しているのなら、いくつかが大気圏に突入してもおかしくはないです。
ただ、今回のように数十メートルの大きさの小惑星なら、たとえ地球の大気圏に突入しても、ほとんどが大気圏で崩壊するはずで、心配は必要ないと思われます。
こわいのは、直径が「数百メートル」とか「数キロ」の小惑星が「突然」発見される時で、そういうことはないとは思いますが、可能性はいつも存在しています。
ちなみに、最初に「地球に危害を加える可能性のある天体(地球近傍天体)」が観測されたのは 1976年1月7日のことで、今年で 41年目となります。
下のグラフは、それ以来、今年 1月9日まで発見された地球近傍小惑星の数です。
直径1キロメートル以上の巨大な小惑星も、他と比べれば数は少ないとはいえ、かなりの数が発見され続けてきたことがわかります。
一般的に、直径 500メートル以上の小惑星が地球に直撃した場合は「破局的な大災害」になるとされていて、直径 7キロメートル以上の天体が直撃した場合は「大量絶滅」に結びつくとされています。
これら巨大天体の衝突には、それを避ける方法もなければ、直撃した場合に講じる手段も何もないのが現状です。